「マインドフルネス」は私たちをどう変える? 「瞑想」との違いは

「マインドフルネス」は私たちをどう変える? 「瞑想」との違いは

  • Forbes JAPAN
  • 更新日:2016/10/20
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瞑想を始めてみようと考える理由はさまざまあるが、中でも多いのは、感情的(情動的)反応を抑制したいというものだ。最近では、「マインドフルであること(マインドフルネス)」あるいは「”禅である”こと」が、「(情動的に)反応しないこと、またはそうした反応を減らすこと」と同義語のように使われている。

こうした現状の背景には、必ず何かがあるはずだ──私たちがストレス要因に直面した時、脳に何が起きているかを説明することによって、神経科学は私たちが自ら認識し得る自覚的な情動的変化について、説明することができるようになってきている。

マインドフルネスとは、「今この瞬間に意識を向けている状態」、今をそのままの状態で受け入れている(情動的反応が抑制されている)ということだ。科学誌「Frontiers in Neuroscience(フロンティアズ・イン・ニューロサイエンス)」に9月に掲載された論文によると、元々「マインドフルネス」に欠ける人は、短時間の瞑想で多少ながらもマインドフルな状態を実感できるという。

だが、瞑想を始めようとする人に、「今この瞬間にとどまる」ことが必要だと指示しても、効果はないと考えられる。つまり、瞑想には本来備わっている何かがあり、それがマインドフルネスに近づくことを助けているとみられため、私たちが自分自身にマインドフルネスであれと「強制」しても、それは何ももたらさないと考えられるのだ。

平常心を持ち続けることが可能に?

論文をまとめたミシガン州立大学の研究チームは、マインドフルネスのクラスに参加した68人を無作為にグループ分けした後、一方には指導の下で18分間の瞑想を行ってもらった。そしてもう一方には、外国語学習用の音声を聞いてもらった。当然ながら、参加者の中には元々マインドフルな人も、そうでない人もいた。

その後、気持ちを動揺させるようなものを含んださまざまな画像を全員に、「普通に」または「マインドフルに」見てもらった。チームはこのとき、参加者たちの頭部に電極を固定し、脳の電気的活動を測定した。

その結果、本来マインドフルな人はこうした画像をみても、脳に活発な反応が見られず、すぐに元通りの活動の状態に戻った。また、瞑想をしたグループも、こうした人たちと同様、反応が抑制されていることが確認された。

しかし、ただ「今この瞬間にとどまる」ことがマインドフルネスな状態になる方法だという説明を受けただけの人たちからは、こうした結果は見られなかった。

こうしたことから、マインドフルな状態は自ら「強制して実現できるものではない」と考えられることが分かった。論文の主著者であるジェイソン・モーザー助教は、「私たちが得た脳に関するデータは、20分ほどの瞑想により、人間の情動的な脳活動は大幅に抑制されるということが示された」と説明。

さらに、「画像を『マインドフルに見る』よう伝えても、脳活動に変化はなかった。つまり、否定的情動を即座に排除するためには、瞑想を行う方が効果的だということをデータが示している」と述べている。

違いはどこから?

こうした違いはなぜ生まれるのだろうか?それは、「意識的に」または「明らかに」マインドフルになることが難しいためかもしれない。自然に、無意識のうちにマインドフルネスな状態に導いてくれる瞑想をすることによって、その状態を目指す方が良いということかもしれない。

モーザー助教によれば、違いが生まれる理由は恐らく、いくつもある。そして、今この瞬間にマインドフルであるということは、実際には初心者にとっては難しいことだ。そのため、「マインドフルではない人たちが否定的情動をコントロールし、マインドフルになるためには、言葉で指示をうけながら瞑想してみる方が効果的だと考えられる」という。

「短時間でも静かに座って指示(または録音された指示)を聞きながら瞑想を行った後では、初心者でもすぐに、ほとんど苦労することなく情動をコントロールできるようになる」

自分が「マインドフル」ではないと思うのであれば、短時間の瞑想を試してみてはどうだろう。今回の調査から分かったとおり、マインドフルネスは幸いなことに間違いなく自分で習得することができるものだ。

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