まずいぞ、ハリル。コロンビアは前回より大幅強化、日本は眼中になし

まずいぞ、ハリル。コロンビアは前回より大幅強化、日本は眼中になし

  • Sportiva
  • 更新日:2017/12/07

W杯グループHの対戦国研究(1)~コロンビア

前回2014年のブラジルW杯、日本はグループリーグ突破に一縷(いちる)の望みをかけてコロンビアに挑み、1-4で惨敗した。あの屈辱は今なお記憶から消し去ることができない。再び同じグループとなったコロンビアに、今回はリベンジを果たせるのだろうか。

まず認識しておかなくてはならないのは、ブラジルで日本を打ちのめしたコロンビアはサブメンバー中心であったということだ。

No image

今季フランスリーグでは13試合で14得点を決めているエース、ラダメル・ファルカオ

2連勝ですでにグループリーグ突破を決めていたため主力は温存。終了間際にスーパーゴールを決めたハメス・ロドリゲスも後半からの出場だった。後半40分には、43歳と3日というW杯出場最年長記録、さらに98年フランス大会以来となる16年ぶりのW杯出場という”珍記録”を達成させるためにGKファリド・モンドラゴンを投入。日本戦はコロンビア国民を喜ばせるセレモニーの場として利用されてしまったのだ。

また、当時のコロンビアは絶対的エースのラダメル・ファルカオをはじめ、ルイス・ペレアらレギュラー4名を負傷で欠いていた。もしベストメンバーであったなら、スコアは1-4以上だったに違いない。

今回のコロンビアは、ロシアW杯南米予選を7勝6分け5敗の成績で4位通過。FIFAランキングでは13位に位置している。ブラジル大会のメンバーのうち7名が不動のレギュラーとして残っており、そこにファルカオが加わる。

ブラジル大会を負傷で棒に振ったファルカオは、所属のモナコに復帰してからゴールを量産している。昨季はリーグ戦で21得点を挙げて優勝の立役者となり、チャンピオンズリーグでも7得点を決めている。前回の悔しさを胸に、格別の思いで大舞台に上るだけに、日本にとって最も恐ろしい選手といえる。

一方、前回大会でファルカオの代わりに攻撃の中心を任され、スーパーゴールの連発でゴールデンブーツ賞(得点王)を獲得し、一躍スーパースターとなったハメス・ロドリゲス。W杯後にはレアル・マドリードへ加入するも、負傷や戦術的理由から出場機会が減ってしまった。実戦不足は代表でのプレーにも影響していたが、今年7月にバイエルン・ミュンヘンに移籍。新天地で復調のきっかけをつかめば、代表でも輝きを取り戻すだろう。ベストコンディションのファルカオとロドリゲスが揃い踏みとなると、その攻撃力は世界トップクラスとなる。

11月に日本が欧州遠征でブラジル、ベルギーと対戦していたとき、コロンビアは韓国、中国とのテストマッチを行なっていた。招待されたチームということで、興行的理由からハメス・ロドリゲスこそ出場したものの、メンバーの多くはホセ・ペケルマン監督が「試してみたい」選手だった。結果は韓国には1-2で敗れ、中国は4-0で一蹴した。メンバーがかなり落ちるとはいえ、日本が手の内をよく知る韓国が、どのように戦って勝ったのかを分析すれば、大きなヒントが得られるかもしれない。

このアジアツアーに参加した中にエドゥイン・カルドナという選手がいる。彼はロドリゲスが負傷中にその代役として起用され、そのまま準レギュラーとなり、今ではロドリゲスとセットで起用されることも多い。

ペケルマン監督はアルゼンチンのユース代表監督時代、フアン・ロマン・リケルメを秘蔵っ子とし、チームの中心に据えていた。2006年ドイツ大会でA代表の指揮を執った時も同じだった。このカルドナはプレースタイルがリケルメに似ており、それがペケルマン監督のお気に召したようだ。

テクニシャンで、足元でボールをこねるのが好き。ヨーロッパや日本では受け入れられないタイプだ。しかし効果的なタメを作り、ドリブル突破やミドルシュートにも優れている。日本の選手にとっては未知のスタイルなので、彼が出てきた場合は、その意外性にも注意が必要だ。

ただ、カルドナは守備への貢献が低いところまでリケルメに似ている。ロドリゲスと同時起用なら右の中盤に入るはずなので、日本はそのサイドから攻撃を仕掛けることが得策となるだろう。

日本にとって前回の対戦と違うのは、ブラジル大会はグループリーグ最後の第3戦だったが、ロシア大会では初戦で当たることだ。これは日本にとって有利な点といえる。なぜならコロンビアには、黒星スタートだけは避けたいとの思いが強いからだ。おそらく「普通にやって勝てればいい。無理をして失点しないように」というゲーム運びになるはずだ。であれば、胸を借りる立場の日本だが、ここは積極的にいかず、凡戦覚悟での引き分け狙いに徹するという手もある。

今回のW杯南米予選最終節で、コロンビアはペルーと1-1で引き分けた。この結果、コロンビア4位、ペルーは5位で大陸間プレーオフに回り、6位のチリが予選落ちとなった。この引き分けにより割を喰ったチリは、「あの試合は両国が申し合わせて引き分けにした」とFIFAに提訴したが、認められなかった。いわゆる八百長ではないが、試合の流れによってお互い本気にならず、”なあなあ”の展開で引き分けた一戦だった。日本の常識では考えられないが、南米では十分あり得ることでもある。相手の立ち上がりが消極的だったら、それに合わせてみるのもひとつの方法だ。

ペケルマン監督は抽選の結果について、「強国が来るのではなく、バランスのいいグループになることを望んでいたが、どうやらそうなったようだ」と満足げな様子だった。日本については、「ブラジル大会で戦ったのでよく知っている。経験の豊富な選手が多く、オランダのように完成度の高いチームだ」と評価し、遠藤、香川、岡崎、本田、長友の名を挙げた。

言及した選手のうち現代表にいるのが長友だけなのは切ないが、ペケルマン監督は非常に紳士的で謙虚な人物だ。たとえ「また日本と同じグループでラッキー」と本心では思っていても、相手を貶(おとし)めるようなことは決して言わない。しかし、「ポテンシャルが高く、怖い選手が揃っている」と警戒感を滲ませたセネガルへの評価のコメントと比較すると、どうやら日本はセネガルの下と見られているようだ。

実はブラジルW杯の直前キャンプをアルゼンチンで行なったコロンビアは、そこでセネガルと調整試合をこなしている。結果は、本番モードの前半が2-0で、大幅に選手とフォーメーションを替えたテストモードの後半が0-2だった。ただ、サッカーは雑ながら、そのフィジカルの強さにはコロンビアの選手たちも驚いていた。今回、アフリカ予選を勝ち上がったセネガルは、戦術面も進化しているのは間違いない。

ペケルマン監督の本音は、やはり「日本が最弱」ということだろう。

◆W杯グループHの対戦国研究(2)~セネガル>>

◆日本は勝てるのか? W杯で激突するポーランドもこんなに強い>>

◆名古屋グランパス昇格。「風間革命」の嵐はJ1で吹き荒れるのか>>

■海外サッカー 記事一覧>>

この記事をお届けした
グノシーの最新ニュース情報を、

でも最新ニュース情報をお届けしています。

外部リンク

海外サッカーカテゴリの人気記事

グノシーで話題の記事を読もう!
ユヴェントス、敵地でボローニャに3発快勝...マテュイディがセリエA初ゴール
元ブラジル代表のカカが現役引退を表明「次の旅の準備ができている」
ガットゥーゾ体制でリーグ戦初黒星...ミランはベローナに3失点食らう
ミラン、降格圏に沈むチームに完敗。指揮官は「言い訳はない」と敗北認める
マンU、終盤ヒヤリもルカク弾などで勝利。2位の座を堅守
  • このエントリーをはてなブックマークに追加