これはもうB級グルメを超えている!本格割烹料理店で贅の限りを尽くした「名古屋めしコース」を堪能してきた

これはもうB級グルメを超えている!本格割烹料理店で贅の限りを尽くした「名古屋めしコース」を堪能してきた

  • メシ通
  • 更新日:2017/12/05
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唐突な話で申し訳ないが、名古屋めしって本当に面白いと思う。なぜなら、きしめんのように400年以上も前から食べられてきた郷土料理もあれば、誕生してから10年にも満たない台湾まぜそばも同じ名古屋めしなのである。

料理のジャンルも和、洋、中と実に幅広く、地元産の食材を使っていたり、いなかったり……。って、何なんだ、このユルさは。まさに何でもアリの名古屋めしだが、そのほとんどが安くてうまい、いわゆるB級グルメであることは否めない。

1万円で“A級”名古屋めし

そんななか、名古屋・池下にある割烹料理店「蓬左茶寮」で「名古屋めしフェア」なるイベントがこの秋開催されるという情報を入手した。

えっ! 割烹料理店? B級グルメとは対極にあると思うのだが……。

「蓬左茶寮」は、2012年に店主の松本善隆さんが開店。自ら生産者や漁港を訪ね、魚介や肉、野菜のみならず、調味料にいたるまで地元産の食材にこだわっている。

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松本さんは農水省が認定した名古屋市内で唯一の「地産地消の仕事人」。地元産の食材を使ったメニューの提案や料理教室などイベントの開催を通じて地産地消の推進に取り組んでいる。

お店をオープンする前は、日本の食品会社とともに中国やシンガポール、タイ、ベトナム、マレーシアなどを頻繁に訪れ、日本料理の素晴らしさをPRしたことも。

「おっしゃる通り、名古屋めしと呼ばれるもののなかに郷土料理はごくわずかです。クリエイティブでセンスがある店主が考案したオリジナル料理が大半です。『名古屋めしフェア』は、いわば彼らと、彼らの料理に対するオマージュです。また、名古屋めしはB級グルメというイメージが強いですが、どうせなら地元産の最高級食材を使って、もっと洗練された料理をみようと思ったんです」と、松本さん。

この時季しか仕入れることができない幻の厳選食材も入るため、参加費(料理代)は1万円(消費税、サービス料別)! そして限定イベントなので今回限りの提供となる。

清水の舞台、いや、名古屋城天守閣から飛び降りるつもりで参加することに。

いざコース開始

では、当日提供された料理の内容を順を追って紹介していこう。

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先付は、名古屋の喫茶店では定番の「小倉トースト」。

初っ端から意表を突かれた。デザートなら理解できるが、コースの最初に出されるとは!

最高級の北海道産大納言小豆を使ったあんにパルミジャーノチーズをのせて軽く焼き上げたトーストをつけていただくのだが、実際に食べてみて、さらに驚いた。あんには小豆に合うコーヒーやエシレバターが入っていて、甘さが抑えられているのだ。次の料理にいやが上にも、期待が高まる。

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椀替りは「きしめん」。

「きしめんの発祥は諸説さまざまですが、雉(キジ)肉が入った“きじめん”説に則って、雉肉を入れてみました。椀物ですから、だしの風味を味わいながらお酒もお楽しみください」と、松本さん。

雉肉は焼いてあり、クセもなくて濃厚な味わい。ほかにも、ほうれん草とかまぼこ、油揚げなども入り、きしめんそのもの。

ちまたのきしめんとまったく違うのは、だし。ベースは昆布とまぐろ節だそうで、こんな上品な味わいのきしめんは生まれて初めて食べた。

松本さんの言う通り、つゆとお酒を交互に飲むと、それぞれがどんどんうまくなる! こりゃたまらん!

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御造りは「名古屋コーチン焼霜」。

むね肉のたたきとささ身の湯引きの2種類を用意。特筆すべきは、松本さんが考案した「ポワゴルヴェールラペ」なるオリジナルの薬味。かなりスパイシーで、肉のうま味を引き立ててくれる。

「すり下ろした緑コショウとショウガ、玉ネギを米酢でのばしたものです。鶏肉といえば、やはり、コショウですよ」(松本さん)

おつまみ三役もVIP級

ここからはお酒を楽しむ肴三品。

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一品目は、「手羽先唐揚げ わらいぶし」。

三河鶏の大ぶりな手羽先を使用していて、食べやすいように骨が抜いてある。甘辛くてコショウがきいた定番の味付けだが、ひと口食べてこれまた驚いた。なんと、肉の中に松茸が入っていたのだ!

燻されたわらの香りがついた肉のジューシーな味わいと、松茸の香りと食感が口の中でひとつに。割烹料理店が本気で手羽先を作ると、ここまで洗練されたものになるのだ。

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二品目は、「車海老フライ」。

松本さんによると、これが今回のフェアでしか食べられない逸品中の逸品とか。愛知県の県魚にもなっている車海老は、夏から秋にかけて旬を迎えるためだ。

海老の身が透けるほどの薄衣で、表面はカリッと、中はレア。かむごとにじんわりと甘みが広がり、あまりのうまさに言葉を失うほど。

しかも、海老フライに添えられているのは、松茸フライ。何てぜいたくなんだ!

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三品目は「大あさり浜焼き」。

東海地方以外の人にはなじみがないと思うが、「大あさり」は通称で、三河湾で採れる「ウチムラサキ貝」が正式名称。知多半島や渥美半島の漁港近くにある食堂や、最近ではイベントに出店する屋台でも見かける。

炭火で焼き上げた大あさりに醤油をかけるのだが、ここでは泡醤油をのせていただく。また、貝殻には併せて仕入れた石垣貝も入る。磯の味と香りがお酒のアテにぴったり。

「海うなぎひつまぶし」とは

まだまだコースは続く。

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炊き物は「みそおでん」。

具は、大根とこんにゃく、牛スジ、卵。いずれも岡崎産の八丁味噌とコーチンの鶏ガラを煮込んだダシが染み染み。とくに牛スジはギリギリ形をとどめている状態で、口の中に入れるとトロッと崩れる。これだけで無限にお酒が飲める(笑)。

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揚げ物は「味噌かつ」。

地元産の愛知もち豚のロース肉を使用。分厚くカットしてあるせいか、味噌だれの濃厚な味に肉のうま味や脂の甘みがまったく負けていない。味噌だれに添えられた紅麹は唐辛子と和風だしが入り、それにつけて食べるとピリ辛味に。また、千切りキャベツには細かくした生ハムが入っていて、箸休めにぴったり。

そろそろコースも終盤を迎えるが、ここからが松本さんの真骨頂。

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食事は「海うなぎひつまぶし」。

その名の通り、海で捕れた天然うなぎを使ったひつまぶしだ。

「海うなぎも車海老と同様に、夏から秋にかけてが旬なんです。川うなぎとは違った、さっぱりとした味をお楽しみください」と、松本さん。

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天然うなぎは身も皮もかたいイメージを抱いていたが、高級な白身魚のようにやわらかく、淡泊な味わい。

とくに皮と身の間にある脂の繊細さに驚愕(きょうがく)! 薬味やだし汁で味に変化をつけるとさらに激ウマ! かなり満腹だったが、ペロリと平らげてしまった。

反則のトリュフトッピング

次はデザートが出て終わり。と思いきや……。

「お品書きには載せていませんが、あんかけスパも用意しました。よろしければ召し上がりますか?」と、松本さん。

この時点でお腹はパンパン。口の中に海うなぎの繊細なうま味の余韻をコショウがしっかりときいたあんかけスパでぶち壊すのもいかがなものか。

しかし、松本さんが作るあんかけスパはいったいどんなものかが気になったので、お言葉に甘えていただくことに。

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いっただきまーす! とフォークを取ると……。

「ちょっと待ってください。今から仕上げますから」と、松本さんは皿の上で何かをすり下ろしている。

ん? この香りは……。まっ、まさか!それは!?

「ええ、トリュフです。あんかけスパの、あのインパクトある味は反則だと思うんです。だから、私も反則ワザで応戦しようと(笑)」

トリュフ入りあんかけスパは、まったくの別物!

何なんだ、このうまさは! トリュフの香りとあんかけソースのトマトの香りがとにかくマッチしすぎるのである。腹パン状態にもかかわらず、あっという間に完食してしまった。

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茶菓子は「ういろう」。

もちろん、これも松本さんの手作りである。黒糖の素朴な甘さと抹茶の風味が心を和ませてくれる。

いやぁ、おいしかった!

今回、11種類もの名古屋めしを堪能させていただいたが、どれも洗練されていて、日本全国はおろか、世界でも十分に通用するレベルだと確信した。

海も山もある東海地方は、日本でも屈指の食材の宝庫であり、味噌や醤油、みりんなどの醸造も盛ん。それらと名古屋めしを融合させたのは、ごく自然な流れのようにも思う。

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「名古屋の味付けは濃いといわれます。たしかに名古屋めしと呼ばれる料理は全部茶色でいかにも濃いように思えます。しかし、京都のように塩辛くも、東京のように醤油辛くもありません。東西の文化が混ざり合った名古屋の味付けちょうどよい塩梅なんです。『なごやめしフェア』は単発のイベントですが、これからも地元の食材や調味料で洗練された名古屋料理を作ってまいります」と、松本さん。

ごちそうさまでした!

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お店情報

蓬左茶寮

住所:愛知県名古屋市千種区仲田2-12-4 レインボー池下 2F
電話番号:052-761-5503
営業時間:12:00~15:00(LO 13:30)、18:00~23:00(LO 21:30)
定休日:水曜日

www.hotpepper.jp

※この記事は2017年9月の情報です。
※限定イベントはすでに終了しています。
※金額は消費税別、サービス料別です。

書いた人:永谷正樹

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名古屋を拠点に活動するフードライター兼フォトグラファー。地元目線による名古屋の食文化を全国発信することをライフワークとして、グルメ情報誌や月刊誌、週刊誌などに写真と記事を提供。最近は「きしめん」の魅力にハマり、ほぼ毎日食べ歩いている。

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