八戸学院光星高等学校(青森)「活躍できる強打者は配球が読める!」【後編】

八戸学院光星高等学校(青森)「活躍できる強打者は配球が読める!」【後編】

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  • 更新日:2016/11/30

前編では仲井宗基監督に正しいトップの使い方の概念を紹介していきました。後編では知るだけでもだいぶ違う配球の読み方をレクチャーしていただきました。

知るだけでも違う!配球の読み方

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仲井 宗基監督(八戸学院光星高等学校)

身体はできた。トップ動作を意識したスイングもできた。残るは実戦でいかに力を発揮するか。そこで仲井 宗基監督は大きなポイントを教えてくれた。
「配球の読み方。実はこれを教えられない、または重要視していないチームが多いと思うんですよね」

なぜ配球を読むことが大事なのか?それは先ほど触れた「タイミングを取るため」に不可欠な要素だからである。
「私は打撃で大事なのはタイミングを取ることだと思っています。いかに練習通りのスイングができるか。そのために『早めに始動を仕掛けなさい』とも言います。でも、実際の試合ではいろいろな投手がいるから、いつも自分のタイミングを取れるとは限らない。そのため相手投手の配球を読む。配球が分かれば、自分のタイミングで打てるということです」

さらに仲井監督は八戸学院光星が実践する配球の読み方についても、包み隠さず言葉を綴る。
「まずダメな例から話しましょう。次、ストレートが来る『だろう』、スライダーが来る『だろう』という打者は多いと思います。これは配球を読んでいるのではなくヤマ勘。そういう選手には『おいおい、それはヤマ勘や』と伝えています」

試合での自分を振り返ってみよう。誰もがそんな思いで打席に入ったことがあるはずだ。では、どう配球を読めばいいのか?教えて、仲井監督!
「1つ例を出しましょう。スライダーが持ち味の右投手がいるとします。その場合『この場面ではスライダーを多投しやすい』という傾向が必ずあるはず。さらにその場面になった時、1人の打者に対して2球続けるのか?3球も続ける投手なのか?これが『配球を読む』ということです。

もう1つ、カウントや状況から読む方法もあります。2ボール0ストライクと打者有利のカウントから、相手投手は何を投げる傾向が多いか。ランナー一塁とプレッシャーがかかりやすい場面で初球は何を投げるのか。ここまで踏み込んで配球を考えていくことが大切です。もちろんデータだけに縛られてはいけませんが、配球の傾向を知る、知らないで、打席に入るのでは全く違いますからね」

そう考えると、八戸学院光星が強打を誇ってきた理由も十分うなずける。さらに言えば、八戸学院光星時代に2年秋から三塁手から捕手に転じた田村 龍弘(千葉ロッテマリーンズ)が22歳にして配球面で高い評価を得ているのも納得だ。

「速球派攻略」からの次の「読み」「駆け引き」で頂点へ

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左から花房 大晴選手、足立 裕紀選手、田中 祐大選手(八戸学院光星高等学校)

「ウチが強いのは速球派」(仲井監督)。ここまで読み進めてきた皆さんも、これで理解できたであろう。事実、今年の八戸学院光星の甲子園での戦いを振り返ってもセンバツ1回戦で最速147キロ右腕・吉川 貴大開星)を攻略。夏も1回戦では平林 弘人市立尼崎)、2回戦では藤嶋 健人東邦関連記事>)といずれも140キロ台を超える速球投手を打ち崩している。

現チームも八戸工大一戦でアベックアーチを放った花房 大晴・馬場 文冶や、田中 祐大、左打ちの足立 裕紀、前チームメンバーの小池 智也、台湾から青森の地を目指した潘 亮銘など、今年も長打力のある選手が多い八戸学院光星。だが、仲井監督は東北大会準々決勝で敗れた秋の戦いで出た課題もトレースしながら、私たちに強打の最終到達点を指し示してくれた。

「今のチームはもともと強く振れたり、飛ばせる選手もいるのですが、まだ配球を読む力が弱いんですよ。私たちも夏を経験している選手がほとんどいないので、普段の実践練習、または練習試合でそれを植え付けている段階なんです。だから僕は選手たちに言うんです。『真ん中ばかりに投げる投手がいるか?』と。外角中心に投げる投手もいれば、内角を厳しくつく投手もいる。そのため外角球をしっかりと打ち返せる練習や、たとえ内角を突かれても、ファールで逃げれる練習をしようと伝えています。

高いレベルになるほど自分通りのフォームで打てるほど甘くない。それでもプロの選手たちは自分の狙い球が来るまで、ファールで粘れる。そこがポイントですね」

野球は相手がいて成り立つスポーツ。自分の技術、体力を磨くことはとても大事だが、勝つためには「駆け引き」もしていかなければならない。パワー作り・技術習得法・そして読みと駆け引き。青森山田などの県内ライバルを抑え、2年連続夏の甲子園出場と、悲願の甲子園初制覇を目指す八戸学院光星の「強打者育成」エッセンスは、日本の高校野球レベルを大きく引き上げる含蓄に満ちている。

(取材・文=河嶋 宗一

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