コロナ禍の高級コスメブランド、アマゾンでの販売に関心高める?

コロナ禍の高級コスメブランド、アマゾンでの販売に関心高める?

  • Forbes JAPAN
  • 更新日:2020/08/01
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高級ブランドの多くはこれまで、アマゾン・ドットコムのサイト上でも商品を売りたいという誘惑に抵抗してきた。よく引き合いに出されるのは、「高級ブランドはトイレットペーパーが売られているところで自社の製品を販売したくないのだ」という見方だ(皮肉なことに、今年はトイレットペーパーもぜいたく品のようなものになったが)。

その高級ブランドがいま、アマゾンでの販売に対する関心を高めている。新型コロナウイルスのパンデミックで各国の都市がロックダウン(都市封鎖)されたことにより、買い物の大半がオンラインに移行。この変化は一定の程度において定着していくだろう。また、米国ではすでに高級百貨店ニーマン・マーカスなどが破綻しているが、これはまだまだ序の口と考えられる。

一方、消費者はこれまでもアマゾンで、サードパーティ業者を通じて高級コスメを購入しており、現在も売れ行きはいいという。ラ・メールやシャネル、ディオールといったブランドのコスメの販売は、ここ数カ月も好調だ。

景気が悪化すると、エルメスの「バーキン」ほどの高価なバッグを買えなくても、高級ブランドの口紅など”ちょっとしたぜいたく品”を購入する消費者が増える傾向がある。その「リップスティック効果」は、すでに出始めているとみられる。

高級ブランドにとっては「善し悪し」
高級コスメを取り扱うアマゾンの「プレミアム・ビューティー」プログラムは、登録するブランドに「ブランドゲーティング」というほかにはないメリットを提供する。

これは、アマゾンがブランドの商品を”ゲートでコントロール”し、取り扱いを認めるサードパーティ業者を制限するもの。シャネルなど、第三者によって不当な安価で商品が取引されることに悩まされてきた高級ブランドにとっては、直面する問題の解決にもつながるかもしれない(あまりにも低価格で販売されている商品には使用期限が切れたものなどもあり、顧客のブランド体験に悪影響を与えている)。

アマゾンのこのプログラムに参加できるのは、限られたごく少数のブランドだ。これまではアップルなどのように、偽造品に悩んできたハイエンドの消費者向けエレクトロニクスのブランドなどの利用が中心だった。だが、これは唯一、厳しい状況に直面する高級コスメブランドをアマゾンのプラットフォームに引き寄せることができるプログラムといえるだろう。

アマゾンは「FOMO(取り残されることへの恐怖)」をよく理解している。いくつかの高級ブランドを呼び込むことができれば、機会を逃したくないその他の高級ブランドも、後に続くと見込んでいる。

また、フェイスブック、グーグルに続く3番目に大規模な広告プラットフォームとなっているアマゾンでの販売を開始することは、ブランドにとっては販売と広告における新たな機会の獲得にもなる。

ただし、アマゾンはどのブランドにも購入者にも同一の体験を提供する。ブランドが自社のECサイトと同じような体験を提供することはできない。サンプルを配布したり、購入前の顧客とコンタクトを取ったりすることもできない。

米レブロンの高級品部門のマーケティング担当バイスプレジデントは、高級コスメブランドがアマゾンでの販売に消極的なのは、顧客体験を自らコントロールできないと考えているからだろうと述べている。

アマゾンで商品を購入する人はアマゾンの顧客であり、そのことは各ブランドが同社から収集できるデータの量や質にも影響を及ぼす。アマゾンは、ブランドがデータに関連して対応を求めるべき「ウォールドガーデン(閉鎖されたプラットフォーム)」の一つだ。高級コスメブランドもアマゾンでの販売を始めれば、この点では同社と闘っていくことになるだろう。

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