福岡も緊急事態 九州が一体で感染対策を

  • 西日本新聞
  • 更新日:2021/01/14

政府はきのう、新型コロナウイルスに対応した特別措置法に基づき福岡や大阪など7府県に再び緊急事態宣言を出した。首都圏1都3県への再宣言から1週間を待たず、11都府県に拡大した。政府の判断がまたも後手に回った印象は拭えない。

宣言による外出自粛や出勤者削減、飲食店の時短営業の要請などは、市民の暮らしや地域経済に「痛み」を伴うものだ。

しかし、福岡など7府県は今年に入り感染者が急増し、病床が逼迫(ひっぱく)、感染経路不明者の割合も高止まりしている。このまま感染拡大が続けば、医療崩壊を招きかねない。再宣言は遅すぎたとも言えるだろう。

対応の遅れを批判されている政府は流れを変えようと積極的に動いたのかもしれないが、気になるのは福岡県との呼吸の乱れだ。大阪などの関西3府県は先週末から再宣言を求めていたが、福岡県の小川洋知事は消極姿勢を示してきた。

政府に押し切られた形の小川知事はきのう「短期集中的に感染拡大を封じ込めたい国の意向を踏まえてやむを得ないと判断した」と語った。

政府の宣言に基づき自粛要請など具体的な措置に取り組むのは都道府県だ。政府はコロナ対応を巡って東京都ともぎくしゃくした関係を指摘されている。政府と地方との連携と調整の不足は依然として目に余る。

さらに九州を見渡せば、感染拡大が懸念されるのは福岡県だけではない。連日のように、どこかの県で感染者が過去最多を更新している。独自の「緊急事態宣言」を出した宮崎県のような例もある。

政府による再宣言の要請に前向きだった熊本県は今回、対象とはならなかった。熊本に限らず九州各県の感染状況などを踏まえると、首都圏や関西圏と同様に、九州も福岡を中心に複数県に再宣言を出し、広域で対策強化に乗り出す判断もあったのではないか。疑問が残る。

政府の宣言はなくとも、九州全体で危機感を共有し、対策で連携することは可能であり、むしろ求められている。命を守ることを最優先に医療提供体制の拡充や軽症者向けの宿泊施設の確保に力を注いでほしい。

いま政府は緊急事態宣言をさらに拡大していくことには慎重だ。経済への悪影響を最小限にしたいとの考えからだろう。だが今後は、早め早めに思い切った手を打つ方向に切り替えるべきではないか。

専門家の意見に誠実に耳を傾け、政策の根拠をしっかりと国民に説明し、時に大胆な策を講じることも政治の役割だ。感染第3波が長引くほど、経済が受けるダメージも深まっていく。

西日本新聞

この記事をお届けした
グノシーの最新ニュース情報を、

でも最新ニュース情報をお届けしています。

外部リンク

  • このエントリーをはてなブックマークに追加