原告団「アダムズ方式過大評価」 1票格差「合憲」、有権者も懸念

  • 山陽新聞デジタル
  • 更新日:2023/01/25

「1票の格差」を巡る25日の最高裁判決は、新たな議席配分方式「アダムズ方式」の導入を踏まえ、最大格差が2・08倍だった2021年の衆院選を「合憲」とした。同様に合憲判決だった広島高裁岡山支部訴訟の原告団は「アダムズ方式の過大評価だ」と批判。岡山県内の有権者からは格差解消に向けた一層の取り組みを求める要望の一方、「人口のみを考えた区割りは地域の切り捨てにつながる」と懸念の声が聞かれた。

「投票価値の原則は『1人1票』で、2倍超の格差が合憲なのは納得できない。アダムズ方式がまだ導入されていなかった21年選挙の訴訟で考慮するのは理屈に合わない」。格差訴訟岡山弁護団の世話役を務める賀川進太郎弁護士(岡山弁護士会)はこう批判した。

選挙制度に詳しい林紀行日本大教授も、格差2・13倍の14年選挙を「違憲状態」とした最高裁判決を引き合いに「0・05倍しか違わない今回が合憲なのは、アダムズ方式の導入を考慮したとしてもどうか」と首をかしげ、「違憲か合憲か微妙なラインが続く状況の解消に向け、抜本的な改革が必要な時期だ」と指摘する。

一方で広島大法科大学院の新井誠教授(憲法)は「人口比例を重視し過ぎれば地方の議員が減り、地域の声をくみ取れなくなる」との懸念を示した上で「人口比を反映しやすいアダムズ方式の導入を評価し、合憲とした今回の判決は妥当だと考える」とする。

判決に対する有権者の声はさまざまだ。岡山市北区、女性(67)は「違憲ではなくても各地域で票の価値が違うのは不公平。政治離れの原因の一つになっているのでは」。倉敷市、会社役員男性(34)は「格差がある現実は変わらない。司法判断に甘えずに解消の取り組みを進めるべきだ」とする。

アダムズ方式で県内小選挙区は5から4に減り、県北など新3区は県土の7割を占める選挙区になる。津山市、男性(70)は「地域ごとに抱える問題は違う。選挙区が拡大すれば地方の声が届きづらくなるのではないか」と述べ、人口比のみに基づく区割りを疑問視する。

判決を受け、大林裕一・岡山県選管委員長は「私どもの主張に理解をいただいたものと認識している。今後とも公正な選挙の管理執行に努める」とのコメントを出した。

この記事をお届けした
グノシーの最新ニュース情報を、

でも最新ニュース情報をお届けしています。

外部リンク

  • このエントリーをはてなブックマークに追加