
さわやかな香りがあるローズマリーは、肉や魚の臭み消しだけでなく、パンや揚げ物に混ぜて入れるとアクセントになります。その殺菌作用から食用のみならず、チンキにして活用するのもおすすめです。使い勝手が抜群によいローズマリーの保存方法と香りを楽しむ方法について、詳しくご紹介します。
ローズマリーの使い方
食用のハーブ類は、よく洗ってからそのまま口にしても問題がない食材です。お好みの種類を選んで、お肉やお魚と合わせれば加熱調理に使うこともできますし、そのままサラダにのせて楽しむこともできます。
ローズマリーの場合は、他のハーブよりも特に芳香が強いので、はじめは少量ずつ使ってみると、徐々に活用の幅が広がります。
生食ならみじん切りにして
ローズマリーの葉をフレッシュな生で口にする場合は、茎から葉を切り取り、みじん切りにして料理に加えます。ほどよく香りが広がり、肉厚の葉が口に残ることもありません。
スープに散らしたり、パンにのせたりしても良いですし、塩と混ぜてハーブ塩にするとより使いやすくなります。香りが苦手な人もいますから、最初はお試しとして使いきれる少量で作り、気軽に始めてみてはいかがでしょうか。

一方、加熱調理に使う場合なら、葉の形が残っていても気になりません。焼き物や煮物に入れ、香りが移った後は引き上げるとよいでしょう。
妊娠中は控える
ハーブには、子宮収縮作用に働くものがありますが、ローズマリーもそのひとつです。一般的に食べる量は少量ですから、それほど過敏になる必要はありませんが、積極的に使用することは、控えてください。
お掃除にも使える香り
小さなスプレーボトルにローズマリーを一房入れて、手指消毒用のアルコールを注ぎます。これを、シュッと一吹きすれば手の消毒はもちろん、香りでリフレッシュ効果も得られます。人混みに疲れた際には、効果抜群。薄荷やユーカリなどの精油を足せば、蚊よけとして使うこともできます。

香りが移ったら、葉を取り出せばよいので、気軽に試してみてください。
さらに、お掃除用のクエン酸水や、重曹水にローズマリーを入れておけば、使う度に香りが楽しめます。お掃除が楽しみになりますよ。


長く漬けておくと、薄い色が出ます。色移りするほどではないので心配はありませんが、気になる場合は早めに取り出してください。
お掃除用に使う溶液なら口にするものではなく、消耗品でもあるので、より気軽に使えるのではないでしょうか。香りの好みや、使い勝手を探しながら実験気分で使ってみてください。
保存方法
ローズマリーの香りを保ったまま保存できる方法をご紹介します。
放任しても育つ剛健なハーブ
比較的どんな土地でも枯れにくく、挿し木でも簡単に増えやすいローズマリーは、鉢植えにして育てながら常備するのもおすすめです。常に緑色の葉を保つので冬は目が和みますし、夏の暑さも乗り越えられるほど剛健です。
乾燥気味の環境を好むため、水やりの回数も少なめ。少々なら水やりを忘れても持ちこたえます。逆に、梅雨時期の多湿を嫌います。密生部分を刈り込んで、風通しを良くしてあげれば、すくすくと育ちます。
生のまま
コップに水を入れて、挿して置けば1週間程度は保てます。飾りながら、目に留まるたびに触って香りを楽しんでください。
冷蔵庫に入れるなら、野菜室へ。乾燥しないようにペーパーで包み、ポリ袋などに入れます。
乾燥なら電子レンジも
水に挿さず、そのまま風通しの良い場所に吊るしておいても自然に乾いて、ドライハーブへと進みます。香りがなくならないうちに、サッと水で流してお使いください。

いそいで乾かしたいなら、電子レンジが便利です。水気をふいて耐熱皿に置き、600wで2分程度加熱します。葉がパラパラとばらけるなら出来上がりです。逆に、茎に葉が残れば、10~20秒ずつさらに加熱を加えてください。
オイル・ビネガー漬け
香りを調味料に移して使う保存方法もあります。
煮沸消毒して乾かしたガラス瓶を用意します。オイルまたはビネガー100mlに、葉のついた茎を3~4本を目安に漬け込みます。完全に浸っていることを確認し、時々瓶を振ってください。1~2週間程度で香りが移ります。ドレッシングなどに使えますよ。1か月程度で使い切ってください。

にんにくや、鷹の爪はお好みで。
▼こちらの関連記事も

バジルの香りを長く楽しみたい!保存方法&手軽にできる長期保存の塩漬け・オイル漬け方法
さわやかな香りと、鮮やかな緑が特徴のバジルは、イタリア料理やアジア料理のアクセントに欠かせない身近なハーブのひとつですよね。旬は夏。...
ローズマリーの大量消費レシピ
ローズマリーをたくさん使えるレシピを集めました。まずは、シンプルなハーブティはいかがでしょうか。
ハーブティー
ハーブティーは、お湯で蒸らしただけで楽しめて、簡単に癒しが得られます。

半分はミントにしました。アレンジも試してみてください。
◆材料
ローズマリー 一房
お湯 300ml
◆作り方
【1】ティーポットにローズマリーを入れて、沸かしたお湯を注ぎ、フタをして3分程度蒸らします。
【2】ティーカップに注いでお飲みください。
他のハーブを合わせてもよいですし、緑茶や紅茶を淹れる際に1片加えても、スッとした香りが楽しめます。
ローズマリーのマリネ液

オイルに香りが移ります。
このマリネ液に、一口大の鶏肉などを15分程度漬けて、オーブンで焼くとおいしいく仕上がります。ステーキにもおすすめです。
◆材料
ローズマリー 一房
オリーブオイル 60ml
塩 小さじ1/2
ブラックペッパー 小さじ1/2
にんにく 1片
◆作り方
【1】材料をすべてボウルに入れて合わせます。
鶏肉のローズマリー焼き
上記のマリネ液に漬け、焼いた鶏肉です。

ローズマリーだけが焦げやすいので、焼き上がりの最後にのせ、余熱で火をとおすと色が残り、きれいです。
◆材料
ローズマリーのマリネ液 60ml
鶏肉 250g
◆作り方
【1】鶏肉をマリネ液に漬け、15分ほどおきます。

上下を返しながら、よく馴染ませてください。
【2】グリルで10分程度焼きます。
素揚げのローズマリー
そのまま揚げただけの簡単レシピです。フライドポテトを作る際に一緒に揚げて、おやつにお召し上がりください。

◆材料
ローズマリー 4房
じゃがいも 5個
揚げ油 適量
塩 適量
◆作り方
【1】洗ったじゃがいもを櫛形に切り、断面の水気をキッチンペーパーで拭き取ります。
【2】鍋に【1】を並べ、ひたひたになるまで揚げ油を注ぎ入れます。
【3】火をつけて、そのまま触らずに3〜4分揚げてください。
【4】じゃがいもをひっくり返し、さらに2分程度加熱します。
【5】揚げ上がりの最後に、ローズマリー2房と、茎からはずした葉2房分を加えてください。
【6】カラリと揚がったら引き上げ、油をきってください。お塩を振っていただきます。
お掃除や癒しにも使える
ローズマリーをスープに浸したまま一晩おくと、芳香が強すぎて味のバランスが崩れることもあります。香りが食材によく移りますから、少量でも味わうことができます。残った分は丁寧に保存しながら、お掃除に、芳香剤にと、広く活用してください。
あなたにはこちらもおすすめ

エビちゃんのおうち時間とキレイの秘密は?「きれいになるハーブ」が電子書籍化スタート
ママになってますます輝きを増しているエビちゃんこと蛯原友里さん。5月のステイホーム期間中、エビちゃんのインスタグラムでのおうち時間の...

パセリの保存はおしゃれなブーケガルニで♪ イタリアンパセリの使い方も
パセリとはパセリは、洋風の料理には欠かせないハーブで、野菜、卵、肉、魚、あらゆる料理に使われます。生の葉をデコレーションとして使うことも...
構成・文・写真(一部を除く)/もぱ(京都メディアライン)