洪水のリビアで政府批判デモ、市長宅に放火 当局、現地取材を禁止

洪水のリビアで政府批判デモ、市長宅に放火 当局、現地取材を禁止

  • 朝日新聞デジタル
  • 更新日:2023/09/20
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"リビア東部デルナで18日、政府に対して抗議の声を上げる洪水の被災者ら=ロイター"

大洪水で多数の死者が出ているリビア東部デルナで18日、洪水は人災だったとして、現地を統治する「東部政府」や市当局の責任を問う大規模なデモがあった。現地メディアのリビア・オブザーバーなどが伝えた。

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デルナでは、洪水の発生から同日で1週間を迎えてなお、数千人の行方不明者がいるとされる。市内のモスク前に集まった群衆は、洪水のきっかけとなったダムの決壊が行政の怠慢や腐敗のせいだと非難。関係者の処罰や、東部政府と市当局の解体、東部政府の重鎮であるアギーラ・サレハ・イーサ代表議会議長の解任などを叫んだ。

ロイター通信によると、夜になってデモ隊は、洪水が発生した当時のデルナ市長宅に押しかけて放火した。リビアの検察当局は16日、ダムの決壊と、過去のダムの維持管理予算の配分めぐり捜査を開始。市長は解任されていた。

現地で政府批判の声が高まる中、東部政府は19日、デルナにいる記者らに市内から退去するよう命じた。「救援活動の邪魔になっている」と説明したという。

リビアは、東西に政治勢力が分裂して対立。二つの政府と2人の首相が併存する異常事態が続く。こうした政治対立が、防災体制の不備や、被災後の救援の妨げになっているとの批判が国民の間で強まっている。(カイロ=武石英史郎)

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