企業は変化し続けるインフルエンサーとどう向き合うべきか?

企業は変化し続けるインフルエンサーとどう向き合うべきか?

  • @DIME
  • 更新日:2021/05/04
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商品をSNSでPRしてくれる、企業にとって貴重な存在であるインフルエンサー。最近、そのインフルエンサーの活動の仕方が変わってきているという。果たして、最新のインフルエンサーの傾向とは? 2021年SNSのトレンドは? 今後、企業はマーケティングを実施するにあたって、インフルエンサーとどのように付き合っていくことで成功に近付けるのか。ソーシャルリレーションマーケティングを主力事業としたLIDDELL株式会社代表の福田晃一氏にインタビューを行った。

インフルエンサーの役割が変化しつつある

インフルエンサーといえば、企業にとって『商品やサービスをPRしてもらう』存在だ。しかし福田氏は、そのような時代は徐々に縮小し、インフルエンサーたちはSNSを通じて得た自身の影響力をさまざまなところで活用するようになると述べる。

【取材協力】

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LIDDELL(リデル)株式会社 代表取締役CEO
福田晃一氏
1979年高知県生まれ。エンターテインメントを取り入れた独自のマーケティング方法を考案し、ツインプラネットを創業。デジタルとSNSの可能性に着目し、2014年にインフルエンサーマーケティングを手がけるLIDDELLを設立した。2万人のインフルエンサーが直接企業と取引するサービス基盤など、SNSを活用したプラットフォームを多数開発する。著書に『買う理由は雰囲気が9割』(あさ出版)、『影響力を数値化 ヒットを生み出す 共感マーケティングのすすめ』(日経BP)など。

「インフルエンサーは“SNS上で影響力を持った個人”であり、企業はその影響力を借りてPR、プロモーションをタイアップしていました。しかし世の中の多様化の流れと共に、インフルエンサーの影響力も多様化しています。インフルエンサーたちは、単にフォロワーに情報を届ける役割だけではなく、SNSを基軸とした『トレンドやニーズ調査・アイデアの創出・ブランドの評価・接客・営業』など、ソーシャルリスニングやコミュニケーション領域などを担うことができます。現在、SNSマーケティングの重要性が増し、企業のSNSタスクも増加している状況下において、そのプロフェッショナルであるインフルエンサーに“パートナー”となってもらい、活動することが必須になってきます」

インフルエンサーはチーム化し「影響力」を強めていく

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インフルエンサーにとっては、その影響力の強さが価値となる。具体的にはフォロワー数などの数値が示すものだ。その影響力をより強化するために、インフルエンサーたちの動きに、ある変化が起きているという。

「今後は、インフルエンサー個人が自分の影響力を理解し、足りない部分は他者で補うようになると考えています。つまり個人同士がつながり、『集』になっていくと思います。

例えば、インスタグラムの投稿一つとっても、『撮影』『加工』『#(ハッシュタグ)』『キャプション』『投稿構成』など、たくさんの作業が含まれています。その一つ一つの作業の結果がフォロワー数やエンゲージメントとなり『影響力』とされています。それは、ちょうど雑誌作りと似ています。雑誌ではフォトグラファー、ライター、エディター、デザイナーなど、各工程に専門の担当者がいます。その各工程の担当者の作業の結集が、『発行部数』という影響力を左右します。

現在、多くのインフルエンサーは一人で全工程を行っていますが、“撮影は得意だけどハッシュタグは苦手”、“投稿は得意だけど、ライブやコメント返しなどコミュニケーションは不得意”というケースもあります。そうした自分の足りない部分をインフルエンサーが互いに補完し合い、チームとして活動することが必要とされてくるでしょう」

企業はインフルエンサーとどう付き合っていくべきか

インフルエンサーに大きな変化が起きつつある今、SNSマーケティングに取り組む企業は、今後、インフルエンサーとどのように付き合っていけばいいか。福田氏は次のように述べる。

「今後は、インフルエンサーを“キャスティングする”という考えはますます通用しなくなります。インフルエンサーをモデル、タレントのようにキャスティングするイメージは捨てて、あくまでも“パートナー”として捉えることが重要です。例えば『PRを依頼する』という大まかなアクションを因数分解し、小さなアクションに顕在化させ、それをインフルエンサーに分離的に依頼し、協働的に進行すること。そして、インフルエンサーと継続的に付き合っていく仕組みを考え、持続可能な関係構築を行っていくことが大切です」

インフルエンサーは今後、各自、個人の“得意”を活かして活動していく中、その“得意”をうまくとらえ、最適なインフルエンサーにパートナーとなってもらうことがポイントとなりそうだ。

SNSマーケティングにはどう取り組む?

いま、SNSマーケティングはどのようなトレンドのなかにあるのか。そして企業はどう取り組んでいけばいいか。福田氏に聞いた。

●SNSを“今後高い経済成長が期待される新興国”のようにとらえる

「SNSはすでに、つながり・交流するネットワークメディアの枠を超え、『取引可能な市場』に変貌しています。フォトジェニックな写真を投稿して共感を得るだけではなく、誰かの体験を検索して情報収集したり、売り買いをしたり、投げ銭のように支援してもらうこともできます。そのため、今後はSNSをインターネット空間に興(お)きた国、のようにとらえ、マーケティングしていくことが重要になると思います。“今後高い経済成長が期待される新興国”と例えるとわかりやすいかもしれませんね。

まず、売買などのやりとりができるSNSをメディアと捉えるのではなく、取引可能な市場ととらえるべき。そしてその中のユーザー(国民)は交流し、さまざまなトレンド・カルチャーを作ったり、経済も作っている。さらに、Shopify(ショッピファイ/eコマース用プラットフォーム)など他のプラットフォーム(他国)と関係を築く能力も、国の重要な要素です」

●企業が自らSNSに『参加』し『交流』して個人と協働する

「そして、ますます『個人』と企業の境界線はあいまいになり、個人が複数の役割を果たす時代になっていくと考えられることから、企業はSNSという市場を観察するだけではなく、企業(ブランド、プロダクト、サービス)が自らSNSに『参加』し『交流』することが必要不可欠になると思います。

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(LIDDELL提供)

SNSに『参加』し『交流』することというのは、上の図のような概念です。SNSを観察し、需要を読み取ってアクションするのではなく、SNSの中でつながり、交流し、リレーションを作りながら協働、つまりパートナーとなって同じ目標に向かって一緒に働くことが必要です」

企業にとってSNSマーケティングを実施していくことは欠かせない今、インフルエンサーやSNSのトレンドを素早く察知し、波に乗っていくことが重要となる。今回の解説は大いにヒントになりそうだ。

取材・文/石原亜香利

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