「経営成り立つのか」 青森県内の企業、円安憂慮 原材料高の影響深刻

「経営成り立つのか」 青森県内の企業、円安憂慮 原材料高の影響深刻

  • Web東奥|東奥日報社
  • 更新日:2022/09/23
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円安の影響は県内各業種に及んでいる。ケーキ店は小麦粉やチーズなどの原材料高騰で苦境を強いられ(写真上)、燃油の高値に事業者は不安を募らせている(写真下)=いずれも22日午後、青森市

円安はどこまで-。外国為替市場で円相場が一時1ドル=145円台となった22日、青森県内企業からは影響を憂慮する声が多く聞かれた。特に原材料を輸入品に頼る企業のトップや担当者は「経営が成り立っていくのか先が見えない」などと今後への不安を口にした。

「本当に(原材料の)値上がりがすごい。今年に入って納入業者からの値上げの知らせが頻繁に来ている」。青森市の洋菓子店・C&Y(キャンディ)の小倉直樹社長(54)は苦しい状況を訴えた。

昨年の同時期は25キロ当たり4500円だった小麦粉は現在5200円。チーズも2割以上高くなった。10月からは、ケーキに立てるろうそくも値上がりする。「テレビを見ていると、どこまでいくのかと不安になる」と小倉社長は語った。

配合飼料のトウモロコシの大半を輸入に依存する養鶏業界も影響は深刻だ。佐々木健・県養鶏協会会長は「この円安では、こちらが『安くしてくれ』と言っても、(飼料)メーカーもどうしようもない」とし、「政府、政治家はもっと真剣になって(対策を)考えてほしい」と求めた。

青森市の運送会社役員は「燃料高騰に加え、車の部品なども高くなっている」。県トラック協会の葛西直樹事務局長は「燃料価格の先行きが見えず、事業者は非常に苦しい」と話した。

八戸市の地域商社ファーストインターナショナルは今月、ECサイトで販売する輸入品のワインなどを1割値上げした。桜庭雅紀常務取締役は「売れ行きは良くない。本来はもっと値上げしたいが、消費者にそっぽを向かれるのが怖い」と悩ましげに語った。

輸出分野でも円安は追い風にならないという。「海外の取引先は、円安を理由に値下げを要求してくる」と桜庭常務。政府、日銀による為替介入については一定の評価をしつつ「長期的に見れば、円安は止められないのでは。国全体で食料自給率やエネルギー自給率を上げていくことが大事だ」と見解を述べた。

一方、農水産品の輸出を行う企業からは円安を前向きに捉える声が聞かれた。

台湾へのリンゴ輸出を手がけるヤマタミ太田りんご移出(鶴田町)の太田一民代表は「円安は悪い話ではない。輸出量は伸びると思う」とコメント。香港などへホタテやイクラを輸出する中水青森中央水産(青森市)の秋本貴史・塩冷部次長も「輸出には追い風。さらに貿易に力を入れていく」としつつ、輸入品の仕入れについては「非常に痛手」と語った。

円安について、信用調査会社・帝国データバンクは8月末、東北6県の企業業績への影響を調査した結果を公表。ここでは6割超の企業が業績にマイナスと回答している。

同社の徳永博一・青森支店長は「青森県内も東北全体の傾向と同様」と説明した上で、「為替の影響が出てくるのは時間差があるので、今の円安(進行)の影響は、もっと先になってからだろう」と指摘。

また「コストを販売価格に転嫁して売り上げ・受注が減った」と回答した割合が、青森県は全国で最も高かったことを明かし、「業種にもよるが、価格転嫁をしづらい中小企業の方が影響が大きい」と述べた。

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