滝川クリステルさんに教わる「アニマルウェルフェア」。動物とどう向き合う?【SDGs連載 vol.13】

滝川クリステルさんに教わる「アニマルウェルフェア」。動物とどう向き合う?【SDGs連載 vol.13】

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  • 更新日:2022/09/23

つづく、つづける。モアモデル・井桁弘恵と一緒に学ぶSDGs【Vol.13】

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日々、よく耳にする“SDGs”という言葉。なんのために取り組むの? 私にできることは何? SDGsに興味を持ち始めた井桁弘恵が、そんな疑問に向きあいます!「アニマルウェルフェア」を知っていますか? 先進国の中でも動物福祉が遅れている日本。人間と動物が、ともに幸せに暮らすためにできることを滝川クリステルさんに教えてもらいました。

What’s SDGs?

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国連で採択された、2030年までに達成すべき17のゴールのことで、Sustainable Development Goals(持続可能な開発目標)の略。私たちが地球に住み続けるために、貧困、飢餓、環境、教育、ジェンダー平等などの問題を、世界が協力して解決することを目指す。

アニマルウェルフェアで人も動物も幸せに

動物の幸せを考えた選択が私たちのハッピーにつながる

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[滝川さん]トップス/¥42900 パンツ¥48400/EBONY その他/本人私物[いげちゃん]カットソー¥20900/ウーア パンツ¥18700/Life’s 代官山店(TODAYFUL) イヤリング¥37400/ワームス ルミネ新宿店(ルフェール) リング(人さし指)¥12100/フラッパーズ(シンパシー オブ ソウル スタイル) リング(中指)¥30800/プラウ

お話をうかがったのは……

フリーアナウンサー/
一般財団法人『クリステル・ヴィ・アンサンブル』代表理事
滝川クリステルさん
フジテレビ『ニュース JAPAN』のメインキャスターを経てフリーに転身。『WWF(世界自然保護基金)ジャパン』の顧問なども務めている

動物との健全なつきあいを目指して始めた活動

井桁 滝川さんが、今の活動を始めたきっかけを教えてください。

滝川 2007年頃、番組でキャスターをしていた時に年間30万匹以上もの犬猫が殺処分になっている現実を知り、この実情を発信してどうにかしなければと思ったのが始まりです。そして東京五輪が決まり、世界中から日本への注目が高まったタイミングで、本格的にアニマルウェルフェア※1の考えを広める活動を始動するため、『クリステル・ヴィ・アンサンブル』を立ち上げました。“ヴィ・アンサンブル”は、フランス語で「ともに人生を歩む」、「一緒の命」という意味。人間と動物が共存した健全な社会を目指して、犬猫の殺処分問題、動物虐待防止、絶滅の危機にある野生動物の救済に取り組むプロジェクトを軸にさまざまな活動をしています。

井桁 犬猫の殺処分問題や動物虐待防止の取り組みはどんなことを?

滝川 保護犬猫と里親のマッチング機会を促すことを目的とした『Panel for Life(命のパネル)』※2や、保護犬猫を自宅で一時的に預かるボランティアの“フォスター”※3を育成・支援する取り組みをしています。YouTubeチャンネルでは、動物虐待防止啓発アニメーション『あなたには、みえますか?』を公開しているので、チェックしてみてくださいね。

日本のアニマルウェルフェアの遅れと世界の現状

井桁 「アニマルウェルフェア」とはなんですか?

滝川 イギリスで提唱された、人と関わる動物のストレスや苦痛をできるだけ取り除こうという考えです。アニマルウェルフェアには、「5つの自由(Five Freedoms)」という指標があり、世界ではそれに沿って動物を取り巻く環境の見直しが進んでいます。たとえば、フランスでは、2024年以降はペットショップでの犬猫の販売が禁止になったり、イルカなどを使ったショーや、サーカスでの野生動物の使用を禁止する動物愛護法案が可決されたりしているんですよ。この考えは社会全体に浸透していて、友人間でも、「この動物園は、アニマルウェルフェアがきちんとしているから行こう」といった会話が当たり前に出てくるほど。

井桁 とても進歩しているんですね。日本の現状というのは?

滝川 広がりつつあるものの、やはり欧米に比べるとかなり遅れています。昨年明るみになった、長野県松本市の犬の繁殖業者による繁殖犬虐待のような事件は日本では氷山の一角ともいわれています。このようなことが起きない社会にするためにもっと認知度を上げる必要がありますね。

動物を飼うのに大切なのは、人の意志と根気

井桁 今日一緒に来てくれたアリスちゃんは、保護犬だとうかがいました。

滝川 ちょうど保護犬を迎え入れようと考えていた矢先に、東日本大震災が起き、たくさんの動物たちが現場に残されていることを知って。そこですぐに「里親が見つかりにくい大型犬がいたら引き取る」と保護団体の方にお伝えして出会ったのがアリスでした。

井桁 アリスちゃんとはすぐに打ち解けられましたか?

滝川 アリスはトラウマを抱えていたので、全幅の信頼を得るまで、1年はかかったんじゃないかな。仲が深まったと感じたのは、アリスの体調が悪くて、嘔吐や下痢が続いた時。それを私が掃除していると、申し訳なさそうにこちらを見ていて。「大丈夫。頑張っていこうね」と声をかけた時に距離がグッと縮まったと思います。

井桁 1年……! 私も将来、犬と暮らしてみたいと思っているのですが、犬を迎える前に必要な心構えはなんでしょうか?

滝川 アリスもそうだったように、保護犬の場合はトラウマを抱えていてなかなか心を開いてくれないとか、高齢で世話のかかる子も多くいます。また、ブリーダーから迎える場合でも、動物にきちんと向きあう時間と、最後まで幸せにする覚悟を持つことは必要ですね。現実的な話をすると、エサやおやつ代、医療費などお金がかかります。動物を飼うことで、経済的に苦しくならないかを考えることも大切です。

井桁 あと、優良なブリーダーや保護施設をどう見極めたらいいのかわからなくて。公的機関が発行する証明書があったりしますか?

滝川 現時点では証明書はなくて。国のお墨つきがあるといいですよね! でも、きちんとしたブリーダーや施設であれば、動物の性格を包み隠さず話してくれるはず。愛情があるかが、対話した時にわかると思います。

知り、学ぶことで弱いものにも目を向けられる社会に

井桁 アニマルウェルフェアについてもっと知りたいと思いました。

滝川 最近は、アニマルウェルフェアについて情報発信している人も増えてきたので、ぜひ自分なりに情報収集をしてみてください。でもその時に気をつけてほしいのは、SNSや新聞、テレビなど……あらゆる情報を見比べて、どれが本当に正しいかを精査すること。なかには、事実として改善されているのにもかかわらず、過激に書かれた発信もあることは確かなので。そこは冷静な目を持つようにしてください。

井桁 気をつけます。この数年で滝川さんのように、アニマルウェルフェアについて声をあげる著名人が増えましたよね。その流れを感じてからは、私もペットショップに入ることをためらうようになりました。

滝川 増えましたよね。変化の波を感じます。井桁さんがその流れを感じて、これまでの当たり前に違和感を覚えたように、若い世代を中心に動物の幸せを考えた選択を取る人が増えているものの、まだまだだと感じるので、私はこれからもアニマルウェルフェアが根づいた社会を目指して頑張っていきます。最後に、財団立ち上げの後押しをしてくれたガンジーのふたつの言葉を紹介させてください。「あなたが望む世界を見たいなら、あなた自身が変わらなければならないのです」と「国の偉大さ、道徳的発展は、その国における動物の扱い方でわかる」(※諸説あり)です。

井桁 はっとさせられる言葉ですね。私もこれからは、動物の“声なき声”に耳を傾けて、自分にできることから行動に移していきたいと思います。

※1 アニマルウェルフェア
人間の管理下にある動物がストレスなく生きられる環境を整えること。国際的基準として、1.飢え・渇きからの自由、2.不快からの自由、3.痛み・負傷・病気からの自由、4.本来の行動がとれる自由、5.恐怖・抑圧からの自由の「5つの自由」がある。

※2 『Panel for Life(命のパネル)』
犬猫の等身大パネルをさまざまな場所に設置し、動物保護を訴えている。パネルについたQRコードを読み取ると、保護犬猫の情報の一覧がチェックできる。

※3 フォスター
保護された犬猫を里親が見つかるまでの間、一時的に自宅で預かるボランティアのこと。財団ではフォスターになるためのセミナーをYouTubeで開講。

保護動物を“迎える”以外にもできるアクション

休日にだけできるボランティアや、間接的にだって動物を支援できる方法も!

無理のない支援の形を見つける

収益の一部が、動物保護団体に寄付されるグッズを購入することは気軽にできる支援のひとつ。ほかにも、Amazonが行う「保護犬・保護猫 支援プログラム」を通して保護施設に支援物資を送ったり、「Yahoo!ネット募金」を通じて、動物愛護団体に寄付したり。さらには、ふるさと納税で動物愛護支援事業をサポートする方法もあるので要チェック。

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保護猫のための活動団体「特定非営利活動法人 ランコントレ・ミグノン」に収益の一部が寄付される。トートバッグ¥7700/カレンソロジー 新宿

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収益の一部を動物愛護団体に寄付。クッキーの味は5種類。「Miracle Cat Cookie Tin(“神様のいたずら”ネコクッキー缶)」¥2600/Fairycake Fair グランスタ東京

自分に合う、持続可能なボランティアに挑戦

『NPO法人Wonderful Dogs』代表 岩渕さんに聞いてみた!
「一時的に保護犬を預かるボランティアをはじめ、セミナーや譲渡会などのイベント運営のお手伝い、保護犬を遠方に搬送するサポートなど、ボランティアの種類は多様です。『Wonderful Dogs』では、保護犬の里親を見つけるためのSNSでの情報発信もボランティアの方に力を借りています。自分の得意なことで、身近な動物保護施設に協力してみてください」(岩渕さん)

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『NPO法人Wonderful Dogs』岩渕友紀さんが26歳の時に設立。埼玉県で、保健所などに収容された犬の保護・譲渡活動を行う。ドッグホテル運営やドッググッズの販売で得た収益で、持続可能なシェルターの運営を展開している。

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『Wonderful Dogs』が運営する保護犬と触れ合える「レスキュードッグパーク」。◆埼玉県さいたま市緑区東大門3の15の10・1F■ https://ohanawith.amebaownd.com/ ●新型コロナウイルスの影響によりパークの開催は不定期。公式HPを要確認

『Wonderful Dogs』の活動は、MORE公式サイトにて詳しく紹介。そちらもチェックして!

いげちゃんのSDGsなコツコツ日記。

動物虐待について絵本で学びました

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「滝川さんが書かれた、動物虐待がテーマの絵本『きみには、きこえる?——コロのきもち——』を読みました。絵本の最後には、動物虐待を見つけた時の通報のしかたも載っています。動物の置かれている現状をアンテナを張って知り、その知ったことを私なりに広めていきたいと思います」(井桁)

●「井桁弘恵と一緒に学ぶSDGs」これまでの記事はこちらから

撮影/野田若葉(TRON) 佐藤健太(P147「ボランティア」分) ヘア&メイク/野田智子(滝川さん分) 沼田真実(ilumini./井桁分) スタイリスト/吉永 希(滝川さん分) 辻村真理(井桁分) 取材・原文/海渡理恵

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