もう辞めたい。感情を抑制する労働がつらい理由3つ

もう辞めたい。感情を抑制する労働がつらい理由3つ

  • マイナビウーマン
  • 更新日:2021/02/23

「感情労働」という言葉を聞いたことはありますか? いったいどんな仕事のことで、なぜそう呼ばれるのでしょうか?

今回は、感情労働とは具体的に何か、そのような仕事に従事する際にストレスをためないコツについてお伝えしていきます。

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■「感情労働」とは何か?

まずは「感情労働」とは何なのか。一言で言えば、「仕事をする上で感情をコントロールする必要がある職業」を指します。

感情労働は、肉体労働や頭脳労働と並ぶ「第三の労働」と呼ばれることがあり、これらと比較して感情労働の特徴を見ていくと実態を理解しやすいでしょう。

◇肉体労働とは

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肉体労働は、体力や筋力が求められ、農林業や建築、土木などの重労働のみのように考えられていますが、実は広義な意味では、「時間を切り売りする」ような業務も肉体労働というため、量産的な作業をこなすデスクワークも含まれる場合があります。

◇頭脳労働とは

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一方で頭脳労働は、時間を切り売りするのではなく「企画やアイディアの質」、また「提案力」など、仕事時間そのものよりもその後の成果が報酬を生み出すのが特徴です。

◇感情労働とは

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そして感情労働は、仕事中感情のコントロールを求められる労働を指します。

アメリカの社会学者であるアーリー・ホックシールド博士が、1983年に出版した書籍の中で初めて「感情労働」に関する問題を提起したのが始まりです。

どんなに疲れていても、仕事を遂行していく上で笑顔を絶やさないようにしたり、自分の真の感情とは別の感情表現や行動を求められたりすることもあります。

感情労働は「仕事上必要とされる心の持ち方」がマニュアルのように定まっている場合もあり、それを「意図的に作り出さなければならない」仕事だといえます。

■感情労働とされる職種は? 具体例

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感情労働とは、仕事上必要に応じて感情をコントロールすることが求められる仕事ですが、どんな仕事であっても、多かれ少なかれ感情のコントロールは必要です。

ですから、厳密に「この仕事は感情労働で、この仕事は感情労働ではない」と区別することはできないのですが「感情労働」と呼べる代表的な仕事は存在します。

例えば、「対人援助職」と呼ばれる医療や福祉、教育に関わるような仕事。また、接客業のように直接お客さまと関わる仕事などです。

具体的な職種でいうと、看護師や介護士、教員、保育士、カウンセラー、飲食店店員、美容師、客室乗務員など。他にも、直接お客さまと関わる仕事ではない、カスタマーサービス、コールセンターなどの仕事も挙げられます。

また近年は、さまざまな業界や分野でサービスの質の向上が求められるようになった結果、「感情労働」に分類される仕事が増えてきました。例えば、公的機関(市役所や警察など)、医師や弁護士なども「対人サービス」という視点を無視できなくなってきたのです。

代表的な「感情労働」と呼べる職種以外の多くの職業も、感情労働に当てはまる特徴を持つようになってきたといえるでしょう。

■感情労働が大変とされる理由

感情労働には、大きなエネルギーが必要とされます。

ではどんな面にエネルギーが必要となり、ストレスになるかを具体的に見ていきます。

◇(1)感情の抑制をする点

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感情の抑制というのは、抱いた感情を心の中に抑え込むことで、実際の感情を隠したり、我慢したり、忘れようとしたりすることです。

感情を抑制すると、自律神経系の興奮レベルが高まってしまうといわれています。つまり「感情労働」をしている際、抱いた感情を隠すことや我慢することはできても、それを「なかったこと」にできるわけではないということです。

よって、感情を抑制することが続けば、血圧や脈拍が上がったりすることもあるとされます。

◇(2)求められる感情を作り出さなければならない点

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接客業に求められる感情は、基本的にポジティブな感情に限られる場合が多いでしょう。

看護師や介護士、カウンセラーのような職業はポジティブな感情だけではなく、悲しみ、苦しみなどさまざまな感情を共有したり、励ましたりすることも求められます。

また、教員や保育士などは、生徒や園児に対して「指導」という目的で、自分の感情とは関係なく、厳しく注意したり叱ったりすることを求められる場面もあります。

このように、自分が抱いている感情と別の感情を作り出すということは、本当の気持ちと表に出している気持ちの間に矛盾が生じているため、強いストレスとなります。

◇(3)感情のコントロールと行動が求められる点

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接客業ではどんなに疲れていても「笑顔」をつくり、横柄な態度を取るお客さまに腹が立っていても丁寧に接することを求められる傾向があります。自分の感情を抑制し、自分の真の感情とは裏腹な「行動(演技)」をしなければならないのです。

そんなふうに求められることから、仕事の時には意識的に別人格になってその役を演じられる人もいます。「教師は教師らしく」「看護師は看護師らしく」という世間から求められる職業イメージになろうと、仕事中は演じているのです。そして、「嫌なことがあっても心から誠意を持って対応しよう」とします。

このような場合は、本来の自分と仕事の時の自分を使い分けているので、疲労感を伴います。

■感情労働でストレスをため込まない方法

最後に、感情労働を行う上で、ストレスをため過ぎて「バーンアウト(燃え尽き症候群)」にならないためにも、日頃からできる対策を考え実行しましょう。

◇(1)仕事を家に持ち帰らない

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勤務時間以外にも仕事のことを考えたり、思い出したりすることは誰にでもあることかもしれませんが、その頻度や深刻度は人によって違います。

就業後に仕事中にあった嫌なことを思い出すと、その際に経験したストレスが、何度も何度も自分に降りかかり、悪影響を及ぼしてしまいます。

ですので、仕事が終わったらなるべく「仕事から離れる」という意識を持つことが大切です。

気分転換の方法は人それぞれ違いますが、体を動かす、アロマをたく、ペットと遊ぶなど、気分転換できることをいくつか見つけて、意識的に普段の生活に取り入れるようにしましょう。

◇(2)一人の時間を確保する

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感情労働をしている人は、意識的に「一人の時間」をつくり、自分を解放する時間を持つことが大切です。

常に相手や状況に合わせて感情をコントロールしているため、時には自分の気持ちに正直に行動したり、一人でゆっくりと過ごしたりすることも必要です。

「一人でいてもつい仕事のことを考えてしまう」という方は、物理的に仕事から距離を置くことも仕事のことを忘れるためには効果があるといわれています。たまには一人旅をして、仕事や勉強のことを忘れてリフレッシュするのもいいかもしれません。

◇(3)感情を吐き出す

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感情を吐き出すことは、心身の健康を保つためにとても重要だと分かっています。

まずは、身近な人に素直な感情を吐き出してみましょう。この時「自分を否定しないで聴いてくれる」人を選ぶのがポイントです。せっかく話しても、説教をされたり聞いてもいないアドバイスをされたりしてしまうと、逆にイライラが募ることもあるからです。

親身になって聴いてくれる人がいないという場合には、紙やスマホのメモ帳に書き出すというのも有効です。ポイントは、事実をしっかり振り返ることと、その時に自分はどんな感情を抱いていたのか、「感情や思考」についてをありのまま偽りなく書いてみることです。

ネガティブな側面だけでなく、その出来事のおかげで成長できたというポジティブな面を書いても、もちろん効果が期待できます。

◇(4)「ねばならぬ信念」を緩める

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「感情労働」には、感情をコントロールするためのマニュアルがあったり、「こうあらねばならぬ」という暗黙のルールがあったりしますよね。

そこに誠実に行動することが求められる仕事ではありますが、仕事を離れた時にも「こうあらねばならぬ」という信念を強く持ち過ぎると、疲れてしまいます。

プライベートな時間には、仕事中に求められるルールや信念から解放されて、ダラダラしたり、手を抜いたりして、自分を解放し「素の自分」も大切にしていきましょう。

■自分なりの方法でストレスを手放していこう

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いかがでしたでしょうか? 「感情労働」はとてもエネルギーが必要な仕事で、ストレスもたまります。その一方で、達成感ややりがいを感じやすい仕事でもあります。

「感情労働」を続けるためにもオンオフをしっかり切り替え、一人の時間をつくったり話を聴いてもらったりと「自分を解放」する時間を大切にして、ストレスをため込み過ぎないようにしましょう。

(工藤倫子)

※画像はイメージです

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