【完璧】映画『ヘルタースケルター』構成するすべてが作品に

【完璧】映画『ヘルタースケルター』構成するすべてが作品に

  • めるも
  • 更新日:2022/05/14
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「なんだかなぁ…これまたみんなを喜ばしちゃう私ってば」
本作のギラギラした欲望と、悲しくもリンクしてしまった幾人かの出演者たちのことを思って寂しい気持ちになりました。

でもやっぱり、なんかすごいな、という「地でいける」とんでもなさもひしひしと感じて、2022年現時点の彼女の状況までもが、サブスクで生き続ける本作を飾りつけるスパイスになり得ているのって、やっぱすげーなって思いますよ。

どうしても心躍る

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岡崎京子先生が創り出した「りりこ」というスターが巻き起こす大事件を、蜷川実花監督が極彩色で実現させる。これだけでも完璧に近いのに、その真ん中で私たちを喜ばせてくれるのはスキャンダルにまみれた女優なのでした。

こんなワクワクすることって、あんまりないんじゃないか?
可哀想だけれど、やっぱり「りりこ」と「りりこ役を演じる女優」の親和性は抜群で、りりこの持つ不死鳥のような強さとたくましさもまた、ふたりの間をつなぐキーであります。そして、その弱さと痛々しさも。

愛とはなんて残酷なものか

孤独が執着へと変貌するのはよくある話、というか寂しくてたまんないときに優しく求められたらそれが生きがいになるでしょ誰だって。

その目的がお金やビジネスであった、ということもありがちで、ここら辺を「利用された」みたいな搾取として描くやり方もたくさんあるけれど、悪意でも冷徹な自己憐憫でも、嘘でいいから愛されてる感じを味わいたいと思ってしまいますよ。

りりこという虚像は、過剰なサービス精神をまといながら「私をかまって」と叫び続ける。それに呼応するように彼女をもてはやす人々もまた、彼女にどこか同情する素振りを見せていて。

人間の残酷さを描いた作品でありながら、私たちを魅了し続ける理由を考えてみれば、その奥にしっかりと横たわる優しさが見えてくるのです。

ありがたい存在

他人の幸福がどこにあるのかなんて、さっぱりわからない。露悪的ですらある装飾や演出もまた、りりこだけの完璧な幸せを追求するために作用しているのでした。

りりこも彼女も、永遠に私たちを喜ばせてくれる優しいひとなのでしょう。ありがたいですね。

映画『ヘルタースケルター』はDVD・Blu-ray他、U-NEXTなど動画サブスクリプションサービスで観られます。
【公開】
2012年
【スタッフ・キャスト】
監督:蜷川実花

脚本:金子ありさ

出演:沢尻エリカ
寺島しのぶ 他

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