
"観光客でにぎわう築地場外市場=2023年4月15日午後、東京都中央区、関田航撮影"
内閣府は19日、日本経済がもつ潜在的な供給力と実際の需要の差を示す「需給ギャップ」の値を改め、今年4~6月期はプラス0・1%、年換算で1兆円の需要超過だったと発表した。この期の国内総生産(GDP)の成長率が下方修正されたため、再計算した。
前回1日に発表した数値はプラス0・4%、2兆円の需要超過だった。改定値も15四半期ぶりのプラスを維持し、日本経済の足かせとなっていた「需要不足」の状態が、足元では解消していることを示した。
需給ギャップはコロナ禍の真っただ中にあった2020年4~6月期にマイナス9・1%、50兆円の需要不足を記録した。
政府はこれまで、需要を底上げするために巨額の経済対策を打ってきたが、今後はフェーズが変わってくる。岸田政権が10月にまとめる経済対策には、物価高対策のほかに、構造的な賃上げや投資拡大策などが盛り込まれる見通しだ。
より供給面に目を向けた対策が採り入れられそうだが、与党からは従来型の需要喚起策を求める声も出るとみられる。補正予算の金額が、必要以上に膨らむ可能性もある。(米谷陽一)