ヤクルト村上宗隆を“500万球データ”で分析。導かれた2つの秘密「内角打ち」と「速い球への強さ」

ヤクルト村上宗隆を“500万球データ”で分析。導かれた2つの秘密「内角打ち」と「速い球への強さ」

  • FNNプライムオンライン
  • 更新日:2022/09/23
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半世紀以上破られることのなかった王貞治さんの大記録に並ぶ第55号を放ったヤクルト村上宗隆、22歳。22日現在、打率.330(リーグ1位)、本塁打55本(リーグ1位)、打点132(リーグ1位)と三冠王、さらには本塁打新記録へひた走る若き主砲を「データ」で徹底解剖する。

【画像】昨季と今季の構えを比較

村上宗隆を“500万球データ”で深掘り

今回、村上を深掘りするために向かったのは、とあるスペシャリスト軍団のもと。500万球以上からデータを集める日本最強のスポーツアナリスト集団「データスタジアム」だ。

野球中継ではよく見られる打者のホットゾーンや投手の球種割合などの数々のデータ。実はこれ「データスタジアム」がリサーチしている。その数は1万6000試合、500万球以上にのぼるという。

150キロ以上の直球に対する打率アップ

そんな莫大なデータから導き出した村上のスゴさを野球データ分析のスペシャリスト河野岳志さんはこう挙げる。

「データとして2つあります。1つ目が150キロ以上のストレートの打率がかなり上がっていることです。これは村上選手の2022年までの150キロ以上のストレートの打撃成績です」

河野さんが分析したデータ(9月15日時点)を見てみると、2019年は本塁打0の打率.061、20年は本塁打2の打率.143、21年は本塁打3の打率.226、22年は本塁打7の打率.390と本塁打数、打率が飛躍的に上がっているのがわかる。特に去年から今年にかけての上がり幅はすさまじい。

ちなみに、王貞治さんに並んだ55号本塁打も154キロのストレートだった。村上の対150キロ以上のストレートの打率.390は、プロ野球全体の平均と比べても高いと河野さんはいう。

「NPBの平均だと150キロのストレートの打撃成績が2割くらいです」

河野さんは続ける。

「対150キロ以上のストレート打率ランキングを見ても、村上選手が1番打っていることがわかります」

2位のグラシアル(ソフトバンク)の打率.360を抑え、村上は堂々の1位(15日時点)だという。

500万球のデータから導き出された村上のスゴさの1つ目は、150キロ以上のストレートの成績が飛躍的に上がり、プロ野球界で今「最もスピードボールに強い選手」であることが分かった。

なぜ速い球を打てる?谷繁解説

では、なぜ村上は150キロ以上のストレートを打てるようになったのか?その理由を野球解説者の谷繁元信さんはこう挙げる。

「昨季まではストレートに対して目では捉えていたものの、それを120%の力で打ち返そうとして、捉えきれないことがありました。それが今季は120%ではなく、80%の力でもそのボールを打ち返せることがわかったような打撃に変化しました。全力で振ると型もブレますし、どうしてもミート率が下がってくるのですが、今季はそれがなくなり、コンパクトに振れるようになったと思います」

インコースの成績アップ

そして、データスタジアムの河野さんはもう1つデータを挙げる。

「去年はインコースへの投球を苦手にしていましたが、今年の村上選手はインコースに対して、かなりホームランを打っていることが挙げられます」

昨季のコース別の成績を見ると、インコースは打率.258、本塁打8本という成績だったが、今年は打率.321、21本の本塁打(15日時点)を放つなど、インコースの成績が上がっている。

今季の成長を象徴する内角打ち本塁打

その象徴的とも言える村上の本塁打について、平成唯一の三冠王・松中信彦さんはこう話す。

「広島戦のインコースの速い真っすぐ、それを見事にホームランにした」

松中さんが挙げたのは8月23日の神宮での広島戦だ。内角球を完璧に捉えた特大の本塁打だった。ちなみに、この当たりも150キロ超え、今年の成長を象徴する本塁打に松中さんも驚きを隠せない。

「色んなボールに対して、ミスがない構えだったりインパクトが今年の村上選手の一番変わったことなのかなと思います」

500万球のデータから導き出された村上のスゴさの2つ目は「インコースの成績アップ」本塁打にできるコースを広げていたことがわかった。

内角打ち開眼のヒミツ 谷繁解説

では、なぜインコースの成績が昨季から大幅アップしたのか?その要因を谷繁さんはこう明かす。

「構えを見ればわかります。構えた時のバットの角度です。去年はバットの角度が寝ている。ヘッドが投手の方に向いています。今年はバットの角度が立っています。ヘッドが空を向いています」

この角度の違いがもたらすものをこう解説する。

「今年のようにバットの角度が立っているとテークバックにスムーズ入れる。ヘッドの動きが少なくてインパクトを迎えられるようになったので、インコースがさばけるようになりました」

ヘッドの無駄な動きを少なくするわずかな構えの違いが、内角打ちの開眼と、150キロ以上のストレートにも振り遅れない要因になっていた。

日本人最多の56号、さらには日本新記録のシーズン61本塁打の期待を背負う村上宗隆。どこまで歴史を塗り替えられるのだろうか。

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