アングル:オミクロン猛威の米国、検査キット求め薬局に長蛇の列

アングル:オミクロン猛威の米国、検査キット求め薬局に長蛇の列

  • ロイター
  • 更新日:2022/01/15

[12日 ロイター] - 新型コロナウイルスのオミクロン変異株の猛威に見舞われる中、米国では各地の薬局やドラッグストアに検査キットを求める人々で長蛇の列ができている。キットは飛ぶように売れており、年末年始の連休前に急拡大した需要は年明け後もいっこうに衰えていない。

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1月12日、新型コロナウイルスのオミクロン変異株の猛威に見舞われる中、米国では各地の薬局やドラッグストアに検査キットを求める人々で長蛇の列ができている。写真は11日、米オクラホマシティで、検査を受けようと行列する市民ら(2022年 ロイター/Nick Oxford)

オミクロン株流行で感染者数が記録的な水準に高まり、バイデン政権が学校の検査能力を2倍に引き上げる計画を打ち出したことで、12日には検査キット不足にいらだつ声が各地で聞かれた。

テキサス州ラボックの薬局、ドラッグ・エンポリウムの薬剤師、アサ・ウーテンさんによると、検査キットを求める顧客は引きも切らない。「来店者の4人に1人ほどがキットを買おうとする。今日は開店から1時間のうちに10人からキットについて尋ねられた。電話での問い合わせが途切れることはない」と言う。

同店は2週間前から検査キットが品切れで、ラボックの薬局や小売店はどこも同じような状態だという。最後の入荷分は20分で完売した。

検査キット不足の影響は国民の日常生活にじわじわと広がっている。例えば、生徒や教員の対面授業への出席は検査が受けられるかどうかに掛かっている。

バイデン政権は12日、学校の検査能力を月1000万回増やして倍増することなどを盛り込んだ、対面授業継続に向けた計画を発表した。昨年12月には、1月から簡易検査キット5億回分を国民全体に無料配布すると発表しており、今回の措置はこうした対策の一環だ。

全国各地でキット不足は深刻だとの報告が増加。バイデン政権は急増するオミクロン株の感染者と入院患者数の抑制において、検査に十分注力していないとの批判を浴びている。

<ワクチンから軸足>

ロイターの集計によると、米国は10日に新型コロナの新規感染者数が135万人と世界最高を更新。1日平均の新規感染者数において、世界全体の3人に1人を米国が占めている。

フィラデルフィア近郊シュウェンクスビルのスキパック・ファーマシーは、クリスマス直前の検査需要急増に対応し、軸足をワクチン接種から検査に移した。

同店は野球場の駐車場に検査所を設置。オーナーのマヤンク・アミンさんは「規模を拡大してこうした検査を可能にするとともに、従業員の安全も確保すべきだと思い至った」と言う。

従業員はワクチン接種と検査予約の受け付けをこなしながら、1日何百件にも上る家庭用検査キットの購入問い合わせの電話に対応しているという。

アーカンソー州スターシティーのドクターズ・オーダーズ・ファーマシーの薬剤師、シャノン・ラネーさんによると、同店には検査キットの供給が途絶えた近隣の郡から人々が押し寄せている。

家族経営の同店は、近くの2つの店舗と在庫を共有することで需要増に対応できている。今のところは店舗内で検査が可能で、自宅用キットの在庫がなくても、必要なら他の店舗から回してもらうことができるという。

検査需要の拡大で一部の検査機関は検体の処理時間が伸びている。

商用検査で国内最大手のクエスト・ダイアグノスティクスは、昨年第3・四半期に比べて新型コロナ検査の処理数が2倍近くに増えたと説明。昨年12月初旬にはほとんどの検体について24時間以内に検査結果を送り返していたが、今では平均で2、3日になったとしている。

従業員の人繰りに問題が生じている検査機関もある。

州などの衛生研究機関が加盟する公衆衛生研究所協会(APHL)のスコット・ベッカー最高責任者は「検査機関の専門家も他の人と同じように感染している」と話した。

研究機関での検査は検体の収集から輸送、分析、結果報告まで、人手の確保を頼みとする作業だ。

(Brad Brooks記者、Maria Caspani記者)

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