大阪の「基準地価」 注目は "ニシ"  なにわ筋線 が上昇の要因  商業地はバブル期以来の下落なし

大阪の「基準地価」 注目は "ニシ" なにわ筋線 が上昇の要因 商業地はバブル期以来の下落なし

  • 関西テレビ
  • 更新日:2023/09/19
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大阪市 西区

土地取引の基準となる「基準地価」が19日に発表されました。大阪の注目は、「キタ」でも「ミナミ」でもなく「ニシ」です。

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大阪市北区 グランフロント南館

19日に発表された基準地価。大阪府の商業地で地価が最も高かったのは4年連続で”キタ”の代表「グランフロント」。南館は1平方メートルあたり2300万円です。

”ミナミ”でも、コロナによる打撃で下落が続いていた「デカ戎橋ビル」が

4.3パーセントの上昇となるなど、観光需要の回復の影響がみられました。

この傾向は大阪府全体にも及んでいて、調査対象の府内166地点の価格が全て上昇もしくは横ばいで、これは実にバブル期の1990年以来33年ぶりのことです。

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商業地の上昇率トップ10 西区が5地点

去年からの変化を表す「上昇率」に着目してみると、トップ10のうち5地点がランクインしていたのが大阪市「西区」でした。この地点は西区の中でも中央区側にかたまっています。

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大阪市内を南北に貫く「なにわ筋線」

地価を押し上げている最大の要因は、大阪市を南北に貫く道路「なにわ筋」の地下を通る予定の鉄道「なにわ筋線」です。

2031年に開業予定の「なにわ筋線」。JR大阪駅から南海本線の新今宮駅をつなぐ新路線で、西区には新たに「西本町駅」ができる予定です。開通すれば、新大阪や関西空港へのアクセス向上が見込まれるほか、西区には、靭公園など緑も多いことからマンション需要が高まっています。

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西区に住む人

取材に対し、西区で子育てをする人は「西区は、にぎやかな街も近いですけど、ちょっと離れると静かになるので子育て世代はすごくいいかなって思います。今は賃貸マンションです。今購入したらいいですかね?検討はしています」と話しました。

不動産鑑定士によると現在の西区の地価は割安で、これからさらに上昇するポテンシャルがあるということです。

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大阪大学大学院 安田洋祐教授

大阪大学大学院経済学研究科の安田洋祐教授は、大阪の商業地の基準地価の傾向について「新ビジネスのシグナル」とみています。

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関西テレビ

【大阪大学大学院 安田洋祐教授】

「地価の上がり方は2通りあるんです。1つは、今現在儲かるようになっているので、儲かる分 地価が上がっていくミナミなど。このあたりはインバウンド需要で儲かっています。もう1つがこれから将来、さらにビジネスの機会が広がって儲かりそうだから、それを反映して今すぐ地価が上がると、それが今回の西区です。また、大阪では再開発が進む「うめきた2期」。街びらきはまだですが、地価が上がっています。あとは、北大阪急行が延伸する箕面のあたり。インフラが整って、これから伸びていきそうなところの地価が上がる。それで何が起きるかというと、今後、新しいビジネスの拠点であったりとか、便利なショッピングモールなどができたりすることが期待されます。大阪全体を一つの都市圏で見た時に、今まではキタとミナミ、どっちかの拠点に集中していたのが、分散してくる。今回「ニシ」に注目しましたけど、大阪公立大の新キャンパスができるなど再開発が注目される「ヒガシ」も盛り上がってくるかもしれないし、どんどん複数拠点で都市圏がより多様に盛り上がっていくことが期待できます」

関西テレビ

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