コロナ禍でもアパレル・ファッション業界の平均年間賞与額は上昇

コロナ禍でもアパレル・ファッション業界の平均年間賞与額は上昇

  • @DIME
  • 更新日:2021/07/22
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コロナ禍の影響は?アパレル・ファッション業界の「平均年間賞与額」発表

アパレルショップで日々来客対応に勤しむ店員さん。彼・彼女らの平均年間賞与額は、いったい、どれぐらいなのだろうか?

パーソルキャリアが運営するアパレル・ファッション業界専門の転職支援サービス「クリーデンス」ではこのほど、アパレル・ファッション業界の「平均年間賞与額」最新版を発表した。

<年代別 平均年間賞与額>

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平均年間賞与額は昨年比+2.2万円、ハイクラス人材の転職活動活発化が要因に

2020年1月~12月までに「クリーデンス」に登録した人の平均年間賞与額は、60.7万円で、2019年より2.2万円アップ。年代別では、40代のみ昨年の賞与額から増加し、全体の賞与額を引き上げる結果となった。40代で増加した背景には、転職市場の変化が挙げられる。慢性的に労働力不足が続くアパレル・ファッション業界では、未経験や経験が浅い若手を採用し自社で育てる企業が多い傾向にあった。

しかし、コロナ禍によって業績の立て直しが急務になったことで、専門性の高いスキルや知識を持つ即戦力人材のニーズが高まり、ハイクラス人材をターゲットとした求人が増加。それに伴い、「クリーデンス」の登録者は、スキル・知識を持ち合わせた給与水準が高い40代が増加している(右上表 参照)。

結果として平均年間賞与額も増加したと考えられる。50代以上の平均年収は+42万円と大幅に増加している一方、年間賞与額は-1.8万円だった。これは、コロナ禍により賞与支給がなかった役員クラスの登録者が増えたことが要因であると考えられる。

<職種別 平均年間賞与額>

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「EC」「SGDs」をキーワードに、「生産管理・物流」「マーケティング」の賞与額が大幅アップ

職種別では9職種中7職種の平均年間賞与額が上昇した。中でも「生産管理・物流」「マーケティング」の賞与額は、前年比+15万円以上という結果に。増加の要因は2つあると考えられる。

1つ目は、EC市場規模を拡大するため、物流システムの見直しで効率化を図るポジションやECサイトのマーケティング戦略を立てるポジションのニーズが高まったこと。2つ目は、アパレル業界全体で「SDGs」への取り組みが加速し、余剰在庫の削減に着手する企業が増加。生産計画を見直しを担う「生産管理」が求められるようになったことが挙げられる。

一方、商品開発や販売計画を練る「MD(マーチャンダイザー)」や消費者ニーズに合わせて商品の買い付けを行う「バイヤー」は、-14.1万円と大幅に減少。これらのポジションは、売上を大きく左右するポジションで、他の職種よりも業績が給与や賞与に反映されやすい傾向にある。2020年は、コロナ禍で年間賞与額に影響が出たと考えられる。

平均年間賞与額を引き上げた40代で職種別に見てみると、多くの職種で平均年間賞与額が増加していた。前年比で、20万円以上の増加となった職種は4職種。最も増加したのが「WEB/EC」で、+34.9万円と大幅な増額となっている。企業は売上アップを目指し、ECを強化するための採用を活発化させた。

特に、EC事業の根幹を担う「ECマネージャー」やECに特化した販売戦略を練る「ECMD」を求める企業が増加。しかし、アパレル・ファッション業界にデジタルの知見に長けた人材が少ないため、給与水準を引き上げ、採用する動きが高まった。

結果として、今までアパレル・ファッション業界への転職が視野になかったハイクラス人材の登録が進んだことが、平均年間賞与額を大きく引き上げた要因だろう。次いで、「営業・店舗開発」で25.9万円アップした。OEMや商社では販路拡大を狙い、業界経験が豊富で人脈を持つ人材を求める企業が増加したことが影響していると言える。

■2021年の年間賞与額の予測

経験が浅い若手の多人数採用ではなく、即戦力人材の少数採用という2020年の転職市場の変化は、2021年も続いている。また2021年は、各社、2020年に着手した取り組みをさらに加速させるため、「デジタル」「物流」「マーケティング」などの分野においては、業界外からハイクラス人材を獲得する動きが見られるだろう。

またアパレル・ファッション業界は、他業界と比較し、給与水準はあまり高くない傾向にあるとされてきた。そんな中で、各分野で即戦力となって活躍できる人材を採用するために、また離職を防ぐために、昨年から今年にかけては、給与水準や人事制度を見直す企業が相次いだ。今後も、これらの傾向は続くと予想されることから、2021年の平均年間賞与額は増加すると考えられる。

<調査概要>
2020年1月~12月の間に、「クリーデンス」に登録したビジネスパーソンのデータをもとに算出昨年のデータは、2020年の集計方法にあわせ算出し直している。

●解説者プロフィール クリーデンス 事業責任者 河崎 達哉(かわさき たつや)氏

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1984年、兵庫県生まれ。
2008年、株式会社インテリジェンス(現社名:パーソルキャリア株式会社)入社。キャリアアドバイザーとして、IT・ウェブ領域や金融、医療を担当。また、さまざまな業界のハイクラス層の転職も支援。これまでに支援した転職希望者は、1,500名を超える。キャリアアドバイザー部門のゼネラルマネジャーを経て、2019年4月からは「クリーデンス」の事業責任者として、アパレル・ファッション領域の人材サービスをけん引している。

出典元:パーソルキャリア株式会社

構成/こじへい

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