ふたりの子がいる39歳娘に包丁まで出してつきまとう「過干渉な母」への失望

ふたりの子がいる39歳娘に包丁まで出してつきまとう「過干渉な母」への失望

  • 現代ビジネス
  • 更新日:2022/05/14
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株式会社クランピーリアルエステートの調査によれば「8割近くの人が義両親との同居はナシ」だと考えているという。回答にもあるように「お互いに気を遣うから」「義両親とはある程度の距離感が欲しい」と思うのは無理もない。

実際、前編記事〈「私は同居はしたくない」夫に押し切られ義父母と一緒に暮らす41歳妻の「深い孤独」〉でそんな事例を紹介した。

しかし義実家との付き合いだけがつらいわけではない。たとえ実の家族どうしでも軋轢が生まれることもある。

本稿では、折り合いの悪い実母に干渉され、ついには「縁を切った」女性の事例を紹介する。

過干渉な母親に振り回されて

「子どものころから過干渉な母に悩まされてきました。高校生のときの門限は5時、大学生のときは6時という異常な家だったんです。

父は仕事三昧でほとんど家にいない。実はうち、私の上に兄がいたんですが小さいとき病死してる。だから母は次に産まれた私を過保護に育て、それが過干渉へとつながったみたい。わかっていても本当に嫌でした。でも言い返すと泣くからめんどうで……」

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そう言うのはルミコさん(39歳)だ。とにかく早く結婚して家を出たかったから、学生時代からつきあっていた彼と25歳で結婚を決めた。彼もルミコさんの家庭の事情を知った上で、結婚して早く家を出たほうがいいということになったのだ。

「ところが母は彼にこっそり連絡して、私の悪いところを列挙。あんな娘と結婚なんてしないほうがいいと吹き込んだんです。彼が冷静な人だったから、私にそれを伝えてくれました。

私は彼を母のところに連れて行き、今までされたことを延々、訴えました。彼と出会う前、ボーイフレンドと映画を観に行こうとしたら母が尾行してきたこと、その人とカフェでお茶を飲んでいたらいきなり『あんなオンナとつきあうと、あなた、大変よ』と言って別れさせたこと。

かつての感情がよみがえって、『いいかげん、私の人生の邪魔をしないで』と叫んでしまいました。母は涙を流しながら『私を捨てるの?』と。これが母の手口なんです」

義父母と出会って知った親の愛情

本当は娘に甘えたい気持ちが強いのだろう。支配と愛情がないまぜになり、とにかく娘を自分の手の届くところに置いておきたいと思うばかりに娘の人生を阻害するのだ。

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「母親が泣き出したことで、彼はちょっとおろおろしていました。そんな彼を促して家を出て、帰りに役所に寄って婚姻届をもらい、数日後には提出しました。これで親の戸籍から抜けることができたとホッとしましたね」

結婚式もしなくていいと思っていたが、彼の親や職場の人たちの手前もあり、1年後にパーティを開いた。母には招待状を出さなかった。彼の両親は、母とは違って穏やかでルミコさんの状況もわかってくれていた。

「義両親は本当にいい人たちで、親の愛情ってこういうものかと彼が羨ましかった。私にもとっても優しい。絶妙な距離をとってくれるんですよ。29歳で出産したとき、当日は夫が付き添ってくれて、義両親は来ませんでした。翌日午後、やってきて『疲れたでしょう』とまずねぎらってくれた。

そして夫が席をはずしたときにこっそり封筒をくれて『自分のために使いなさいね』って。10万円入っていました。お祝いは別にもらったのに。その心遣いがうれしくて涙ぐんだら、義母が『私たちはよけいなことをしたくないから、もししてほしいことがあったらルミちゃんから言ってきてね。できることはなんでもするから』と」

エスカレートし始めた実母の干渉

言葉通り、義父母はルミコさんたちの自宅にも呼ばない限り来ないし、めったに連絡もしてこない。孫が見たいから連れて来いということもない。電車を乗り継いで40分ほどのところに住んでいるから遠いわけでもないが、「すでに一家をかまえた息子とその妻の邪魔はしない」のがポリシーらしい。

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「義両親と一緒にいると、私はとても落ち着くんです」

だが、第二子が産まれたころから、実母が介入してくるようになった。

ふたりの子をもって、ときに義母の手を借りながら多忙な日々を過ごしていたルミコさん。実母がときどき連絡してくるようになっていた。

「さすがの母も60代に入って、少しは変わったのかもしれないと思ってしまったんです。私自身も母親になって、子どものかわいさはわかるから、母にも優しく接したいと思うようになっていた。ちょうど夫と共有名義で中古マンションを購入し、義父母を招いてお披露目したかったので母も呼んでもいいかなと」

その日はおとなしくしていた母だが、その翌日からはやたらと顔を見せるようになった。ルミコさんも仕事を持っているから、朝は目が回るような忙しさ。なのに、そんなときに母はやってきて、ああだこうだと指示を飛ばす。あげく、「私がやっておいてあげるから、早く出かけなさいよ」と言い出す始末。

包丁を持ち出して「死んでやる!」

「何度かそういうことがあって、母には我が家を乱すのはやめてほしいと伝えました。手伝いに行っているのにと言うから、来ないでほしい、うちの家族を崩壊させたいのかと激怒すると泣き出して。ああ、この人は変わっていないんだと痛感しました。

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『あなたは私を産んだ人。それだけの関係だから』といつか言いたかったことを静かに告げると、母は包丁を持ちだして『死んでやる』と大騒ぎ。どうぞと言ったら、その包丁を私に向けたんですよ。さすがに静観していた夫が飛びかかって包丁を取り上げました。

実の娘に包丁を向ける母親なんだね、そこまでするとは思わなかったと、私は低い声でさらに冷静に言った。本音は呆れていました。母を失ったと思った」

彼女の中で、「いつかは母と仲良くしたい、母に褒められたい」と思っていた気持ちがぷつりと切れた。母は夫に追い出されて、わめきながら帰って行った。

「それからも何度か来ましたが、一度も家には入れていません。子どもたちにも、『ママのほうのおばあちゃんがいたら逃げるように』と言ってあります。コロナ禍になって、さすがに母も来なくなった。

定年になった父とは連絡をとりあっていますが、父も母を持て余しつつなんとか生活しているようです。父も母も私の中では“遠い人”ですね。代わりに義父母とはどんどんいい関係になっています」

実親からはあまり愛されなかった孤独感があるが、義両親とは実親以上の愛情を感じているルミコさん。夫と義両親がいなかったら、自分の人生はどれだけ荒れただろうと考え、ときどき怖くなるとつぶやいた。

*     *     *

前後編にわたって、「親」との関係に悩んできたふたりの女性の例を見てきた。義父母だから、実親だから、仲が悪い・良いという単純な話ではないようだ。

愛情と安心を感じられる家族との関係は、思った以上に貴重なものであることを心に留めておきたい。

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