「健康診断受けたらごほうびがもらえる」の気になる中身とその効果

「健康診断受けたらごほうびがもらえる」の気になる中身とその効果

  • @DIME
  • 更新日:2018/01/14

中高年のための健康講座(7)

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市町村国保の多くが健診受診率の低さに頭を悩ませていることは、これまでに何度も触れてきた。保険者(市区町村)としては、

・受診すれば安心できます
・生活習慣病の芽を摘み取ることができます
・無料で受けることができます
・将来の医療費が抑制できます

などの言葉を並べ、何とか興味を持ってもらおうとしているが、

・日祝日は対応できません
・平日昼間に受診してください
・勧奨は郵便を出すだけで終わり

と、お役所的な枠から脱することのできないところもある。

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そこで新たな方策としてここ数年増えているのが、健診や健康づくり事業を受けることで何かしらの特典を与える「健康インセンティブ」の導入だ。「健康マイレージ」もしくは「健康ポイント」などの名称で呼ばれている。

■健康インセンティブの目的と傾向

この制度の最終的な目標は、財政を圧迫する医療費を削減することにある。そのためにはまず、病気の早期発見・早期治療に繋がる健診をより多くの人に受診してもらおうと、特典(ご褒美)を付けている。とはいえ、

・最低限達成しなければならない条件
健診は必須としても、他に何を加えるか

・特典の当たる確率
もれなくか、若干名か

・意外性
ありきたりのものか、驚くようなものか

・応募方法
添付のはがきで応募、ポイント制で自動的に応募

・誰が主体で始めたか
保険者が主体か。都道府県などから降りてきた事業に乗っただけか

など、保険者により手法が異なる。

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多いのは、健診受診+2つほどの条件をクリアしたら特典交換に応募してもらう。できるだけ多くの人を満足させたいとの狙いからハズレはないが、目玉もない。広く浅く、皆さんが小さな喜びを感じてくださいというタイプ。

無難ではある。

■何をもって魅力とするか

一方、思い切った策として健診対象年齢外の40歳以下でもOKとするところ。豪華賞品を若干名に提供というピンポイント型。何かをして特典を得るのではなく、最初から特典を渡し、進んで利用してもらうことで健康増進を狙う保険者もある。

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お役所が従来にないことをすると波風が立ちやすいが、何とかしたいとの気持ちが強ければ、より魅力的な内容にするのは当然のこと。実際、まだインセンティブを導入していない保険者も、いい事例があれば参考にしたいと考えているようだ。

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そんな中、厚生労働省は2016年5月に「個人の予防・健康づくりに向けたインセンティブを提供する取組に係るガイドラインについて」の発表を行なった。そこには、

・インセンティブの報酬の内容を個人の価値観に合わせて、魅力的なものとすることが必要 (健康グッズ、社会的な表彰、商品券等)

としながらも、

金銭的な価値が高すぎる報酬の付与(現金給付等)は、報酬を得ることのみが目的化しやすく、慎重に考えることが必要

との文言を入れた。

つまり、「魅力的な報酬は必要だけど、あまり高価すぎるもの。とくに現金給付的なものはいかがなものか」と…。そういえば、最近ふるさと納税の返礼品についても同じような国の横槍(突っ込み)があった。

皆さんはこれをどう考えるだろう?

■好事例を求めて模索が続く

正直な話、自分がもらえる立場なら、豪華なほうがいい。現金ならなお嬉しい。逆にもらえなかった人は、自分の税金が見知らぬ誰かへの賞金に使われるのが面白くない。結果、ある自治体では抽選で1名に現金10万円を出したところ、その人に対し周辺から嫌味が寄せられた例がある。

現金以外の魅力的な報酬って何? との根本的な疑問も出てくる。当たった賞品が本人にとって魅力あるものと限らないからだ。「これ、もう持っているんだけど」、「私の年では使わないから他のものに変えて欲しい」など声が寄せられることも珍しくない。このような問題が起きることを嫌い

・検討はしているが、今は様子見中
・とりあえず始めたみたが、成果が見えないまま模索を繰り返している
・自分ではやらないが、県がまとめてやってくれるので、とりあえず参加した

という保険者もいる。

さて、あなたの町ではどうだろう?

次回は、独自の手法で頑張っている保険者の例をいくつか紹介しよう。

文・写真/西内義雄

医療・保健ジャーナリスト。専門は病気の予防などの保健分野。東京大学医療政策人材養成講座/東京大学公共政策大学院医療政策・教育ユニット、医療政策実践コミュニティ修了生。高知県観光特使。飛行機マニアでもある。JGC&SFC会員。

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