トヨタ『カムリ』VS マツダ『アテンザセダン』今、ニッポンのセダンが面白い!

トヨタ『カムリ』VS マツダ『アテンザセダン』今、ニッポンのセダンが面白い!

  • @DIME
  • 更新日:2017/11/12
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ここ数年、ミニバンやSUVの人気とは裏腹に、元気がなかったセダンに新しい兆候が見られるようになった。今、国産メーカーが造るクオリティーとコスパの高いセダンが続々と登場しているのだ。今回はそれを象徴する2台を比較試乗した。

◎クルマ造りの基本は〝セダン〟にあり

ミニバンやSUVが全盛の日本だが、国内メーカーの技術者たちに本音を聞くと、やはりクルマ造りの基本は4ドアセダンであることに変わりはない。基本がしっかりできていないようなクルマでは、そこから派生する車種の性能も低いはず。販売面では苦しくても4ドアセダンをしっかり造れるメーカーこそ、世界に通用するメーカーとしての最低条件といえそうだ。

このような状況下で最近、国産メーカーから注目すべきセダンが登場している。1台目はトヨタ『カムリ』。トヨタのグローバルミッドサイズセダンとして、北米で15年連続で乗用車販売台数No1を獲得しているクルマだが、フルモデルチェンジし、今年日本市場に投入された。もう1台はマツダ『アテンザ』。同車は2014年にデビューしたが、マツダは毎年〝年次改良〟を行なっており、『アテンザ』も今年8月に安全性能や走行性能が向上した新型車を発売したばかり。日本市場では4ドアセダンというと、トヨタ『クラウンアスリート』やレクサス『GS』あたりも人気だが、サイズ、装備などを比較してみても、今回の2台はそれらと同等かそれ以上の内容で、コスパも高く世界でもその実力は十分認められている。

最近、注目されている安全装備については『カムリ』はトヨタ車では最高ランクの「トヨタセフティセンスP」を標準装備。さらに後退時に死角があっても、左右後方から接近してくる車両を検知し自動的にブレーキをかける「リアクロストラフィックオートブレーキ」を同社で初めて採用した。

また、前車追従機能の設定速度は一般的な国産車の114km/hを大幅に上回る180km/hという国際規格を採用するなど、輸入車に近い基準で造られているのだ。スタイリングやインテリアのデザインも現在のトヨタ車の中ではかなり洗練されているほうだ。

一方の『アテンザ』もスタイリングの美しさや質感の高さは国産車でもトップクラス。安全性能も最新装備を導入し、国が推奨する「安全運転サポート車」に適合している。今回、静粛性も向上したことで、上級セダンにふさわしい内容に仕上がっている。

大人がもう一度、乗りたいセダンの選択肢が増えてきたことで、クルマ選びが楽しくなりそうだ。

◎躍動感あふれるハイブリッドセダン
トヨタ『カムリ』

Specification
■全長×全幅×全高:4885×1840×1445mm
■ホイールベース:2825mm
■車両重量:1600kg
■排気量:2487cc
■エンジン形式:直列4気筒DOHC+交流同期モーター
■最高出力:178PS/5700rpm+120PS
■最大トルク:221Nm/5200rpm+202Nm
■変速機:電気式無段変速/6速手動
■燃費:28.4km/L
■車両本体価格:419万5800円
※G〝レザーパッケージ〟

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先代からプラットフォームやスタイリングまでを一新。ボディーサイズはあまり大きく見えないが、全長は10mm、ホイールベースも25mmだけ短くなった。

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最近のトヨタのアイデンティティーを踏襲したフロントデザイン。左右のライトはすべてLED化。ヘッドライトから続くスリムなアッパーグリルと、大きく大胆に広がるロアグリルがポイント。

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ワイド感のあるリアのデザイン。全幅は1840mmで『クラウンアスリート』より40mm広い。後退時に左右後方から接近してくる車両を検知して自動制動する機能を搭載した。

◎ディテールまで質感にこだわったセダン
マツダ『アテンザ セダン』

Specification
■全長×全幅×全高:4865×1840×1450mm
■ホイールベース:2830mm
■車両重量:1480kg
■排気量:2488cc
■エンジン形式:直列4気筒DOHC
■最高出力:188PS/5700rpm
■最大トルク:250Nm/3250rpm
■変速機:6速AT
■燃費:16.0km/L
■車両本体価格:336万4200円
※L Package

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日本の自動車メーカーの中では、いち早くデザインに注力したマツダ。『アテンザ』のスタイリングは海外でも十分通用するが、国内ではまだアピール不足の感がある。

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マツダ車の顔として定着した細目のヘッドライトと五角形のグリル。ボディーカラーもそれまでは人気のなかったソウルレッドをメインカラーとし現在も進化させている。

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ワイドな印象を強調したリアビュー。全幅は『カムリ』と同じだが、全高は5mmだけ高い。ちなみに全長も『カムリ』より20mm短いが、ほとんど同じサイズ。

《安全性能、デザイン、居住性、全てにバランスのとれたお買い得なセダン》

◎トヨタ『カムリ』

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■エンジンルーム

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直列4気筒、2.5Lのガソリンエンジンにモーターを組み合わせている。回生時のヒューン音も小さい。燃費は街中でも20km/Lを記録した。

■運転席と各種装備

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複数の色や素材をコーディネートする手法をトヨタ車として初めてインテリアに採用。インパネからシフトパネルのデザインも斬新だ。

■シートスペース

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内装はインテリアカラーとシートカラーが3色用意されるほか、ダッシュボードや助手席の前のカラーもコーディネートできる。

■ラゲージスペース

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トランクスペースはかなり広い。左右幅は1080~1670mm、奥行きは1180mm、高さ520mm(※実測値)。後席の背もたれは6対4の可倒式。

【ココがポイント!】洗練されたデザインを象徴するLEDライト

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すべての光源をLED化。ヘッドランプの内側のクリアランスライトとデイライトは階層形状で3層のレンズで構成されている。点灯時にはクリスタルのような上質な輝きを放つ。

【ココがポイント!】わかりやすいスイッチ類と上質感のあるコンソール

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変速は電気式無段だがシフトレバーを右に倒すと6速の手動モードに。シフトレバーの後方にEVモードスイッチがあるが、使えるのは短時間。駐車ブレーキも電気式。

◎マツダ『アテンザ セダン』

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■エンジンルーム

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2.5Lのガソリンエンジンはレギュラー仕様だが、実用燃費はカタログ値よりも低い12~13km/L。ディーゼルのほうが使いやすそう。

■運転席と各種装備

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インテリアはもう少し色気が欲しいところ。メーター類は上部にまとめられ、ペダル、ハンドルも運転しやすい位置に配されている。

■シートスペース

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運転席は左右の視界も良く、斜め前方の死角も少ない。後席の着座位置は低く、ウインドウは肩までの高さ。後席のヒーターは標準装備。

■ラゲージスペース

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ラゲージスペースは左右幅1020~1430mm、奥行き1180mm、高さ510mmを確保。後席の背もたれは6対4で分割可倒できる。

【ココがポイント!】標準装備のヘッドアップディスプレイ

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マツダは運転者の姿勢や操作のしやすさにこだわって、いかにドライバーが疲れにくく運転できるかを追求。ヘッドアップディスプレイも見やすくて便利。

【ココがポイント!】ディーゼルなら6連MTも選べる!

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ガソリン車は6速ATしか選べないが、ディーゼル車は6速ATと6速MTがFF、4WD車の両方に用意されている。ドライブモードはスイッチ操作でノーマルとスポーツを選択可能。

〈細部までこだわり抜いた上質な造りの『カムリ』に軍配〉

◎トヨタ『カムリ』

[運転性能]エコ/ノーマル/スポーツの3モード付き。スポーツはキビキビした感じが際立つ。17、18インチタイヤ共に走りやすい。19点

[居住性]前席は座面を高めに設定するとドア上縁の圧迫感があり着座位置はやや低い。後席は身長165cmまでなら余裕。18点

[装備の充実度]安全装備はトヨタの最新のものを備えているが、後方部分の装備はオプション設定。ACCが180km/hは評価できる。17点

[デザイン]最近のトヨタ車の中でもセンスを感じさせるデザイン。特にインテリアのデザインとカラーコーディネートが充実。18点

[爽快感]アッパーミドルセダンだが軽快感がある。動力性能もスポーティーモデルのレベルをクリア。燃費が良さも魅力。19点

[評価点数]91点

◎マツダ『アテンザ セダン』

[運転性能]軽快感や加速、トルク感を楽しみたいのなら2.2Lのディーゼルターボがおすすめ。車重は『カムリ』より120kgも軽い。 18点

[居住性]前後席とも空間の圧迫感はないが、室内のカラーがブラックとオフホワイトの2色というのはちょっと寂しい。17点

[装備の充実度]今回の年次改良で車体後方の安全性能を充実させて、全車に標準装備しているところにマツダの良心を感じる。19点

[デザイン]現行モデルは2012年秋にデビューし5年が経過したが、プロポーションは時代を感じさせない。内装の進化に期待!18点

[爽快感]ボディーのデザインや安全装備はトップレベルだが、ハンドリングやパワーユニットにスポーティーさが欲しい。17点

[評価点数]89点

【OTHER CHOICE】東京モーターショーに登場する新型セダンは?

全長4.7m以上、4.8m以下というサイズの国内メーカーの4ドアセダンを調べてみたところ、意外なことにこのサイズにあてはまるセダンはトヨタ『クラウンアスリート』と日産『ティアナ』だけだった。スバル『レガシイ B4』やトヨタ『マークX』、日産『スカイラン』は4.8m以下、レクサス『GS』、ホンダ『アコード』は4.9m台になってしまう。

今回、紹介した2台以外はモデル末期が多く、各メーカーから新型車の話はあまり聞こえてこない。『マークX』は2009年、レクサス『GS』は2011年、『クラウンアスリート』は2012年、『スカイラン』『ティアナ』『レガシイ』は2014年のデビューとなる。今年の東京モーターショーにはトヨタ『クラウンアスリート』やレクサス『GS』の次期モデルの公開も噂されているが『マークX』の存続については微妙なところ。グローバル市場では人気があるカテゴリーだけに日本のメーカーにもがんばってほしいところだ。

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◎スバル『レガシイ B4』302万4000円

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◎日産『ティアナ』256万3920円

文/石川真禧照

※記事内のデータ等については取材時のものです。

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