NISAと「つみたてNISA」、ネット証券で始める前に知っておきたいこと

NISAと「つみたてNISA」、ネット証券で始める前に知っておきたいこと

  • ZUU online
  • 更新日:2017/12/08

■「NISA」のメリット・デメリット

個人投資家向けの少額投資非課税制度「NISA」が人気だ。金融庁によると2017年6月末時点の口座数は1090 万 を超えている。2018年1月からは「つみたてNISA」もスタートする。ともに利用しやすい魅力的な仕組みなので、検討する価値はあるだろうが、どのような違いがあるのだろうか。

「NISA」とは「少額投資非課税制度」のことで、注目される理由は株式や投資信託などに投資して得られる利益や配当金が「非課税となる」点だろう。

(日本の頭文字の「N」と、英国の個人貯蓄口座であるISA=Individual Savings Account=を合わせた造語)

金融商品に投資して得た利益などには、通常約20%の税金がかかる。だがNISAなら投資で得た配当金や分配金、譲渡益には税金がかからないのだ。少額からの資産づくりを考えている投資家には嬉しい制度と言える。 だが注意点もある。

デメリットとして挙げられるのは、非課税投資枠の上限は年間120万円で、非課税投資総額は最大600万円(年間120万円×5年)までと決められている点だろう。たとえ非課税投資枠に余裕があったとしても、翌年に繰り越せないのを念頭においておかねばならない。

だが逆の見方もある。非課税枠を使い切っても、翌年にはまた120万円の枠が得られるので計画的に運用していけば実は利用しやすい制度でもあるのだ。高額投資をしたい投資者には物足りないかもしれないが、いろいろな銘柄に投資していきたいタイプの方にはオススメな制度である。

またNISA口座内の金融商品を売却する際に生まれた損失と、他の証券口座で得た利益を「損益通算」することはできないことも、気にかけておく必要がある(損失の繰越控除も3年間不可)。

損益はNISA勘定では課税されないため、売買損失は「ないもの」とみなされる。そのため一定期間に別々の口座で得られた利益と損失を合算する損益通算という概念に当てはまらないのだ。

たとえばNISA口座とは別の証券口座で投資し50万円の利益を出したが、NISA口座では50万円の損失が生まれたとしよう。損益通算できれば相殺となるはずだが、NISAは損益通算できない。そのため証券口座で得た50万円分が課税対象となってしまう。

あらかじめデメリットがわかっていればリスクは軽減できるはずなので、気を付けて運用していきたいものだ。

●メリット

・投資で得た利益(配当金など含む)に税金がかからない(通常20%)

●デメリット

・非課税投資枠の上限が年間120万円、非課税投資総額は最大600万円(年間120万円×5年)まで ・NISA口座内での損失とそれ以外の口座の利益の「損益通算」ができない

ネット証券(NISA)/取引手数料(国内株売買)※税抜 ~10万円/~30万円/~50万円/~100万円
SBI証券/一律恒久無料
松井証券/一律恒久無料
マネックス証券/一律恒久無料
楽天証券/一律恒久無料
カブドットコム証券/無料(※売却時90円)/無料(※同250円)/無料(※同250円)/無料(※同990円)
SMBC日興証券/135円/270円/432円/864円
ライブスター証券/80円/180円/180円/340円
(※2017年11月18日時点、画像の表も参照)

SBI証券や松井証券など、5大証券は国内株売買の取引数料が無料(カブドットコムは売却時のみ手数料が必要)だが、残りの証券会社2社は取引手数料が必要となる。証券会社によっては手数料の割引キャンペーンなどもおこなっているので、それぞれチェックが必要だ。

■「NISA」と「つみたてNISA」の違い

NISAの認知度は比較的高いようだが、2018年1月からスタートする「つみたてNISA」の認知度は、NISAほど高くないのが現状のようだ。

つみたてNISAは、NISAと同じく分配金や譲渡益が一定期間非課税となる制度だが、その期間や非課税投資枠などが大きく異なる。NISAは5年と短期間なのに対し、つみたてNISAは最長20年間非課税となる。非課税投資枠は「年間40万円」と、NISAよりも80万円低い設定となっている。また、NISA口座は1口座しか開設できないので、NISA口座内で「つみたてNISA」かNISAを1年単位で変更可能となる。

2017年9月10日に、金融庁が作成した資料『導入直前! 「つみたてNISA」の制度説明 』に、投資未経験者向けアンケート調査の回答が掲載されている。そちらによると「投資は必要だと思うが、投資を行わない理由」として「まとまった資金がないから」という回答が73%、「どのように有価証券を購入したら 良いのか分からないから」が37%、「 取引を行う時間的ゆとりがない」30%とあった。

つみたてNISAは、この回答に光を見出す「金融商品」と言えるのではないだろうか。それは、つみたてNISAは、まとまった金額がいらず、投資のタイミングや「投資先があり過ぎて絞れない」という悩むことの少ない「分散投資に適した積立商品」だからだ。

つみたてNISAでは、年間の非課税投資枠40万円の範囲内で「一定額ずつ定期的」に買付けすることが前提となっている。たとえば、毎月の買付け の場合は、上限が3万3333円(1回の買付金額)となり、年2回のボーナス月のみの場合は上限が20万円(1回の買付金額)といった具合だ。非課税投資枠では少ないという方は、特定口座や一般口座などの課税口座で買付けを行うことも可能だ。

つみたてNISAで採用される予定の投資信託は、低コスト、分配金が頻繁に支払われないなど、国の定めた基準をクリアしたものが対象商品となる。20年という長い期間を考慮した積立・分散投資に適した商品が揃うのだろう。

このようにつみたてNISAは、安定的な資産形成を目的としているので比較的少額から始められる上、いつでも引き出し可能なためライフプランが立てやすい制度といえる。

さてこの「つみたてNISA」は、どのようにすれば始められるのか。少し細かいので、こちらに記しておこう。NISA口座を持っていない方は、金融機関に「つみたてNISAの口座開設届出書」「マイナンバー」を提出すれば手続きは完了する。

だがNISA口座を持っている場合で、今までと同じ金融機関でつみたてNISAをスタートさせる方は、マイナンバーの届出が終わっているか否かによって変わってくる。2017年9月30日までにマイナンバー届出をしている場合は、「つみたてNISAへの変更届書」だけの提出で済む。だが期日までに届けていない場合は、「つみたてNISAへの変更届書」と「マイナンバー」が必要となる。

NISA口座のある金融機関とは別の口座でつみたてNISAをスタートさせる場合は「勘定廃止の証明書」「つみたてNISAの口座開設届出書」「マイナンバー」が必要となる。これらの書類を新しい金融機関への提出が必要だ。その他にも金融機関によって違う可能性があるので、事前に調べておいた方が賢明だろう。

ちなみにNISAですでに金融商品を保有している場合、その商品を売らなくてはいけないと思いがちだが必要ない。商品は最長5年間売却せずに保有していても非課税のままだ。もちろん売却益もタダである。

住宅購入用の頭金が欲しい、セカンドライフの準備金を貯めておきたいなど、将来を見据えて少しずつ投資していけるつみたてNISAは、投資初心者にも嬉しい制度と言えるだろう。

■NISAの落とし穴

NISAは比較的、投資初心者でも手を出しやすい。だが、せっかく非課税のNISAを選んだというのに課税されてしまうこともあることは、ご存じだろうか。

NISA口座で投資をして得た分配金などを受け取る際「株式数比例配分方式」を選択しないと、非課税扱いとならないのだ。「株式数比例配分方式」とは、証券会社の取引口座で配当金などを受け取る方式のことだ。違う方法を選んでしまうと、課税対象となってしまう。

NISAも投資全般にも言えることだが、知っているか否かで損得の在り方ががらりと変わる。それがいい結果となるように、そして家族や自分の為の資産もすばらしい結果となるように。少しずつ将来のために、今できることをしていく1つの選択肢として、2018年1月スタートの「つみたてNISA」も、アリなのかもしれない。(ZUU online編集部)

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