「植木等とのぼせもん」第2回 青島幸男も登場! 松崎青年、植木等に心を開く

「植木等とのぼせもん」第2回 青島幸男も登場! 松崎青年、植木等に心を開く

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  • 更新日:2017/09/16

クレージーキャッツの植木等と、その付き人・松崎雅臣(のちの小松政夫)の師弟関係を描くNHK総合の土曜ドラマ「植木等とのぼせもん」(夜8時15分~)。先週9月9日に放送された第2回も、小松政夫当人による淀川長治のモノマネで軽快に始まった。しかし、今回はちょっとしんみりする場面も。ここで少し振り返ってみよう。

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第2回はこんな話……松崎の他人行儀な空気が消える

1964年春、植木等(山本耕史)は、病気から復帰、ふたたび多忙をきわめることになる。主演映画「日本一のホラ吹き男」がクランクインし、クレージーキャッツがレギュラー出演していたテレビ番組「シャボン玉ホリデー」にも復帰をはたす。植木の付き人兼運転手となった松崎雅臣(志尊淳)は、各現場に付き従いながら、修業を続ける日々。しかし、植木には松崎がなかなか心を開いてくれないと感じていた。

そんなころ、博多から松崎の母親・ハツエ(富田靖子)が「植木先生にごあいさつしたい」と上京して来るが、松崎はそれを鬱陶しがり「先生は忙しくて会う暇なんてない」と追い帰してしまう。そのことがひょんなことから植木にバレて、松崎は説教を食らうことになる。

このとき植木は、父・徹誠が戦時中に戦争反対を訴えて何度も投獄されたという話から、当時の母親の気持ちについて語って聞かせた。これに松崎はすっかり心を打たれ、涙を流しながら反省する。それまで松崎にあった他人行儀な空気が消え、植木とのあいだに実の親子のような絆が生まれた瞬間だ。このあと、植木は博多のハツエに電話し、あらためてあいさつをした。

そもそも、松崎がハツエを追い帰したことは、植木の妻・登美子(優香)が彼の通いつけの理髪店へあいさつに訪れた際に発覚した(ハツエの持参した博多みやげを、なぜか理髪店の看板娘・みよ子が持っていたため)。第2回の冒頭では、夫が初めて弟子をとったとあって、登美子も張り切る場面があったが、この一件を通じて、彼女もまた松崎にとって“東京の母”になれたといえる。

今回、またしてもいい味を出していたのが植木の父・徹誠(伊東四朗)だ。徹誠は、ちょうど例の説教の途中、植木の家にやって来たものの、息子が自分の話をしていただけに決まりが悪くて、なかなか部屋に入れない。やっと入って来て、「まあ、こんな顔で入ってきちゃいましたけどモ~ッ」と、息子の出ている番組のギャグ(後述)で照れ隠しするのが、何ともお茶目であった。

第2回のポイントその1……青島幸男が出てきた!

ドラマの開始前の記事で私は、NHKの予告した配役のなかに青島幸男が出てこないと書いたが、何と、第2回の「シャボン玉ホリデー」の収録シーンに登場。それも同番組のディレクター・秋元近史と一緒であった。演じていたのは、青島役が安井順平、秋元役が岡田浩暉。

秋元近史は、青島幸男らと並び、クレージーキャッツのブレーンのひとりである。小松政夫『のぼせもんやけん2』(竹書房)によれば、秋元が番組に注ぐ情熱にはただならぬものがあった。作家たちに書かせて自分で厳選したコントの台本を、ハナ肇(クレージーのリーダー。山内圭哉)から「面白くないね、これ」と言われようものなら、台本を床に叩きつけて怒ったという。ドラマでもその様子が再現されていた。

ドラマでは、つくり物の牛では面白くないと言うハナに、秋元が「だったら、本物の牛だったら、どうなんだ」と言い返していた。それに対し犬塚弘(深水元基)が「でも、『モ~ッ』って鳴かせなきゃ、最後まで落ちないぜ」と文句をつけ、さらに青島幸男が、「谷啓が牛に『鳴いてみろ』とけしかけて鳴かせる。そして鳴いたら、谷はハラホロヒレハレと言って逃げ出す」と新たなアイデアを出す。これを受けて、秋元は「牛が鳴かなかったら、逆に谷が『モ~ッ』と鳴いて、牛が逃げ出せばいい」とまとめてみせた。

このやりとりは、青島幸男『わかっちゃいるけど… シャボン玉のころ』(文春文庫)にある記述を踏まえたものだろう。クレージーキャッツの面々と青島らスタッフが侃侃諤諤、意見をぶつけ合いながらコントをつくりあげていたことがよくわかるシーンであった。

なお、「シャボン玉ホリデー」では毎回冒頭のコントで、牛の「モ~ッ」という鳴き声を使うのがお約束となっていた。これというのもスポンサーが牛乳石鹸だったため(番組名もこれに由来)。青島によれば、毎回、どういうふうに「モ~ッ」を出すかが、知恵のしぼりどころであったらしい。

第2回のポイントその2……富田靖子と明太子

松崎の母・ハツエを演じた富田靖子は、福岡出身だけに博多弁がナチュラルだった。ちなみに、ハツエが持参した博多みやげは明太子だったが、これは1975年に新幹線が博多まで開通したのを機に全国に広まったというから、60年代の東京ではまだ珍しかっただろう。

明太子は、韓国・釜山の「メンタイ」という食べ物をもとに、終戦直後、博多のふくやという店が考案したのが始まりとされる。数年前、このふくやの創業者夫婦をモデルにしたドラマが福岡のテレビ西日本で放送され、妻を富田靖子が演じたのを思い出す(夫役は博多華丸だった)。「めんたいぴりり」と題するこのドラマには小松政夫も出演、釜山で露天商を営む博多出身の李という老人を演じていた。

谷啓はなぜ、クレージーをやめると言い出した?

松崎がようやく植木のことを「親父」と心から呼ぶようになった第2回。そのラストでは、谷啓(浜野謙太)が「クレージーキャッツをやめる」と言い出したところで「つづく」となった。「ガチョーン」などのギャグで人気者となった谷啓だが、さて、一体なにがあったのか? 予想するに、おそらく東京オリンピックがからんでいると思うのだが……正解は、今夜放送の第3回で!

最後にもうひとつ余談ながら、第2回の植木が説教する場面で流れていたのは、ザ・ピーナッツ(クレージーキャッツとは「シャボン玉ホリデー」で共演)の名曲「ウナ・セラ・ディ東京」をピアノでアレンジしたものだった。その前の、ハツエが松崎のアパートを訪ねる場面では、同じくピーナッツの「ふりむかないで」のピアノアレンジがBGMに使われていた。このように「植木等とのぼせもん」は、音楽もかなり凝っているので、今後も注意してみたい。

ではまた来週、レビューでお会いしましょう。さよなら、さよなら、さよなら。
(近藤正高)

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