退職後に多くの人が加入する「市町村国保」はどれも同じと思ったら大間違い!

退職後に多くの人が加入する「市町村国保」はどれも同じと思ったら大間違い!

  • @DIME
  • 更新日:2017/11/15

■中高年のための健康辞典(3)

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■退職後はより一層の健康努力が求められる

勤めていた時の公的医療保険が組合健保や協会けんぽでも、退職するとごく一部の例外を除き市町村国保に変わる。市町村国保は保険者が市区町村なので、組合健保などのように一定の強制力をもって健診(健康)を促さないことはこれまでに説明してきた。

参考URL
中高年のための健康辞典(1)
中高年のための健康辞典(2)

なので退職したら、今まで以上に自身の健康に対する意識を強く持つようにしたい。中高年には生活習慣病という大きな問題があるからだ。原因となるのは、煙草やお酒、偏った食事、運動不足など、「わかっちゃいるけど、やめられない」ものばかりなので尚更だ。対抗するには本人の強い意志(自制心)が必要だ。

周囲の後押しも大きく影響する。「一定の強制力」もそのひとつだが、市町村国保ではそれがなく、自ら積極的に動かないと生活習慣病の改善は難しい。

■市町村国保にも個性がある

不安ばかり煽っていても仕方ないので現実的な話をしよう。

実を言うと、これまで市町村国保をひとくくりにして話をしてきたが、市区町村の数だけ保険者がある。*厚生労働省の資料によると2015年3月末で1738。

これらは国の制度により方針は決まっているものの、「対象者の健康を守る方法」は千差万別。人口、年齢層、産業、役所内の人材、予算などたくさんの要素が複雑に絡む。ターゲットとする年齢層、疾病も異なる。市町村国保という名前は同じでも、それぞれに個性があるわけだ。

当然、その成果も大きな差がある。一例として、次から紹介する健診受診率関連の資料で比較してほしい。

■人口による受診率の差

健診はとくに保険者(各市区町村)ごとに勧奨方法や自己負担金が異なり、受診率に大きな差が出る。そして以下の表では大きな都市ほど受診率は低く、小さな町は高い傾向が読み取れるはずだ。*2015年度厚生労働省資料より抜粋

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健診対象者=40~74歳の市町村国保加入者

大=健診対象者が10万人以上。政令指定都市などの大都市のこと

中=同対象者が5000~10万人未満。中小都市のこと。

小=同対象者が5000人未満。町や村など

■高齢になるほど受診率が高くなる

次に、健診対象者の年齢別に受診率を比較した表を用意した。*2014年度国民健康保険中央会報告書より抜粋

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読み取れるのは、高齢になるほど受診率が高くなること。全ての年齢層で、男性より女性の受診率が高いことだ。

理由は若い世代ほど働くことを優先し、自身の健康に不安を持つことが少ないから。高齢者は退職して時間ができたこと。生活習慣病などの積み重ねでより一層の管理が必要になったことなどがあげられる。

女性の受診率の高さは、誘い合って行く社交性の高さなどが考えられる。

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■都道府県別の受診率にも大きな差がある

一方、こちらは都道府県の健診受診率のランキングを上位、下位とも5つ分を表したものだ。*2014年度国民健康保険中央会報告書より抜粋

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トップの宮城県と最下位の広島県では22ポイントもの差があり、ダブルスコアに近い。東北地方の2県が上位、中国地方の2県が下位。東京が3位なのに神奈川が45位という結果も興味深いはず。今回は触れていないものの、同じ県内でも市区町村ごとに差があることも覚えておきたいポイントだ。

■データに差ができる理由は?

このように、健診受診率の差を分析するだけでも、人口や年齢層、地域性など複雑な要因が見えてくる。また、市町村国保全体としては「一定の強制力」を促さないと紹介したが、中にはそれに近い「強い熱意」と「足」を使った勧奨を続け、結果に結びつけている市区町村もある。

なお、市町村国保の保険料も同様に違いがあることも退職者にとって重要な問題だ。

次はさらに詳しく市町村国保の仕組みと問題点、データになぜ差が現れるのかにも触れます。

文・写真/西内義雄
医療・保健ジャーナリスト。専門は病気の予防などの保健分野。東京大学医療政策人材養成講座/東京大学公共政策大学院医療政策・教育ユニット、医療政策実践コミュニティ修了生。高知県観光特使。飛行機マニアでもある。JGC&SFC会員。

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