メッシには従うが、カバーニは認めん。パリの新王様・ネイマールの野望

メッシには従うが、カバーニは認めん。パリの新王様・ネイマールの野望

  • Sportiva
  • 更新日:2017/10/12

9月17日に行なわれたリーグアン第6節リヨン戦で、パリ・サンジェルマン(PSG)のネイマールとエディソン・カバーニが、どちらがPKを蹴るかを巡って言い争いになったことは、たちまちニュースとして世界中に知れ渡った。

伏線があった。問題のPKのシーンの25分前、ネイマールが相手ゴール前で倒されて絶好の位置でFKを得た際、カバーニがボールを手にして蹴ろうとすると、ネイマールの親友である右SBダニエウ・アウベスが強引にボールを奪い取り、ネイマールに渡して蹴らせたのである。ネイマールは素晴らしいキックを放ったが、GKの好守に阻まれた。カバーニはFKを”横取り”されたこともあり、PKは頑として譲らなかったのだろう。

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バルセロナ時代とうって変わり、PSGで王様のように振るまうネイマール

試合後、「ロッカールームでネイマールとカバーニが言い争い、つかみ合いの喧嘩になりそうなところをCBチアゴ・シウバが仲裁に入った」「ネイマールがカバーニの売却をクラブ会長に願い出た」といった報道も出て、この件はさらに大きな話題となった。しかし、21日には「この騒動に関し、ネイマールがチームメイトに謝罪した」という情報が流れ、26日にウナイ・エメリ監督が「PKのキッカーは私が決めた」と語ったことで、事態は沈静化した。

翌27日、PSGはチャンピオンズリーグ(CL)グループリーグでバイエルン・ミュンヘンと対戦。騒動後、ネイマールとカバーニが一緒にプレーする最初の試合で、2人の関係はどうなのか、PKがあれば誰が蹴るのかも注目を集めた。

2分、ネイマールのドリブル突破からダニエウ・アウベスがシュートを決めてPSGが先制する。大喜びするブラジル軍団に対し、カバーニは控えめに喜びの輪に加わった。

2人の亀裂が明白になったのは、31分にPSGが追加点を挙げたときだった。キリアン・ムバッペが右サイドを突破してクロスを入れると、カバーニがゴールに蹴り込んだ。このとき、ネイマールはカバーニのすぐ近くにいたにもかかわらず、あえて遠くのムバッペに駆け寄って抱きついたからだ。

そして30日に行なわれたリーグアン第8節のボルドー戦(ホーム)では、ゴールに近い位置のFKを2人が1度ずつ担い、PKはネイマールが蹴って決めた。

一連のプレーを見て感じられたのは、どうやらエメリ監督がPKキッカーにネイマールを選んだらしいこと、FKについては誰が蹴るかは選手たちに任せているらしいことだ。

今後のネイマールとカバーニの関係に関しては、いくつかの仮説が考えられる。ネイマールは相変わらずPKを蹴ることにこだわっており、ひいてはチームの王様になりたいと思っているようだ。このため、必要とあれば他のブラジル選手や自分の”子分”となりつつあるムバッペらと組んでカバーニ外しに動くかもしれない。

また、クラブは「ネイマールか、カバーニか」の二者択一を迫られた場合、ネイマールを選ぶ公算が大きい。PSGは2013年7月に違約金6400万ユーロ(約85億円)を払ってカバーニを獲得したが、ネイマール獲得にはその約3.5倍の2億2200万ユーロ(約295億円)を費やした。そして、このような状況を理解したカバーニが、不本意ながらPKキッカーをネイマールに譲ることに同意した可能性は十分にある。

とはいえ、バルセロナ在籍中の4年間、リオネル・メッシに従順に仕えて何の問題もなかったネイマールが、なぜ移籍早々、カバーニといきなりこんな騒動を起こしたのか。

ネイマールは、ブラジルのどこにでもいる陽気で茶目っ気のある若者だが、プライドは非常に高い。バルセロナは子供の頃からの憧れのクラブで、「是が非でも入りたい」と思っていた。また、入団当時、メッシははるかに格上の選手であり、しかもクラブの生え抜き。彼と共存しなければクラブに居場所がないことを理解していた。メッシが王様であることを認め、彼のためにプレーするしか選択肢がなかった。

しかし同時に、「この状況に甘んじている限り、世界最高の選手にはなれない」とも考えていたに違いない。PSGから「君を中心にしたチームを作る」と口説かれると、金銭面のメリットも考慮して移籍した。カバーニも非常に優れた選手だが、ネイマールに「自分より格上の選手」という認識はない。王様になるつもりでパリへ来たら、顔の長いウルグアイ人がFKもPKも全部蹴ろうとする。「話が違う」と思ったはずだ。

PSGは現在、リーグアンでもCLでも快進撃を続けている。その原動力は、ネイマール、カバーニ、ムバッペの3トップによる破壊的な攻撃力だ。だが、これから試合を重ねるうち、「PSGの玉座(ぎょくざ)を巡る争い」の行方も次第に明らかになるだろう。

ネイマールは、「自分が中心となってPSGを欧州(ひいては世界)の頂点に導き、来年のW杯ではブラジル代表を率いて優勝し、名実ともに世界一の選手になる」という野望を抱いている。そのための第一歩がPSGの王様になることなのだから、譲れるはずがないのだ。

この”縛り”がネイマールの成長をさらに加速させるのか。あるいはカバーニの”反撃”があるのか。世界サッカー界に新たな”見どころ”が加わった。

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