週休二日制の生みの親 松下幸之助の「教養」哲学

週休二日制の生みの親 松下幸之助の「教養」哲学

  • Forbes JAPAN
  • 更新日:2018/01/13
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「週休二日制」になったのはいつ頃だったでしょうか。私は子どもの頃、家族で遊びに行ったのはいつも日曜日だった記憶がかすかにあるくらい。でも週休二日制って、特に法令で制定されたものでない、というのはご存知ですか?

労働基準法が制定されたのは1947年。その第35条には「使用者は、労働者に対して、毎週少くとも一回の休日を与えなければならない」と書かれたままです。では一体、誰が私たちの休日を週二日にしてくれたのでしょうか。

その人とは、松下幸之助でした。週休二日制は、1965年に松下幸之助の号令のもと、松下電器産業(現パナソニック)が始めたそうで、他の企業が導入しはじめたのはそれから15年も後の1980年ごろなのだそうです。官公庁に導入されたのはさらに12年遅れの1992年、そして公立小中学校及び高等学校の多くでは、2002年に毎週土日が休みになりました。

松下電器が週休二日制を導入した1965年は今から50年以上も前……。それは、いざなぎ景気が始まり、車・カラーテレビ・クーラーの3Cを国民が買い求め、プロレス中継の視聴率が51.2%だったとか。日本一の家電メーカーである松下電器の売り上げは右肩上がり。作れば作るだけモノが売れた時代です。

当時の日本企業はすべて、日曜日だけが休みの週休1日制。休みが1日増えるというのに、「いままで6日でやっていたことを5日にすることはできない」と、松下電器の労働組合からは、大きな反対があったそうです。

松下幸之助は、何を言ってそれを押し切ったのか。それは「1日休養、1日教養」という指針でした。「週休二日制は単に休みを2日にするものではない」、というのがポイント。ちょっとドキッとした人、いますよね。私もその一人です。松下幸之助は50年以上も前に、社員の自主的な学びと成長を重んじ、社会の常識を覆す「働き方改革」を断行したのです。

実はこの「週休二日の話」は、先日、経済産業省の方に教えてもらった話です。その松下幸之助が言った「1日休養、1日教養」という週休二日の概念は、今年9月に世耕弘成経済産業大臣が開いた大臣懇親会で話し合われた、「リカレント教育」に通じているというのです。

「リカレント教育」という言葉は、最近ニュースやコラムなどで見かけることも増えました。これは、スウェーデンの経済学者であるゴスタ・レーンさんが初めに提唱し、1970年代にOECD(経済協力開発機構)で取り上げられました。生涯学習構想、とも言われます。

「教育」は中学、高校、大学に進んで「終了」ではない。社会に出てさまざまな経験を積んでから、必要に応じて教育機関に戻り、学び直しや、その時その時の新しいことを学ぶことができる、社会のシステムを作ろうという動きですね。

かくいう私も、実際に社会に出てみて、「学んでみたい」、「学び直したい」と思う場面がよくあり、個人的に勉強しています。今、学び直しているのは、労働法、資本論や貨幣経済です。今、私が代表理事を務める一般社団法人「at Will Work」と、私がマーケティング担当をしている「お金のデザイン」、両方の仕事で次々と課題が出てくるので、どんどん学ぶことが出てきます。

以前、グーグルに勤めていた時は「マーケティング」を学びに、グロービス・ビジネススクールの講座に通ったこともあります。英語も、仕事で課題にぶつかって学び直しました。仕事をすればするほど、学びたい欲求が出てくる……「だったら学生時代にやっておけば良いじゃないか」とも思うのですが、振り返るとこんなキャリアになるなんて想像もしていなかったので、悔やんでも仕方ない、と思っています。

at Will Workのアドバイザーになっていただいている東京大学大学院経済学研究科の柳川範之教授は、「40歳定年制」の発案者です。この言葉だけみるととても衝撃的なのですが、ぜひ著書『日本成長戦略 40歳定年制 経済と雇用の心配がなくなる日』を読んでいただければと思います。100年生きる時代、約半分の40歳で社会の変化に合わせて自身のキャリアを見直し、そして必要であれば学び直す。そして次の第二章に向かうことが、社会や企業、何より自身にとってプラスになるのでは」ということが書かれています。

偉大なる松下幸之助が週休二日制とともに遺した「1日休養、1日教養」の精神。ありがたいですね。今週末は何か、学んでみたいことを考えてみるのはいかがでしょうか。

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