
中国東北部進出の日系企業、投資拡大で新たな商機探る
15日、大連松井味噌のウイスキー仕込み用の樽。(瀋陽=新華社記者/崔師豪)
【新華社瀋陽11月21日】日本の味噌・調味料メーカー松井味噌(兵庫県明石市)の中国法人で、遼寧省大連市に拠点を置く大連松井味噌の松井健一最高経営責任者(CEO)がこのほど取材に応じ、中国市場における日本の調味料の将来性を有望視していると話した。同社は約1億元(1元=約21円)を投じてウイスキーの生産ラインを建設する計画を立てており、中国事業の拡大に前向きだ。

中国東北部進出の日系企業、投資拡大で新たな商機探る
15日、味噌を計量する大連松井味噌の従業員。(瀋陽=新華社記者/崔師豪)
同社は1990年代に中国に進出し、30年以上事業を展開してきた。売上高は約100倍に伸び、工場の敷地面積も3千平方メートル余りから3万3千平方メートルに拡大した。松井氏は「中国市場には大きな潜在力があり、毎年1千万人近い本科生が卒業するが、この若年層は新しいことに挑戦する意欲が非常に高い。彼らの潜在的な消費意欲の高さも、当社がウイスキー事業へ投資することを強く後押しした。中国の若者は、酒は酔うために飲むというより味わうために飲む。ウイスキーの原産地、原料、風味の特徴をよく知っている」と述べた。

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15日、製造現場で働く大連松井味噌の松井健一CEO。(瀋陽=新華社記者/崔師豪)
大連市商務局によると、同市は中日間の交流・協力が最も盛んな都市の一つで、これまでに累計で5千社以上の日系企業が進出し、実効ベースの投資額は190億ドル(1ドル=約150円)に上っている。

中国東北部進出の日系企業、投資拡大で新たな商機探る
17日、北京大学での講演で自社を紹介する松井健一氏。(瀋陽=新華社配信)
同市に隣接する丹東市では、新潟県に本社を置く金型メーカー滝田の中国法人、丹東滝田模具製造が同じく30年近く事業を営んでいる。大塚朗営業顧問によると、主力事業は金属設計(プレス・成形)・製作、金属プレス加工で、自動車エンジン、ターボチャージャー、プリンター、空調機器などの金属製構造部材を手がける。他の分野での事業展開にも着手し、得意とする部品製造技術を生かして、レタスやホウレンソウの無農薬栽培装置を開発している。

中国東北部進出の日系企業、投資拡大で新たな商機探る
17日、北京大学での講演で自社を紹介する松井健一氏。(瀋陽=新華社配信)
両氏とも、中国の地方政府は一貫して日系企業に良好なビジネス環境を提供してきたと評価する。松井氏は「政府の支援に加え、高速鉄道や高速道路などのインフラが非常に便利で、食糧や野菜などの原材料の品質も優れており、食品加工会社が事業展開する上で非常に有利な環境となっている。将来的に経営の重心を中国市場に置くことになるだろう」と語った。(記者/崔師豪、張博群、白湧泉)

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大連松井味噌が製造した味噌。(資料写真、瀋陽=新華社配信)

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工場で酒の蒸留実験設備を見せる松井健一氏。(資料写真、瀋陽=新華社配信)

中国東北部進出の日系企業、投資拡大で新たな商機探る
15日、大連松井味噌の工場。(瀋陽=新華社記者/崔師豪)