
FBS福岡放送
福岡県内では9月19日、各地で30℃を超える真夏日となりました。この厳しい残暑で、秋冬商戦に異変が起きています。さらに、あの“天敵”の活動が活発になっています。
19日正午過ぎの福岡市・天神では、日傘を差す人や、携帯扇風機を使う人が見られました。福岡県内では19日、最高気温が福岡市で31℃、行橋市で32.5℃など各地で真夏日となりました。
■10代
「暑いの長い。ことし長い。」
■70代
「(Q. 暑さどうですか?)こたえますね。日中は水分補給が絶対必要。(去年の今頃は)もっと涼しかったと思います。」
19日に福岡市東区のアパートに向かっていたのは、家電販売店のスタッフです。エアコンの取り付け作業が行われていました。
■エアコンの交換を依頼した住人
「(Q. なぜエアコンを取り付けた?)8月にエアコンが壊れて、9月になっても涼しくならないのでお願いしました。」
これまでは、別の部屋にあるエアコンの冷気を扇風機でほかの部屋に送り、暑さをしのいでいたと言います。
■エアコンの交換を依頼した住人
「やっと快適になります。」
家電販売店も、“異変”を感じています。
■阿部まみキャスター
「店内の入り口入ってすぐのところに扇風機が置いてありますね。さらにその奥には、エアコンがずらりと並んでいます。」
■カノデンキ・松岡義展さん
「去年が記録的なエアコンの販売だったが、ことしはさらにそれを上回る販売状況。異常ですね。」
例年この時期は、エアコンの取り扱いはほとんどないそうですが、ことしは長引く暑さの影響で、去年より10%も販売台数が伸びているといいます。
長引く残暑で、大型雑貨店の売り場にも影響がありました。
■阿部キャスター
「まだクールグッズ売っているんですね。」
■ハンズ・守田維さん
「この時期にしては珍しいですが、まだ出しています。」
売り場には、冷感スプレーや首元を冷やすクールリングなど、30アイテムが並んでいました。そのすぐ隣には、冬用の厚手の靴下売り場もありました。
■守田さん
「変な売り場にはなっていますけど、(寒暖グッズ)両方とも売れています。うちも初めてこんな形の売り場になっているので、少し気象の変化を感じています。」
朝晩の涼しさと日中の暑さで感じる寒暖差で注意が必要なのが、“夏バテ”ならぬ“秋バテ”です。
■井上さとし内科・井上聡 院長
「高温多湿の時期が長くなっているので、単純に熱中症の患者がこの時期までいることと、もう一つは、早朝や夜は涼しくなるので一日の寒暖差が大きく、真夏と同じ感じでエアコンをつけすぎると夜や朝冷えてしまって、不調を訴える。」
医院では、外出の際には温度調節しやすいように薄手の上着を持って行くことや、日中の水分補給のほか、朝昼晩きちんと3食取り塩分も補給することを勧めています。
さらに、これからの時期、“天敵”とも言える蚊の活動が活発になるんです。
■サニックス 研究開発部 医学博士・荻野和正さん
「気温が高い時期はあまり蚊の成虫が発生しないが、気温が下がるにしたがって水たまりも残りやすくなるので、そのまま幼虫が生き延びて成虫になり、蚊が増えてしまう。」
温度差のある場所で蚊の活動を観察した実験の映像です。左側の箱は約24℃、右側の箱は猛暑日に相当する約35℃に設定されています。
■実験者
「30秒経過しました。暑いほうの左腕、ゼロです。涼しいほうの右腕、2匹ですね。」
約5分の実験の結果、24℃の箱では3か所刺されましたが、35℃の箱では1か所も刺されませんでした。
専門家によりますと、蚊が活発に活動する気温は22℃~27℃だということで、まさに、これからの季節なんです。
■荻野さん
「この気温がこのまま続くと9月末から10月初めにピークが来るころだと思います。」
気象台によりますと、9月末までは晴れる日を中心に残暑が続く見込みです。