小島慶子「皇族も一人の人間 問うべきは人ではなく制度」

小島慶子「皇族も一人の人間 問うべきは人ではなく制度」

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  • 更新日:2021/10/14
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エッセイスト 小島慶子

タレントでエッセイストの小島慶子さんが「AERA」で連載する「幸複のススメ!」をお届けします。多くの原稿を抱え、夫と息子たちが住むオーストラリアと、仕事のある日本とを往復する小島さん。日々の暮らしの中から生まれる思いを綴ります。

【写真】婚姻届を提出する見通しの眞子さま*  *  *

私はかねて「誰であろうと、結婚する自由もしない自由も、離婚する自由もある。幸せになる自由も、失敗する自由もある」と考えています。それが皇族であっても。他人が“いい結婚”かどうかをわあわあ言うのは、余計なお世話です。税金で養ってやっているのだから口を出す権利があると言うなら、人様が納めた税金のお世話になっていない人はいません。だったら他人に「お前が歩いている道路には私の税金が使われているのだから、かしこまって歩け」「お前の子どもが通っている学校には私の税金が使われているのだから、子どもの進路に口を出させろ」と言われても仕方ないと思いますか。公務員には「税金で養ってやっているのだから、私の気にいるように生きろ」と言うのですか。皇族は税金で養われている特権階級だから、納税者は何を言ってもいいというのは間違った権利意識です。皇族も一人の人間。皇族に生まれることは選べなかった上に、基本的人権が制限されています。皇族という存在の歪(いびつ)さを問うなら、皇室制度について問題提起するべきで、特定の皇族を誹謗中傷するのはいじめに他なりません。ネットの誹謗中傷(ひぼうちゅうしょう)は、これまで何人もの人を病や死に追いやってきました。メディアの報道も度を越しています。国をあげてのいじめのような有り様は見るに堪えません。女性皇族は国民の娘でも、妻でも、ヨメでもないし、女性皇族の結婚相手は、国民の夫やムコではない。「そんな相手との結婚なら一時金は受け取るべきでない」と言うのも筋違いです。一時金は制度で決まっているもので、国民からのご祝儀ではありません。「女性皇族の人生を心配しているのだ」と言うなら、その人が人間らしく生きられるように支えてあげればいい。「あなたのために」「イエのために」というお為ごかしの暴力が娯楽になっている現状に怒りを覚えます。

小島慶子(こじま・けいこ)/エッセイスト。1972年生まれ。東京大学大学院情報学環客員研究員。近著に『幸せな結婚』(新潮社)。『仕事と子育てが大変すぎてリアルに泣いているママたちへ!』(日経BP社)が発売中

※AERA 2021年10月18日号

小島慶子

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