初舞台でまさかの失神。32歳・植田圭輔の“プロ意識が芽生えた瞬間”

初舞台でまさかの失神。32歳・植田圭輔の“プロ意識が芽生えた瞬間”

  • bizSPA!フレッシュ
  • 更新日:2021/09/15

金と欲望が渦巻く新宿・歌舞伎町を舞台に、裏社会トラブルを解決する“解決屋”の姿を描く痛快作「クロガラス」シリーズ。

俳優の植田圭輔さん(32歳・@uechan_0905)が、シリーズの最新作『クロガラス3』と、前日譚にあたる『クロガラス0』(9月17日よりシネマート新宿ほか全国で順次上映)に出演しました。

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植田圭輔さん

植田さんはチームのムードメーカー・真郷悠哉役を続投。劇中では新たな一面も披露しています。2006年、第19回ジュノン・スーパーボーイ・コンテストのファイナリストに選ばれ、いわゆる「2.5次元作品」の舞台で活躍。最近ではTVドラマや映画、アニメやゲームなどの声優業にも活動の幅を広げるほか、2018年には歌手として「START LINE~時の轍~」でメジャーデビューも果たしています。

俳優業の原動力をはじめ、同じく仕事で苦悩する同世代へ投げかけたいメッセージまで、語ってもらいました。

プロ意識が芽生えた“舞台での失神”

――俳優としてのデビューは2007年でしたね。きっかけは?

植田圭輔(以下、植田):もう14年くらいになります。きっかけはジュノン・スーパーボーイ・コンテストです。最初の応募は姉による他薦で、送ったけれどその年は途中で落選しました(笑)。

高校では正直、多少はちやほやされていたのですが、書類を送った姉に「キャーキャー言われているわりにはたいしたことないな」と言われ、翌年は自分で応募して今度はファイナルまで残れたんです。そこで今のマネージャーさんに声をかけてもらいました。姉の言葉が悔しかった、見返したかった、これがスタートですね。

――プロとしての意識は、いつ芽生えたのでしょうか?

植田:コンテストの翌年に『オサエロ』という作品で初舞台を踏んだときですね。実はその公演中に舞台上で失神したんですよ。緊張や慣れない環境、いろいろあったと思うのですが、本番の舞台上で倒れてまわりの先輩俳優がカバーしてくれて、気がついたら楽屋でした(笑)。

そのとき、自分にはプロ意識が足りていないと思ったんですよね。本気で芝居をしている人たちに失礼だなと。ひとつの作品を完走することもできなかったことがすごく悔しくて。そこからですかね、役者として芝居を知りたいと本気で思ったのは。

“引き際”を考えた時期も

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©エイベックス・ピクチャーズ

――その後、たくさん場数を踏み、俳優としての転機が舞台『弱虫ペダル』の真波山岳役でしたね。

植田:そうですね。正直、その作品で世の中に認知されなかったら、俳優を辞めようとさえ思っていました。それくらいいい役をいただいたと思いましたし、当時の自分からするとあの作品であの役をやらせていただくことは、だいぶチャレンジだなとも自覚していました。

制作側からのプレッシャーも感じていましたし、そこで結果が出せなければ引き際かなと感じていましたが、ありがたいことに続いた。“ペダル”がなければ今はないですね。

――ブームにもなりましたね。

植田:ちょうどあの頃から2.5次元と言われるようになりましたよね。いいタイミングで、いい役をやらせていただいたと感謝しています。

くじけそうでも「芝居ができていればいいか」

――なぜ、引き際を考えるほど追い込まれていたのでしょうか?

植田:食べていけていなかったのと、人に認めてもらえていない感じがしていました。求められなくなったら俳優は終わりだなと思っているのですが、求められている感じがずっとなかった。もちろん応援してくださっている方はたくさんいたのですが、もっと上に行かなくてはと、つねに思っていましたし、自分にそういうハードルを課していたんです。

――くじけそうなときはどう耐えたのですか?

植田:結局、お芝居をしている時間が一番好きなんだなと思えるようになったんですよね。いろいろな作品に出ているうちに、お金がなくてもしんどくても「芝居ができていればいいか」と、どこかで心の支えになっていたのかもしれないですね。

――歌手活動も始めましたよね。

植田:歌はお芝居とは別物だなと思っているんです。ライブが近いと歌用に喉のコンディションを整えなくてはいけないのですが、役者は歌うときとは違う感じで声を張ることが多いんです。いつでも歌えるような声の状態と、全力で芝居の声を出せる状態、両方できるようにしておかないといけないんです。似ているようで、のどの使い方とかは違うので、そこが大変ですかね。

アンダーグラウンドな作品が好き

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――そして今回『クロガラス』が連続公開となりますが、ご自身にとってはどういう作品でしょうか?

植田:この作品は、主演の崎山つばさと僕でバディを組みますが、僕らは同い年なんです。映像作品で、2人で続けていきたいと本気で言い合えている作品は、なかなかないと思うんですよね。

僕もつばさもこういうアンダーグラウンドな作品が、好きなのかもしれないです。原作がないオリジナルであり、それでいて練り込まれた脚本、人間の汚い部分も隠すことがないとうか、挑戦的な作風でもあるので、これからもシリーズが続いて、僕のライフワークのひとつにしていきたいなと思っています!

――幸せなことですよね。

植田:本当にいい現場で、監督とも素敵なセッションをさせていただいていて、やりがいも感じています。本当に楽しいので、続けていきたいと思っています。

「仕事をしている僕が好き」

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――芸能活動は見返したい想いでスタートしましたが、今は何がモチベーションでしょうか?

植田:忙しくさせてもらっていることですかね。ハードなスケジュールだととても疲れるのですが、でもそんな環境が好きだったりします。僕自身は仕事をしている植田圭輔が一番好きなので、いい意味で仕事を仕事と思わなければ、すごく幸せを感じるタイプですね。

たとえば『クロガラス』をやれば崎山つばさとしばらく一緒にいられるとか。仕事というよりは、誰それに会いたい、誰それと一緒に何かをしたい、そういう感覚ですね。

――結局、関わる人が一番みたいなことはありますよね。

植田:いい作品、いい役者、いいスタッフに出会えば出会うほど、長いことやらせてもらってるので、そういうものがどんどん増えてきている。それで今楽しめているところはありますね。

悩みすぎるよりも一歩踏み出して

――それに「仕事」と感じる時点で、ブルーになったりしますよね。

植田:そうですよね(笑)。なので僕の場合は、つばさにまた会える、楽しみにしていたシーンの撮影が今日ある、と思うようしていて、そういう考えに至るとツラい気持ちがどんどんなくなっていくような気がしています。

――最後に働く20代のみなさんへメッセージをお願いします。

植田:僕はこの仕事以外はわからないのですが、20代、30代は人生の分岐点がいくつもあって、今の仕事でいいのか? とか。続けていきたいけれど続けられない疑問が出てきたり、それぞれいろいろな悩みがあると思います。

僕が一番大事にしていることは、好きならやり通すし、そのときの自分が違うと思うのであれば引くことも勇気だと思う。正解も不正解もなくて、自分の選択が正解と思える瞬間は、結局は自分の行動、その行動の後に訪れるものだと思うので、悩みすぎて何もできないよりは勇気を出して一歩踏み出してみるといいと思います。

無理はよくないけれど、自分と対話することが一番大切なのかなと思いますね。そうすることで自分にとっての仕事やプライベートでのいい結果につながっていくのかなと思います。

<取材・文/トキタタカシ ヘアメイク/車谷結(do:t) スタイリスト/三宅剛>

【トキタタカシ】

映画とディズニーを主に追うライター。「映画生活(現ぴあ映画生活)」初代編集長を経てフリーに

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