元刑事が監修、中高年がやりがちな「スマホ・SNS」のしくじり事例

元刑事が監修、中高年がやりがちな「スマホ・SNS」のしくじり事例

  • 週刊女性PRIME
  • 更新日:2022/05/14
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※画像はイメージです

「スマホを初めて持つ小学生と、スマホを持っていてもSNSを十分に使いこなせていない50代・60代には、“スマホ・SNS初心者”という意味で共通点があります」

【写真】元・刑事の佐々木成三さんが監修! マンガでわかりやすく実例を紹介

元・刑事が話す、SNSでのしくじり

そう話すのは、元・埼玉県警捜査第一課刑事でデジタル犯罪に詳しい佐々木成三さん。

佐々木さんが監修し、このたび出版された小学生向けのスマホやSNSの防犯ガイドを見ると、どうやら気をつけなければならないのは、子どもだけではないようだ。50代・60代がやりがちなスマホやSNSの失敗にはどのようなものがあるのだろうか。

「まず挙げられるのが、SNSに何げなく投稿したことが炎上してしまうケースです。10代、20代に比べて社会経験があるため、ニュースになるほどの誹謗中傷にまで発展するケースは少ないかもしれませんが、気をつけなければいけないのは“ゆがんだ正義”です」(佐々木さん、以下同)

例えば芸能人の不倫や政治問題について持論を展開してしまうケース。正義感を持って注意をしたつもりの言葉が誰かを傷つけたり、その人を守るつもりで自分の考えを主張し、頑固になってトラブルに発展するケースもあるという。

「テレビの前で文句を言っているような感覚のままSNSで発信してしまうと、瞬く間に不特定多数に広まってしまいます。炎上が起こるケースのほとんどは、本人に悪意はまったくなく、何げなく投稿したものです。そのため説明をしようとしてさらに炎上が広がる場合もあります。インターネットの誹謗中傷行為は増える一方です。

それを抑止するため、2022年のうちに法改正され侮辱罪が厳罰化される予定です。また、自分が発信していなくても、再投稿(リツイートなど)しただけで罪に問われることもあるため、注意しましょう」

ウソを見抜けず……大人でもだまされる

一歩間違えると大きな被害につながるのが、情報の取捨選択だという。どう見極めればいいのか。

「当たり前のことですが、まずは情報の出どころを確かめることです。SNSの情報の4割はウソだともいわれています。信頼できる情報源かどうかを常にチェックする習慣をつけることと、自分の“思い込み”や“偏った見方”で判断しないことが大切です」

最近、SNSに自動的に表示される広告を信じて購入し、しくじるケースが増えている。

「広告を見て安いからと購入し、個人情報を盗まれるケースや、購入した商品が送られてこないケースなどがあります。

情報のチェックポイントは、(1)価格が安すぎる(2)クレジットカードでしか購入できない(支払い方法が選べない)(3)会社名を調べても出てこないなどがあります。

SNS広告から偽造されたショッピングサイトに誘導する被害も増えています。買い物をするときは、信頼できるサイトから購入するようにしましょう」

宅配業者を装った不在通知の詐欺

また、注意が必要なのがフィッシングメールだ。フィッシングメールとは、送信者を詐称して偽のメールを送信し、公式サイトに似せた偽サイトに誘導し、クレジットカード番号やID、パスワード、暗証番号などのアカウント情報を盗む行為のこと。

「よくあるのがSMS(ショートメッセージ)を使い、宅配業者を装った不在通知の詐欺です。『お客様宛てにお荷物のお届けにあがりましたが不在でした』などの文面とURLがSMSで送られてきます。アクセスすると、不正なアプリがインストールされる、あるいは偽サイトにつながってIDやパスワードを入力してしまい、キャリア決済などで不正利用されてしまうのです。

また、銀行を装ったSMSを送り、インターネットバンキング利用者を偽の銀行サイトに誘導し、IDやパスワードを盗み、預金の不正送金を行うという手口も増えています。偽サイトは、専門家の私でもまったく見分けがつかないほどよくできているため、アクセスした時点で多くの人がだまされてしまいます」

このような手口に引っかからないためには、SMSでやりとりをしないことが第一。もしSMSが届いても、決して開かないこと。万が一開いてしまっても、個人情報を入力しなければ、被害は防げる可能性もある。

「そもそも宅配業者や銀行には公式サイトや公式アプリがあります。やりとりは必ずそこから行いましょう」

短いメッセージだからこそ注意を

年代を問わずよく見られるのが、SNSによるミスコミュニケーションだ。

「直接顔を合わせて話すのとは違い、SNSでの短い文字のやりとりだけでは、気持ちが伝わりにくいもの。私自身もかつて、SNSのやりとりで、“そっけない”とか“冷たい”と思われたり、言葉の意味を誤解されたりしたことがあります。そうかといってSNSで丁寧な言い回しをして長文になるのも避けたいところ。

言葉の受け取り方は人それぞれなので、送る相手にどう受け取られるかまで考えてメッセージを送りましょう」

若い世代とやりとりする機会も少なくない。プライベートだけでなく、仕事上のやりとりをSNSで行うこともあるだろう。世代間でSNSの認識が違うと、感情面でぎくしゃくすることもある。

「SNSで職場に欠勤の連絡をしたり、重要な仕事上の伝達をしたりするのは、ひと昔前では考えられなかったこと。でもそれをひとくくりに非常識だととらえるのはどうかと思います。

SNSはビジネスメールよりも速く、的確に要件を伝えられるメリットも多い。時代の変化とともに、常識も変わっているのです」

とはいえ、SNSでメッセージを送っても相手からすぐに返事が来るとは限らない。送ったほうは、すぐ返事がほしいと思うかもしれないが、そこはSNSをどこまで使いこなしているか、“SNS慣れ”の違いが出るところだという。

「SNS慣れしていないと、メッセージに気づかなかったり、文字入力に時間がかかり、返信が遅くなったりすることもあります。使いこなしている人は、すぐに返事が来て当たり前だと思っているかもしれませんが、若い人に比べて、使い慣れているかどうかの差が出やすいのが50代・60代の特徴ではないでしょうか」

写真の投稿はSNSの楽しみのひとつだが、勝手に投稿してはいけないものもある。著名人の写真はもちろん、友人や仲間と一緒に撮った写真を無断でアップする際にも注意が必要だ。

「自分が撮影した友人の写真を許可なくアップしてしまうと、肖像権の侵害になる可能性があります。本当に訴える人は少ないかもしれませんが、顔写真をアップすることは個人の特定につながります。

またなかには、自分の行動を知られたくない人もいるでしょう。SNSに写真をアップしてたくさんの見知らぬ人にさらしてしまうと、悪用される可能性もあります。写真を投稿する際には、必ず本人の許可をとりましょう」

最後に佐々木さんに50代・60代へアドバイスをもらった。

「SNSは正しく使ってどんどん楽しんでほしいのですが、一方でサイバー犯罪は増えています。

今、警視庁や住んでいる地域の警察はツイッターでサイバー犯罪の情報を日々発信しています。犯罪の手口を知り、情報をアップデートするためにも、定期的なチェックをおすすめします」

お話しを伺ったのは……佐々木成三さん●元埼玉県警察本部刑事部捜査第一課警部補。デジタル捜査班長も務める。現在はテレビ番組のコメンテーターや学校、企業での講演など幅広い活動を行っている。

(取材・文/樋口由夏)

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