【何観る週末シネマ】世界を動かす富裕層こそが無知...皮肉満載の風刺ホラー『ザ・メニュー』

【何観る週末シネマ】世界を動かす富裕層こそが無知...皮肉満載の風刺ホラー『ザ・メニュー』

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  • 更新日:2022/11/29
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この週末、何を観よう……。今週公開の作品の中から、映画ライターのバフィー吉川が推したい1本をピックアップ。おすすめポイントともにご紹介します。今回ご紹介するのは、11月18日(金)に全国ロードショーされた皮肉満載の風刺ホラー『ザ・メニュー』。気になった方はぜひ劇場へ。

【写真】『クイーンズ・ギャンビット』での演技も話題になったアニャ・テイラー=ジョイが出演

〇ストーリー
太平洋岸の孤島を訪れたカップル(アニャ・テイラー=ジョイ、ニコラス・ホルト)。お目当ては、なかなか予約の取れない有名シェフ(レイフ・ファインズ)が振る舞う、極上のメニューの数々。 「ちょっと感動しちゃって」と、目にも舌にも麗しい、料理の数々に涙するカップルの男性に対し、女性が感じたふとした違和感をきっかけにレストランは徐々に不穏な雰囲気に。 なんと、一つ一つのメニューには想定外の“サプライズ”が添えられていた… 。果たして、レストランには、そして極上のコースメニューにはどんな秘密が隠されているのか?そしてミステリアスな超有名シェフの正体とは?

〇おすすめポイント
セレブや著名人が集まる謎のレストラン。味はもちろん、個性的過ぎる演出で味覚的にも視覚的にも楽しませる。「美味しんぼ」などの日本の漫画などでもお馴染みのグルメエンターテイメントだと思っていたら……大間違い!!

それもそのはずで、プロデューサーとして『マネー・ショート 華麗なる大逆転』(2015)や『ドント・ルック・アップ』(2021)のアダム・マッケイが参加していることからも一筋縄ではいかないことは伝わるはず。

アダム・マッケイといえば、『サタデー・ナイト・ライブ』や社会風刺強めのチャンネル『コメディ・セントラル』で多くの番組を手掛けてきたクレイターでもあり、『アザー・ガイズ 俺たち踊るハイパー刑事!』(2010)のような一見おバカコメディのように見えても、裏のテーマとして描いているのは政治や経済風刺なのだ。さらに監督を務めたマーク・マイロッドという人物も過去に手掛けた『アリ・G』(2002)を観れば、社会風刺色の強いくせものだということがわかる。

日本のお笑いとは違い、政治に直結するものもコメディに変換してきたからこそ、乾いた笑いであぶり出す社会悪はもはやホラーにも映る。

だからこそジョーダン・ピール(『ノープ』『アス』)やアイク・バリンホルツ(『ターキー・パニック』)など、コメディ出身者がホラーやスリラー的なものを制作すると、スプラッターやスーパーナチュラルのようなジャンルホラーではなく、身近にあっても不思議ではない、絶妙なラインの恐怖に仕上げてくるのも特徴的。フィクションよりも現実の方が恐ろしいということなのだろう……。

ネタバレ厳禁な作品だけに詳細は語れないが、富裕層や意識高い系こそ、何も知らず無知だという皮肉が全編に詰まったアダム・マッケイとマイク・マイロッド節全開の作品だ。

〇作品情報
監督:マーク・マイロッド
出演:レイフ・ファインズ、アニャ・テイラー=ジョイ、ニコラス・ホルト、ホン・チャウ、ジャネット・マクティア、ジョン・レグイザモほか
11月18日(金)全国ロードショー※日米同時公開
(C)2022 20th Century Studios. All rights reserved.

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