〝身に着ける人の心に寄り添う〟染織作家が手がける装心具ブランド「ソワ」の不思議な魅力

〝身に着ける人の心に寄り添う〟染織作家が手がける装心具ブランド「ソワ」の不思議な魅力

  • @DIME
  • 更新日:2021/01/14

■連載/阿部純子のトレンド探検隊

心の揺らぎを色やフォルムに映して制作

2020年11月にデビューした「ソワ」は、染織作家・瀬戸望さんによる手染めをベースとした“装心具”ブランド。ひとつひとつ手染めした布花を使ったジュエリーやインテリアアイテムを展開し、身にまとう「装身具」の美しさだけではなく、誰もが持つ繊細で美しい内面を色やフォルムに映した心の装いとしての「装心具」を提案している。

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瀬戸さんは京都市立芸術大学 工芸学科 染織専攻を卒業後、株式会社フェリシモに入社。服飾雑貨の商品企画、紙・WEB媒体編集、新規事業運営などに携わったのち、株式会社エイトブランディングデザインに同社初の秘書兼広報として参画。会社員として働く傍らアクセサリーブランド「Flying Gallop」をスタート、2020年装心具ブランド「ソワ」にグローアップし、本格的に作家活動を開始した。12月に渋谷ヒカリエにて開催されたお披露目展示会にて、瀬戸さんに話を聞いた。

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――10年の会社員生活を卒業して作家活動にシフトしたきっかけとは?

「クリエイティブな業界に10年間いて、ものづくりの現場を身近に見ているうちに、学生時代に染色と織物を学んでいたこともあり、自分もものづくりをやりたいという気持ちが強くなってきました。会社員時代も趣味で作っていましたが、友人に作品を『いいね』と言ってもらうことが多くて、本格的にやりたいという気持ちがどんどん大きくなっていき、会社員を辞めて作家活動に専念することにしました」

――ソワは「装身具」ではなく「装心具」と表現していますね。

「作品を作るときに『わぁ、きれい』『なんか、せつない』とか感情をアイデアソースにして色出しすることも多く、形のない気持ちをとらえることを大切にしたいと、『身』を『心』に変えて『心が芽吹く装心具』をテーマにしています。

おしゃれをすると気分が上がりますが、24時間ずっとおしゃれをしているわけじゃないですよね。家にいてくつろいでいるときでも気分が上がる状態、自分が感じる『好き』という気持ちに素直に暮らすことが人生を楽しむ秘訣というか、心基準でいい時間を過ごしてもらいたいという意味も込めています。

ですので、アクセサリーを身に着けていないときも、インテリアとして飾っておけることを意識しています。今はコロナで家にいることが多くなっていますし、見せ方にもこだわり、好きなものに囲まれて癒されるような作品を目指しています」

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――染色することで生まれる表情豊かな色合いが作品の個性になっていますが、制作過程を教えていただけますか。

「小さい布の場合は白い布をデザインした形に切って、パレットの上で色を混ぜて染めていきます。絵を描くような感覚で、緑を染めていても『この気持ちは青かも』という時は青を混ぜて微妙な色合いを作るなど、その時の心の動きが色に反映されています。染めた後は紙の上で乾かしますが、乾いて剥がすときに色が紙に残っていて、それもまたきれいで捨てられないので、いろいろなものに活用しています。

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『瞬きシリーズ』(ピアス・イヤリング/1万3200円 税込以下同)は、手染めしたシルク100%の糸にフランスのビンテージパーツを組み合わせたもので、糸は現在50色あります。

京都の大学にいたので和文化も好きで、伝統色など微妙な色合いは日本ならではのものだと思います。伝統色の『利休白茶(りきゅうしらちゃ)』(下記画像★印)は、名前からも千利休に関係があるのかな?など、色が生まれた背景にはどんな世界があったのだろうと考えるのも好きなんです。瞬きシリーズは伝統色に加え、自分で色を混ぜ合わせ創作して染めた色もあります」

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――作品に添えられているポエムのような言葉が意味するものは?

「制作を始めた当初から、作品ひとつひとつに物語を添えています。羽を使っている作品では『巣立ち』というイメージがあって、自分の過去や経験をリンクさせて、飛び立つなら吸い込まれそうな空の青かな?ここに雲があったらうれしいなとか、文字と制作をリンクしながら作品を生み出しています」

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――アクセサリーだけではなくインテリアアイテムもありますね。

「家で思いを巡らせる時間が多くなったことから、インテリアアイテムの第一弾として『はじまりの花標本』(3850円~4400円)を作りました。生花同様、同じものはふたつとない手染めの花に想像をかき立てる言葉を添えています。

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ソワの素材は布や糸なのでとても軽いのも特徴です。瞬きシリーズの耳飾り(ソワの耳飾りは片耳での販売)は糸なので着けているのを忘れるぐらい軽いですし、『一匙_綿毛ネックレス』(1万3200円)は、大きくボリュームもありますが、文字通りスプーン1杯分の15gぐらいの軽さで、着けていても体に負担がかかりません」

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【AJの読み】身に着ける人の心に寄り添うジュエリー

エイトブランディングデザイン時代に瀬戸さんと取材現場でお会いしたことがあったが、会社員を卒業し染織作家として活動を始めたと聞き、展示会へお邪魔した。もともとデザインや素材など、ファインジュエリーとは異なる魅力のヴィンテージのコスチュームジュエリーが大好きなのだが、瀬戸さんの展示会に足を踏み入れた瞬間、「自分が大好きな世界観だ!」と感じ、一点一点じっくりと拝見させていただいた。

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瀬戸さんご自身も古いものがお好きとのことで、アンティークの食器に飾られた作品を拝見すると、身に着けるだけではなく、インテリアアイテムとしても魅力的なものばかりで、ジュエリーボックスに入れずに部屋に飾っておきたくなること間違いなし。

染め花にフランスやドイツで見つけたパールやビーズ、リボンなどを組み合わせた趣を感じるデザインで、素材が布や糸なので温かみもあり、手染め、手づくりで同じ作品でも微妙に表情が異なる。

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現在はオンラインショップのみの販売で、基本的にオーダー制で手づくりのため、手元に届くまで約1か月要するが、ワクワクしながら待つ時間も楽しみとなりそうな、愛らしく魅力的なジュエリーだ。インスタグラムではソワの世界観がより伝わるので、気になる方はぜひチェックしてみて。

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文/阿部純子

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