世界を知る内田篤人の刺激、選手たちが感銘 「ロールモデルコーチ」の“指導者”初仕事に密着

世界を知る内田篤人の刺激、選手たちが感銘 「ロールモデルコーチ」の“指導者”初仕事に密着

  • Football ZONE web
  • 更新日:2020/09/15
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FW櫻川ソロモンと会話する内田篤人氏【写真:河治良幸】

就任発表翌日からU-19日本代表合宿に参加、的確アドバイス「そこもっと行っていいよ」

JFA(日本サッカー協会)から元日本代表DF内田篤人氏のロールモデルコーチ就任が発表された翌日の14日、早速U-19日本代表候補の合宿に参加して、影山雅永監督やスタッフとともに、選手たちの指導に加わった。

“ロールモデルコーチ”というのは、指導者のライセンスを持たない内田氏が代表チームや選手の指導に加われるよう、独自に与えられた役職で、耳慣れないのはメディアも同じ。ただ、実際に練習を取材して、影山監督や選手の話を聞く中で役割と効果が明らかになってきた。

午前練習は5対5にGKを付けたミニゲーム形式の練習でフリーマンとして、両方のチームからパスを受けて周囲に捌く役割を担い、一緒に体を動かしながら「そこもっと行っていいよ」「それはしょうがない。気にしないでいいよ」と言った短い声かけをしていた。

外から見る限り、指導者というよりは経験豊富な選手が混ざってアドバイスを送るような風景だが、それが従来のコーチングスタッフと良い意味で役割分担されている印象で、バッティングしない感じがすごく効果的に感じられた。

午後の練習はスタッフの1人としてボールを集めたり、手伝いながら選手たちの動きを見ていたが、現役時代と同じサイドバックの成瀬竣平が11対11のスタンバイをしてる時間を使って、具体的にアドバイスする姿も。もともと二つのボールを左右の手で持っていたが、そのうち左手で二つのボールを抱えて、右手でジェスチャーしながら伝えていたのが印象的だ。

選手たちが見た内田は? 「厳しく物事を言うわけじゃないけど…」「ビシッとなった」

実は午後練習の前にミーティングがあり、影山監督に加えて内田コーチから選手たちに3~4分の話があったと言う。

「我々が目指すべきものはどこなのかを話した時に、せっかく内田コーチが来ているからいろいろ話をしてもらおうと言うことで、世界で戦うとはどういうことかをみんな必死にやってるけど、そんなんじゃまだまだ届かないよと言うことを、優しいながらも厳しさに溢れた口調で言ってもらいまして」

影山監督がそう振り返るように、内田の話は選手たちに良い影響を与えたようだ。午前練習から内田と一緒に練習していたFW櫻川ソロモン(ジェフユナイテッド市原・千葉)は「そんなに厳しく物事を言うわけじゃないですけど、今日の午前中のプレーを見て、まだまだ足りないと。もっと集中して1個1個のプレーを大切にしないといけないという言葉をいただいた」と語り、最初のパスコントロールから集中して入ることができたという。

「経験ある選手から言われたので、みんなビシッとなった感じはあります」と語る櫻川は、同世代ですでに欧州のトップリーグで活躍している日本代表MF久保建英(ビジャレアル)の活躍に関しても「リスペクトしている部分はあるんですけど、悔しい部分も本当あって、でもまだまだ自分もチャンスあると思っている」と志を掲げる。そういった選手にも、まさに世界のトップで戦ってきた内田コーチの存在は非常に大きなものになりそうだ。

また少し前まで鹿島アントラーズで一緒にプレーしたMF松村優太は、当時から「右サイドで組むこともありますし、内田さんが持った時、サイドバックが持った時のどこに動いてほしいだとか、守備の立ち位置とか細かいところアドバイスくれたりしてくれた」と語るが、現在はコーチとして「僕だけではなく全体を見ている」と認識を新たにしながら、豊富な経験を吸収していきたいと思っているようだ。

「経験してきたものが違うので、その人の言葉が一つ一つ重みがありますし、そこから午後の練習はガラッと雰囲気が変わっていたので、そういう言葉の大事さも分かりましたし、そういう経験をしてきた人がコーチとして僕たちに教えてくれるのはありがたいことだと思います」

内田コーチが代表チームにもたらすプラスアルファ、そのキャラクターもまさに適任

基本的にアンダーカテゴリーの代表というのは限られた合宿や大会の期間を通じて、いかに選手に刺激を与えて、所属クラブでの成長を促す役割で、そのために予選を勝ち抜いて世界に出ることが大事だが、そのプロセスの中で、最近まで現役でやっていた内田コーチがもたらすプラスアルファは大きい。しかも、柔らかい口調で厳しい言葉を投げかけられる内田コーチのキャラクターというのが、その役割に適しているようにも思える。

「Jリーグで鍛えてもらっている選手に刺激を与えて、もっと高いレベルでプレーしたい、内田さんみたいになりたいという選手の思いを、短い期間でも伝えられたらと思ってます」と語る影山監督は、今後もこうした機会を増やしていきたいと言う。

素晴らしいキャリアを築いたサッカー界の先輩に刺激を受けた選手たちが志高く成長につなげていくことに期待しながら、指導者としての内田篤人の成長も見守っていきたい。
(河治良幸 / Yoshiyuki Kawaji)

河治良幸

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