
阪神・岡田彰布監督
阪神・岡田彰布監督が球界の〝データ偏重主義〟に警鐘を鳴らした。
18日に予定されていたヤクルト―阪神戦(神宮)は降雨のため中止に。神宮球場室内練習場でのトレーニング終了後、報道陣の取材に応対した指揮官は、話題がシーズン本番に向けた相手チームのデータ分析について及ぶと、以下のように私感を口にした。
「そらデータは見るよ。頭の中には入れるけど使うかどうかは分からん。今やったらデータとかトラックマンとかあるけど、そしたら監督とかコーチとかいらんやん。感性を持たな。ゲームの中でな。守ってたら一番分かるよ。きょうのバッターのスイングの調子とか、味方投手のボールのキレとかな。データでは『こっち(に打球が)来る』いうとるけど、きょうのスイングやったら遅れてきそうやなとか、そういう感性を選手が持たないと野球は上手くならないよ」
現場のトップとして、当然データは全て頭に入れた上で戦いに臨んでいる。だが、データはあくまで物事を判断するための材料にすぎず、それらを咀嚼、活用するのは「生身」の人間だ。トラックマン、ホークアイ、ラプソードなどの計測機器で選手の様々なデータが数値化される現代野球だが、NPBの現役選手として15年、指導者として計14年以上戦ってきた百戦錬磨の指揮官はプレーヤーたちが〝データの奴隷〟になることに危機感を募らせる。
最後に信じるのは常在戦場で戦ってきた自身の感性と勝負勘。「ベンチワークで点を取る」ことをテーマとして掲げる岡田監督が2週間後に開幕するレギュラーシーズンでどのような戦いを見せてくれるか注目したい。
東スポWEB