「この仕事に何の意味があるんですか?」 質問ばかりの若手社員を動かす魔法の言葉

「この仕事に何の意味があるんですか?」 質問ばかりの若手社員を動かす魔法の言葉

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  • 更新日:2021/07/21
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「いいからやれ!」とは言えない時代になりました(写真:hinooto / PIXTA)

あなたの周りにムダにやる気を下げてくる人物はいないだろうか? 経営・組織戦略コンサルタントの西野一輝氏は、こうしたやる気を下げてくる人物への対策を『モチベーション下げマンとの戦い方』(朝日新聞出版)として上梓した。今回のテーマは「言うことを聞かない部下」について。本書より抜粋、再構成して紹介する。

【5つの特徴】カスタマーハラスメントに注意!

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部下に「何でこんなことをしなきゃいけないんですか」とか「これやって何の意味があるんですか」と言われたことはないでしょうか。

昔ならその質問自体がタブーであった気がします。極論で言えば「仕事とは社会の理不尽に耐えるものだ」というふうに教えられた時代がかつてありました。

「何でこんなことをやるんですか」と言える余地はなく、「そりゃやるんだよ」という空気が当たり前のようにありました。

もっと言うと「それも含めて仕事なんだ」と言われたものです。なぜそれが必要なのか?ということを考えないという能力を身につけさせられたのです。

たとえば「この資料は不要だから破棄してくれる?」と上司や先輩から言われれば「何でですか」と聞いてはいけません。「はい、破棄します」で十分。破棄する方法は考えても理由は考えません。

ところが、いまの若手社員たちは「仕事の意味」を考えることが何となく身についています。最近は学生時代に情操教育を受ける機会が増えてきたようです。物事を観察し、変化が起きたとき、「なぜこうなるの?」と不思議に感じ、「なぜそうなるのかを知りたい」と自分で考える心を養われているからかもしれません。

だとすれば、先輩社員や上司の考える仕事の進め方と対極にあるともいえます。

そんな価値観の違いからカチンときたり、モチベーションが下がったりする悩みを聞くことがあります。

「今日中に仕上げてくれる?」と言えば、「どうして今日中なのですか?」と返されることが繰り返されて、気持ちがめいると話してくれた先輩社員がいました。

確かに「わかりました」と質問せずに仕事に取り組む後輩の方が楽かもしれません。しかし、彼の周りには質問する後輩ばかりで、いつかは「いいからやれよ」と高圧的な発言をしてパワハラ扱いされる恐怖に駆られているようです。

こんな後輩に対してどうしたらいいのでしょうか?

もちろん感情的になる必要はありません。時代は変わり、仕事の意味は伝えないとわからない世の中になったことを受け入れて、面倒くさがらずに意味と理由を丁寧に伝えてあげましょう。

さらにプラスアルファの対策として「それをやるのがあなたのためだと思うから」と言ってあげるのです。

以前に「あなたのためだから」と言いながら理不尽なことをする先輩が登場するCMがありました。自分のケーキを「ダイエット中だっけ」と奪われて「あなたのためだから」とこじつけられた理由で納得させられてしまうのです。

これは極端ですが、「あなたのため」つまり、「自分のため」と思ってもらうことができれば相手は納得します。その理由は「成長の機会だから」「勉強になるから」といったもので十分なのです。

「ちょっと悪いけど、この会議の議事録を取ってくれない?」

「え、これやる必要あるんですかね」

「いや、だって今日の話ってすごく大事な話だから、まとめる必要あるよね」

「だとしたら何で私がやるんですか」

「だから、それって君のためになるからだよ」

あとは深く考えさせるのです。それでも納得できない感じで「どんなためになるのでしょうか」とか聞いてきたら「あなたのキャリアにですよ」とビックワードを返しておきましょう。すべて緻密に納得させる説明をしようとするのではなく、大きな言葉でふわりと納得できそうな状態をつくればいいのです。

仕事は日々舞い込みます。「何となく自分にプラスになる」と思えるくらいの納得感を伝えるだけでも「いいからやれ」と頭ごなしに言うのとは大違いです。自然と相手にも、それなりに納得した姿勢が見えてくることでしょう。

自分や上司の時代とは違うかもしれませんが、それくらいの対応を準備しておけば互いにストレスなく仕事は進めていくことができ、少なくとも互いにモチベーションが下がる機会は減るはずです。

ただし注意したいのは、業務に直接関係のないことを頼むときや、飲み会に誘うときなどです。ハラスメントと取られかねない恐れもあるため、相手の反応を見ながら言葉を発し、くれぐれも無理強いをしないようにしましょう。

■西野一輝(にしの・かずき)/経営・組織戦略コンサルタント。大学卒業後、大手出版社に入社。ビジネス関連の編集・企画に関わる。現在は独立して事務所を設立。経営者、専門家など2000名以上に取材を行ってきた経験を生かして、人材育成や組織開発の支援を行っている。

西野一輝

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