NASA, 抗議によりSpaceXに与えた月着陸船開発契約を一時停止

NASA, 抗議によりSpaceXに与えた月着陸船開発契約を一時停止

  • Engadget
  • 更新日:2021/05/01
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NASA

NASAが、物言いのついたSpaceXとの月着陸船に関する契約を一旦停止することになりました。これはSpaceXと契約を争っていたジェフ・ベゾス氏のBlue OriginとDyneticsが、米国会計検査院(GAO)にこの29億ドルの有人着陸システムの選定に異議を唱える抗議書を提出したから。

GAOはこの契約に関連する未解決の訴訟をすべて解決するまで、HLS契約の進捗を一時停止するよう指示しました。訴訟中のため、NASAはこの件に関するコメントはできなくなったとのこと。

Dyneticsの申し立てによれば、NASAは当初この計画で2社を選定する予定でしたが、予算要求33億ドルに対し約4分の1しか獲得できなかったとのこと。Dyneticsの言い分によれば、通常ならばこの計画はキャンセルされるべきであったにもかかわらず「最も反競争的でハイリスクなオプション」を選択したとのこと。

Dyneticsは「この新たな予算の制約とスケジュールの変更を考慮すると、当初構想され、ソリシテーションに記載されていたHLSプログラムはもはや実行可能ではない」と述べています。したがってNASAにはその時点で「選択すべきいくつかの合理的(かつ合法的)な代替案があった」としました。

たとえば、NASAは予算が少ないためすでに月や火星まで視野に入れているSpaceXのStarshipに無理矢理計画を合わせ込むよりも、予算の少なさと将来の互換性確保の問題を考慮して計画そのものを修正、あるいはいったん仕切り直すこともできたというのがDyneticsの考えです。たしかに、NASAはそのためにSpaceXとBlue Originを含む3社と協議して、互いに協力できる案を模索することもできたはずです。

SpaceNewsは、抗議に精通している情報筋が語ったひとつの選択肢としては、NASAが「要件の維持と予備設計」の提案依頼段階で特定の契約品目に複数企業を選択すること」だったと述べています。そうすれば将来アルテミス計画の後の、より持続可能な段階を見越した着陸船のコンセプトづくりができたとしています。

Dyneticsの抗議内容にはもうひとつの側面があり、NASAが「明文化されていない評価基準」によって自社の提案を退けたと訴えています。年前に基本期間HLSを受注した際にNASAから「significant strength(重要な強み)」とされていた着陸機に関するいくつかの評価項目が、今回の選定ではまったく変更していなかったにもかかわらずただの「strength(強み)」に格下げされていたとしました。これについてDyneticsは「変更されなければならないのは、NASAの技術的およびプログラム的な評価基準のほうだ」と抗議のなかで述べています。

Source:Reuters,Space News

Munenori Taniguchi

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