画面の向こうの彼との、健全な恋。「無謀」のカテゴリで否定されて

画面の向こうの彼との、健全な恋。「無謀」のカテゴリで否定されて

  • かがみよかがみ
  • 更新日:2021/11/25
No image

世間の言う適齢期というやつに差し掛かった、ここ数年のSNSは

SNSで見かける婚姻届。隣には小ぶりなブーケと婚約指輪。本文は“入籍しました”の1文のみ。スクロールしてもスクロールしても、出てくるのは同じような写真と文。

生後100日のタグとともに載せられる、口をもにゅもにゅと動かす小さな赤子。同じような投稿の並ぶアラサー女のタイムライン。同世代たちは結婚ラッシュに出産ラッシュ、世間の言う適齢期というやつに差し掛かってしまったここ数年はそんな感じ。

そんな彼女たちと同じ歳の私に男性経験がない、ということが、ある意味1番誰にも言えていないことなのではあるが。

誰のものにもならないと告白しないうちに、彼女は結婚してしまった

この歳にしていわゆるリア恋というやつに落ちてしまった

そんな年齢イコール御相手いない歴の私が最近気になるとある男性。年齢は3歳上、身長は20cmほど私より高くて、はっきりとした顔立ちに色素の薄い瞳が印象的。料理が出来て、ショッピングが趣味のオシャレさん。

ここ数年は体を鍛えてどんどん魅力的になってきて、ストイックなその姿にもまたキュンとして。職業は……知る人ぞ知る業界人。つまるところ、私はこの歳にしていわゆるリア恋というやつに落ちてしまったのである。

スマホを開く度にホームで待ち受ける彼の顔にときめき、SNSの更新通知に心を躍らせる。彼の出ている番組は全て録画、やれ演劇とくれば劇場に通い、やれライブとなれば全通の計画を立てる。

寝ても醒めても彼を思い、彼のために自分を磨く。イベントとあれば服を買い、髪を染め、爪を彩る。彼に少しでも可愛いと思われたい、醜い姿を目にして欲しくない、その一身はさながらデート前の女の子である。果たしてこれを恋と呼ばずしてなんと呼ぼうか。

もともと漫画やらゲームやらアイドルやらにハマりがちな人間だったので、ハマり始めのころは「また言ってる」という顔をしていた友人たちも、こと年齢を重ねてくると本気の心配顔で「現実見たら?」なんて。

こんな健全な愛、そうそうないのだろうになぁと、独りごちるしかない

私が思いを寄せる彼も現実世界、なんならこの狭い日本という国で生きている人間という種族なのに、何故これほどまでに否定されてしまうのか。私からしたらわずか数百字のプロフィール文と、どれだけ加工されているのか分からない写真だけでお相手を探す現代の出会い方の方が余程現実味がない。

出会いは彼からのナンパで……、私が学生時代に一目惚れしたから声を掛けて……。色んな出会いの形がある中で、画面越しの一目惚れはそんなに普通ではないのか。

結局のところ、縛られるのは“普通であること”。一般人という括りの中で、芸能人と結婚することが珍しいというだけで、それは“普通”ではなくなるわけで。少女漫画でも恋愛指南本でも人を好きになることに理由はいらないというのに。

私が理由なく落ちた画面の向こうの彼との恋は、無謀というカテゴリに括られてしまう。人間が人間に恋したことに、なんの違いもないのに。職業が違う夫婦なんて星の数ほどいるのに。

毎月様々なイベントの感想にちょっとだけ私の近況と、割と大きめな彼への愛を綴ったファンレターを書く。あなたが好きだという気持ちを小さな便箋に詰め込んで84円の切手を貼ってポストに投函。これが貴方の元に届くのはいつかとソワソワする気持ちは何よりも純情。

こんな健全な愛、そうそうないのだろうになぁと、独りごちるしかないアラサー女の恋にどんな結末があるのだろうか。

分かってる、分かってるよ、本当は!そう思いつつ、今日も私は夢を見る。今日は彼と暮らす夢の続きがみたいな。

【厳選】十カ所以上で働いた私が面接で見定めること。告白するはずだった彼との関係を変えた私の「ひとこと」…10月に読まれたエッセイ

なかじま

この記事をお届けした
グノシーの最新ニュース情報を、

でも最新ニュース情報をお届けしています。

外部リンク

  • このエントリーをはてなブックマークに追加