ファッション・香水業界からの挑戦でボルドーワインを「カジュアル」に 大胆なイメージチェンジが鍵

ファッション・香水業界からの挑戦でボルドーワインを「カジュアル」に 大胆なイメージチェンジが鍵

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  • 更新日:2023/01/25
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ボルドーワイン委員会(CIVB) ジャパンカントリーマネージャー 大塚麗子(おおつか・れいこ)/1966年生まれ。千葉県出身。90年にANA入社。退社後、ニューヨークや欧州を拠点にファッション業界で、その後、香水会社でグローバル・ブランド・マネージメント・ディレクターを経て2016年にワイン業界へ(撮影/写真映像部・加藤夏子)

全国各地のそれぞれの職場にいる、優れた技能やノウハウを持つ人が登場する連載「職場の神様」。様々な分野で活躍する人たちの神業と仕事の極意を紹介する。AERA 2023年1月30日号にはボルドーワイン委員会(CIVB)ジャパンカントリー マネージャーの大塚麗子さんが登場した。

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フランスのボルドーワインの日本への輸出量を、2021年に世界第4位まで押し上げた立役者だ。

フランスに拠点を置くボルドーワイン委員会は、世界市場におけるボルドーワインの発展のため様々な活動を行っている。2015年、対日輸出数量でトップのフランスをチリ産ワインが抜いた。そこで委員会がマーケティング改革を託したのが、当時海外にいた大塚さんだった。

突然のオファーに驚いた。専門はファッションや香水などのマーケティングやブランディングで、ワインの知識はおろかフランス語も話せない。日本で働いたのは8年間で、その後は20年以上、海外で仕事をしてきた。

だが、ワインの女王と呼ばれるボルドーワインのリブランディングに挑戦できるという面白さを感じ、引き受けるために帰国した。

求められた改革は「大胆な」イメージチェンジ。千円台の価格帯でも、土壌の良いボルドーの畑で作られているからこその品質や味わいが保たれていることを若い世代に認知してもらい、気軽に飲んでもらえるようにすること。

前職で培った経験をいかし、高級なイメージが強いボルドーワインを思い切ってリブランディングした。20、30代に人気のDJや美容師をアンバサダーに起用し、「高尚な知識がなくてもおいしく飲める」と、ポップアップバーをオープン。グラス1杯数百円で、ホットドッグなど手軽な食事とも相性がいいフードペアリングを提唱。メディアPRも代理店頼りにせず、自らテレビ局や出版社に企画を持ち込んだ。バブル時代に日本で染み付いた「ボルドーワインはこうあるべき」という慣習をものともせず、数々の斬新な企画を断行したことで眉をひそめられたりもした。

逆境をバネに7年目にしてようやく目標を達成できたが、「インポーターさんを始めとする業界の方々、そして消費者の皆様のおかげ」という気持ちは変わらない。

スタッフを「チームボルドー」と呼び、ちょっとしたことでも褒めてモチベーションを高めてもらう。仕事には厳しく“報告”“連絡”“相談”を徹底し、コミュニケーションを怠らない。「自らが効率的な仕事をできていないと、スタッフだってできないですから」と、改革心は尽きない。(ライター・米澤伸子)

※AERA 2023年1月30日号

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