政策「粛々」光と影 辺野古移設...期待はマイナス

政策「粛々」光と影 辺野古移設...期待はマイナス

  • 西日本新聞
  • 更新日:2020/09/17
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菅義偉首相は、米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の辺野古移設やふるさと納税制度などを強力に推し進めてきた。「菅カラー」の政策に縁が深い九州・沖縄の現場では、その腕力に期待する声と冷ややかな受け止めが入り交じった。

「基地建設反対」「菅首相に協力するな」-。同県名護市辺野古の米軍キャンプ・シュワブのゲート前では16日も、埋め立て工事への抗議活動が続いた。沖縄基地負担軽減担当相を兼任してきた菅氏は「粛々と移設を進める」と述べて批判を浴びた。「どうせまた『粛々』と工事を進めるだろう。期待ゼロというよりマイナス」。同県読谷村から抗議に加わった山内慶一さん(70)は語気を強めた。

人気が高いものの、過度な返礼品競争も招いたふるさと納税制度。政府は昨年6月、返礼品の基準を「寄付額の30%以下の地場産品」と定め、佐賀県みやき町など4市町を制度から一時除外した。「純粋な地場産品が評価される仕組みに練り直して」(同町の社長)と注文がある一方で、町で米穀店を営む大塚乾祐(けんすけ)さん(43)は新首相を「制度の土台をつくり、恩がある。多少強引でもリーダーシップは必要」と歓迎した。2015年に町産米を返礼品に登録し、店の売り上げの3割を占めるという。

19年度の寄付額が全国2位の宮崎県都城市。加工食品卸売業の小園秀和さん(52)も制度を評価しつつ「高額な牛肉なども返礼品にできるよう割合を引き上げれば、景気回復につながる」と要望。混乱の経緯を踏まえ「安定した制度として運用して」(市担当者)との声もあった。

菅氏が最重要課題に位置づけるのは新型コロナウイルス対策だ。インフルエンザ流行期を控えた医療現場は戦々恐々とし、福岡市中央区の病院に勤める医師(64)は「検査体制の拡充を実現してほしい」。安倍前首相は8月末の会見で「(抗原検査の簡易キットによる)1日20万件の検査体制」を掲げたが、医師は「医療従事者や(社会生活の維持に不可欠な)エッセンシャルワーカーが無症状でも定期的に受けられるようもっと増やすことが急務」と強調する。

新型コロナの感染拡大は、飲食業や観光業などに幅広い業種に影を落とす。九州最大の歓楽街、福岡市・中洲でも閉店、休業する店は少なくない。スナックを経営する佐伯祀紅(しこう)さん(60)は「資金繰りなどを相談しようにも行政の窓口は人員が少ない。国や県の対策は中途半端に感じる」と不満を募らせる。

菅氏による新元号発表後に「令和発祥の都」とにぎわった太宰府天満宮(福岡県太宰府市)周辺は様変わりした。17、18年に年間1千万人を超えた観光客は今年4、5月は前年同月比96%減まで落ち込んだ。那覇市中心部の国際通りもシャッターを下ろした店が目立つ。観光支援事業「Go To トラベル」の恩恵は届いてない。

太宰府観光協会の不老安正会長は訴える。「新型コロナの影響が続く限り、観光地に誰も来てくれない。コロナ対策の徹底と経済回復に向け、安定した政権を築いて」

(上野洋光、高田佳典、坂井彰太、星野楽)

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