ボトルに伊勢型紙、好評 職人金子さん、購入型クラウドファンディング 三重・鈴鹿

ボトルに伊勢型紙、好評 職人金子さん、購入型クラウドファンディング 三重・鈴鹿

  • 伊勢新聞
  • 更新日:2022/05/14

【鈴鹿】伊勢型紙職人の後継者として、修行に励む三重県鈴鹿市十宮の金子仁美さん(23)が「市の伝統工芸伊勢型紙をもっと身近に感じてもらうきっかけになれば」と、伊勢型紙のオリジナル水筒型マイボトル「御守ボトル」を返礼品の一つに提案した、購入型のクラウドファンディングが好調だ。

プロジェクトは、ウエブサイト「キャンプファイヤー」で、4月21日に開始した。今月末まで。

開始以降順調に支援者を増やし、2日間で目標金額の50万円に達した。13日現在、計94人の支援総額は89万690円。目標達成率は178%。

サイトには「地元の伝統を現代的ですてきな商品にしてくれてうれしい」「出身地の伝統産業をぜひ応援したい」など、支援者から寄せられた応援コメントが並ぶ。

群馬県出身の金子さんは錐彫り職人の宮原敏明さん(81)=同市若松東3丁目=に師事し、今年で4年目。高3の時にテレビで見た伊勢型紙の緻密な技法に魅了されたのがきっかけで、伊勢型紙職人の道を選んだ。

その後、伊勢形紙協同組合に「食べていける世界ではない」と弟子入りを2回断られたが諦めず、京都伝統工芸大学校で和紙工芸を専攻し、自身の学びを深めた。在学中も伊勢型紙の職人体験を継続するなど、真摯(しんし)な姿勢が同組合に認められ、卒業後は宮原さんに弟子入りした。

錐彫りの技術保持者は現在、宮原さんのみ。宮原さんは「一生懸命で上達も早い。若い感性を生かして錐彫り後継者として伝統をつなげてほしい」と金子さんに期待を寄せる。

金子さんは修行の中で、後継者不足や伝統技術継承の難しさなどの課題に直面し、「若者世代へのアプローチが不足している」と、クラウドファンディングで支援を募る取り組みを決めた。

返礼品の御守ボトルは、容量300ミリリットル。デザインは二種類で、一つは守るという意味を持つ「サメとうろこ」文様。もう一つは長寿や不死の象徴とされるチョウが乱舞し「穏やかな成長を願う」という意味を込めた吉祥文様。「サメとうろこ」はブルーグリーン、ゴールドイエローの2色あり、「チョウの乱舞」はピンクパープルのみ。

支援コースは3千円から15万円まで12種類あり、そのうち「御守ボトル」が返礼品となるのは、6980円(好きな柄1本)や、1万3500円(好きな柄2本)のコースなど。定価よりお値打ちにボトルを購入できる。ほかに、小銭入れや名刺入れなどを返礼品とするコースもある。

金子さんは「とらわれないアプローチの仕方で伊勢型紙がみんなの心に響くことが分かり、手応えを感じた。伝統工芸を絶やしてはいけない。衰退させないためには技術を高めて伝統を守りつつ、世の中に受け入れてもらえる新たな価値を創造することが必要」と意気込みを語った。

期間終了後、御守ボトルは同市寺家3丁目の市伝統産業会館で、定価7500円(税別)で販売する予定。

伊勢新聞

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