「マダコ内閣」発足、兵庫の豊かさ象徴 多種多様、地域ブランドも躍進 お魚内閣総選挙得票分析

「マダコ内閣」発足、兵庫の豊かさ象徴 多種多様、地域ブランドも躍進 お魚内閣総選挙得票分析

  • 神戸新聞NEXT
  • 更新日:2022/11/25

「第1次ひょうごマダコ内閣」が発足した。

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総選挙の結果を発表する選挙管理委員会のメンバーら=明石市、兵庫県立明石公園

兵庫県内産の海産物から実際の内閣になぞらえた12の大臣を選び、インターネットで投票する「第1次ひょうごお魚内閣総選挙」。その結果が発表され、総得票数が最も多い魚が就く「総理大臣」にマダコが選ばれた。多種多様な魚たちが各大臣に名を連ね、兵庫の海の豊かさを象徴する顔ぶれになった。各大臣の得票を分析し、期待される職務を紹介する。

総選挙は、11月13日に明石市で開かれた第41回全国豊かな海づくり大会の機運を高めようと、県漁業協同組合連合会や県などでつくる「ひょうご豊かな海発信プロジェクト協議会」が関連行事として企画した。各大臣には役割が与えられ、それぞれ5種が立候補して最多得票魚が就任するルール。候補魚は県内の漁協からの推薦を募り、同協議会が決めた。

総理大臣のマダコは、食べる機会が多く、なじみ深い「総務大臣」ではマダイ、サバに次ぐ僅差の3番手に甘んじたが、子どもを大事に育てる「こども大臣」で2位に2・5倍差をつける大量得票で抜け出し、合計で唯一3千票を超える支持を集めた。「いろいろな料理でおいしく食べられる」「高たんぱく低カロリーで栄養素もぎっしり」などと、応援団によるメッセージも後押しになった。兵庫の魚界の先頭に立ち、吸盤で吸い付くように地に足を着けた政権運営をお願いしたい。

マダイは総務大臣と、見た目やイメージに映える、萌える印象がある「外務大臣」を兼務。総得票数は2972票でマダコに154票及ばず2位だったが、王者と呼ばれるに値する存在感を示した。内政と外政の要として、マダコ首相を支える重責を担う。

大臣別で圧倒的な人気ぶりだったのが、給食で提供され子どもたちに好評の「文部科学大臣」のノリ。得票率46%で、シラス(ちりめん)などの追随を許さなかった。黒くて艶があり、歯切れの良さが兵庫産の魅力。その特長を生かした活躍ぶりに注目だ。

手頃な価格で多くの店で販売される「経済産業大臣」のイワシは、2位ベニズワイガニに千票以上の差をつけて圧勝。料理の幅も広く、魚食普及の柱になる。

豊かな海をつくり出してバロメーターにもなる「環境大臣」のアサリも、選挙戦を終始優位に進めた。海水浄化の特技を生かし、クリーンな政治を心がけたい。

直売所に新鮮な品が並ぶ「農林水産大臣」のイカナゴは、13漁協からの推薦をバックに4割近く得票。食物連鎖の指標としても、政権の土台を支えていく。

見た目や大きさで存在感がある「法務大臣」のハモも、12漁協からの推薦を支えに手堅く票を固めた。鋭い歯、いかつい顔で、海の番人を務める。

地域のブランドも躍進した。但馬が誇る冬の風物詩ズワイガニは、ぜいたくで誇り高い逸品の「財務大臣」に決まった。日本海の代表としても力を発揮したい。

由良の赤ウニが超高級品として知られるウニは、オコゼとの一騎打ちで勝利し、外敵から守る能力が高い「防衛大臣」に。硬い殻や鋭いとげと、甘くて濃厚な味わいを兼ね備えているように、バランスを重視する。

播磨灘で盛んなマガキは、ワカメとの競り合いを制し、栄養価が高く健康増進効果が期待される「厚生労働大臣」に選出。たっぷりの栄養を、内閣にも注ぎ込む。

票が分散して大接戦だったのは、生産地に行ってこそおいしいものが食べられる「国土交通大臣」。1位のシラス(生)は1045票で、2位ズワイガニとは91票差、5位サワラともわずか235票差だった。多彩なご当地魚を代表して、PRに励む。

こども大臣は、マダコが総理大臣になったため、ヒラメが繰り上げで当選。兵庫県の稚魚放流の代表格で、全国豊かな海づくり大会でも天皇、皇后両陛下が明石港でマダイとともに稚魚を放された。生命を育むシンボルになる。

ひょうご豊かな海発信プロジェクト協議会の会長でもある突々淳(とつとつ・きよし)選挙管理委員長は「兵庫の海の豊かさが組閣結果からも感じられる」と講評。ネットで参加でき、魚の特色などを学びながら楽しめる企画を振り返り「海づくり大会の理念を全国に伝えられる取り組みとなった。大会を機に、豊かな海への取り組みや思いを一層広げて深めていきたい」と力を込めた。

兵庫県は、北は日本海、南は瀬戸内海、太平洋に続く紀伊水道の三つの海に面し、今回立候補した48魚種(重複して延べ60種)をはじめ、実に多彩な生き物が暮らす。一方で、近年は海中の栄養不足により、不漁やノリの色落ちなどの影響も取り沙汰されている。

初代総理大臣に就いたマダコは、母ダコが約10万個の卵を抱いて命を次世代へつないでいる。美しく豊かな海を未来へ。大臣たちから発せられるメッセージを受け止め、内閣の行く末を見守りたい。(金山成美)

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