ChatGPTブームの追い風で急成長期待の「エドテック」の新興企業

ChatGPTブームの追い風で急成長期待の「エドテック」の新興企業

  • Forbes JAPAN
  • 更新日:2023/01/25

人工知能(AI)に関する最近の話題の多くは、オープンAIの言語モデルであるGPT-3とそれを基盤としたジェネレーティブAIの「ChatGPT」に集中している。教育分野では、これらのツールが生徒の宿題やカンニングを手助けして、従来の教育のあり方を崩壊させるのではないかとの懸念も浮上している。

しかし、エドテック(教育テクノロジー)分野で盛んな投資を行うリーチキャピタル(Reach Capital)のトニー・ワンは、AIが成績の評価ツールや講義のシラバスを作成するのに役立ち、学生はこの技術を学習ツールとして正当に利用できると考えている。

その一例に挙げられるツールがGPT-3を利用して、高校生や大学生の質問に答えるAIツールのEdgi Botだ。このツールの運営元の「Edgi Learning」の共同創業者でCEOのJosh Shapiroは、同社のテクノロジーが、サイエンス分野の人気ユーチューバーのVeritasiumやVsauceが作り出すコンテンツと同じ役割を果たすようになると話す。

アーリーステージのテック系VCのアバランチ(Avalanche)の創業者のケイトリン・ドネリーは、Edgi Learningに出資を行ったほか、子供たちがAIと一緒に物語を作る読書プラットフォームの「Koalluh」にも目を向けているという。

また、リーチキャピタルは最近、大学や企業がサポートに利用するAI搭載チャットボットの「Mainstay」や、数学教育のソフトウェアと評価プラットフォームの「Derivata」といったスタートアップに投資している。他のエドテックのスタートアップは、AIを利用して教科書をナレーション付きのビデオ講義に変えたり、教師の指導スタイルに関するフィードバックを提供したりしている。

今後はニッチな企業に伸び代が

一方で投資額に関して言うと、フィンテックなどのカテゴリと同様に、エドテックへの投資額はパンデミックの初期に比べるとかなり小さくなっているのが現実だ。HolonIQのデータによると、エドテックへの民間投資は2020年に161億ドル、2021年に208億ドルに急増したが、2022年には106億ドル(約1.4兆円)に減少した。

--{今年成長が期待されるAR(拡張現実)とVR(仮想現実)}--

専門家は、今年の投資額がさらに減少し、2019年の70億ドルや2018年の82億ドルといったパンデミック前の水準に戻ると予想している。

そんな中、今年成長が期待されるエドテックのニッチ分野としてはAR(拡張現実)とVR(仮想現実)が挙げられる。すでに、一部の学校ではVRを使った授業が行われており、「Immerse」や「Prisms of Reality」といったAR・VR教育プラットフォームが急速に支持を集めている。

アバランチのドネリーは今年、「教育とゲームをミックスした効果的なエンターテインメント」が増えると予測する。「ゲーム開発者やテクノロジープラットフォームは、学習のデザインにゲームを取り入れてよりスマートなツールを構築している」と彼は語った。

ビデオをベースとした学習は以前から人気を博しているが、投資家は2023年にそれがさらに拡大すると予想している。「ハリウッドがコンテンツ作りの能力を、教育分野に応用するとしたら、とてもエキサイティングで未来的なものになる」と教育と社員のスキル向上分野に注力するベンチャーキャピタル、GSVホールディングスのマイケル・モーは語った。

しかし、AIやVRを活用したプラットフォームが台頭する一方で、いくつかのエドテックのトレンドは衰退の一途をたどっている。オンライン家庭教師などの分野はすでに飽和状態だと、モーは指摘した。

「今後は、一部の企業が本格的なブレイクを果たし、それ以外の企業は取り残されることになる。期間が短くニッチなオンラインコースが成功する可能性が高く、総合的なプラットフォームはその価値を証明する必要に迫られることになる」とアバランチのドネリーは分析した。

forbes.com 原文

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