
不可解な事件が起きています。
北海道帯広市の公園で、連続窃盗事件が発生。盗まれたのは水道の蛇口ばかり、なんと36個!
記者
「こちらの公園では、7月22日朝、こちらにあった蛇口が盗まれたことがわかりました」
工事業者
「本当に簡単な工具でこのくらい簡単に…」
金属買取業者
「これ1個で100円くらいです」
一体、誰が何のために?蛇口の連続窃盗事件を「もうひとホリ」します。
最初の事件があったのは「緑ヶ丘公園」。6月26日の朝、公園を散歩をしていた市民から「水飲み場から、水が噴水のように出ている」との通報があり、2個の蛇口が無くなっていることがわかりました。
公園利用者
「怒り心頭ですよね。夏の暑い時は命の水」
子どもたち
「(蛇口は)いつになったら戻るの?」
子ども
「家に帰ってからじゃないと洗えない。ここできれいにしたい。(やっぱり困る?)うん」
この公園を含め、これまでに17の公園で、36個の蛇口が盗まれています。被害はJR帯広駅の南側に集中していて、その多くは住宅街の中にある公園です。昼間は賑わっていても、日が暮れると…。
記者
「こちらの周辺は真っ暗で、人通りもありません。暗闇に乗じて犯人は、犯行におよんだのでしょうか?」
警察は、犯行の多くは、人通りの少ない未明から早朝にかけて行われたと見ています。また、手口が似ていることから同一犯による犯行と見て捜査しています。
北海道内では、金属の連続窃盗事件が過去にも起きています。札幌のアパートの空き部屋から、忽然と消えた、あらゆる蛇口。この部屋に侵入していた男のカバンや車からは、大量の蛇口が押収されました。男は「金になりそうな蛇口を狙っていた」ということです。
記者
「こちらの電柱には4本の電線がぶら下がっており、切られた跡が見られます」
滝川市と、隣の新十津川町で狙われたのは、銅でできた電線。あわせて2200メートル分が何者かに盗まれました。札幌では、道路の側溝を覆う金属のふたも消えました。その数は166枚にも及びました。
さらに、こんな罰当たりな事件も…。札幌の霊園で、墓にあった花立てが次々と盗まれました。そのほとんどが、価格の高いステンレス製でした。
そして、今回の帯広の事件…。
記者
「住宅がすぐ近くにある公園です。一体どうやって人目につかず、蛇口を盗むことができたのでしょうか?」
犯行の手口と、犯人の目的は?
帯広の公園17か所で起きた、蛇口の連続窃盗事件。最後の現場では…。
記者
「こちらの公園では、7月22日朝、こちらにあった蛇口が盗まれたことがわかりました」
巡回中の警察官が、水飲み場から水が吹き出ているのを発見。蛇口が盗まれていることに気づきました。
周辺住民
「びっくりしますよ!子どもたちかわいそうで。ここの砂場とかもお水使って、遊んでいるんですよ」
一体どのような手口で犯行に及んだのでしょうか?公園の造成工事を行う札幌の会社に取材すると…。
南香園工事部 三森雄気さん
「ホームセンターで一般的に売っているものです。簡単な工具で、ここにはめて少し手の力を加えてあげればそのままクルっと回って、ネジ(のように)で外すだけ。作業自体は1分もかからないと思います」
水道のメンテナンスのためにも、簡単に外せるようになっていると言います。
一方で、蛇口を盗む目的は?蛇口の価値を、金属などを買い取る会社に尋ねてみると…。
REC環境サービス(金属買取業) 上村明寿代表取締役
「そんなに高くない。これ1個で100円くらい。工具を持って公園行って、(蛇口を)外すリスクと労力と費用対効果が合わない」
蛇口の素材の真ちゅうは1キロ600円前後と金属の中でも比較的安く、盗まれた蛇口36個の価格は3600円程度です。
記者
「公園内のテニスコートのすぐ近くでは新しい蛇口が設置されました。
帯広市によりますと、5日までに新たな蛇口を付け終えたのは5個だけですが、残りの蛇口は、水道工事業者の組合が申し出て、週明けから無償で取り付け工事をすることになりました。
8月5日(金)「今日ドキッ!」午後6時台
HBC北海道放送