林真理子が「ママ友」から“パシリ”をさせられて、心の底からしみじみと学んだこと

林真理子が「ママ友」から“パシリ”をさせられて、心の底からしみじみと学んだこと

  • 現代ビジネス
  • 更新日:2022/11/25
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野心を持つことの大切さを説き、46万部の大ヒットとなった林真理子『野心のすすめ』(講談社現代新書)。

このたび、それ以来9年半ぶりの新書となる『成熟スイッチ』(同)が発売され、大注目を浴びている。

ここでは、著者の林さんが「人間関係の変化」について感じてきたことをご紹介しよう。

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“パシリ”をやって学んだこと

人生が場面転換をしていくたびに、人間関係はどんどん移ろっていきます。

たとえば私の場合、「ママ友」たちとはだんだん疎遠になっていきました。娘が幼かった頃は情報を得るためだったり必要に迫られてつき合っていましたが、そういうふうに便宜上つき合った人とはいずれ離れていく。今は、被災地のボランティアを一緒にやって親しくなった二人のママ友と親交があるぐらいです。

ママ友たちとの社交は、私にいろいろなことを教えてくれました。

経験者の方はよくご存知だと思いますが、ママ友というのは子どもがまだ小さくて、送り迎えも必要な幼稚園時代がもっともつながりが強い。子どもが年長・年中・年少であれば年長のママがいちばん威張っていて、年少のママがいちばん身分が低いというヒエラルキーの構造になっています。私は超高齢出産だったのでもともと普通のママたちより随分年をとっていたのですが、年長のママから、

「コーヒー買ってきて」

と言われて、若いママと一緒にスターバックスに買いに走ったりしていました。

「ハヤシさん、パシリさせられてるんですか!?」

編集者たちは驚いていましたが、ママ友の世界では私なんて「ちょっと何か書いているらしい人」にすぎない。世の中の人は本なんてまったく読んでいないことも実感させてくれましたし、母親っていうのはいろんなことをしなきゃいけないんだと勉強になりました。

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〔PHOTO〕iStock

「子どもが年少だからって、パシリばかりさせられるのっておかしくないですか」

と言おうと思えば言えたかもしれませんが、幼稚園のママ友の集まりでイキリ立っても仕方がありません。バザーの時に指示されるままに黙々とフェルトを切っていたら、

「こんなことバカらしいと思ってやっているでしょ」

とママ友の一人から不意につっ込みを受けたことも。もちろん全否定しました。もともと私はパシリ根性の人なので、まったく苦にならなかったのです。そうして私のママ友時代は過ぎていきました。

人間関係は変わっていく

人は年をとり、人づき合いの新陳代謝を繰り返していくうちに、人間関係に悩まないようになっていきます。自我も強くなっていくから、他人との関係に過度に依存することもなくなり、相性の悪い人の存在だってどうでもよくなってくる。

人のイヤな面を見ても「こういういいところもあるし」と別の長所で補って考えてあげられるようになります。総合的に考えて、もうつき合う方がストレスだと思ったら、疎遠になっていけばいい。

私も、六十代に入ってからは、友人関係が随分整理されてきました。つき合いを続けるか自分で迷わず判断出来るようになって、無理をしなくなったからです。最近では、半径百メートル以内の人と仲よく出来れば十分かな、とも思います。

とくに私は仕事がフリーだから、苦手な人とは夫以外つき合わなくていいし……と安心していたら、日大で六十代後半からの勤め人生活が始まって、一気に状況が変わりました。明らかにこちらのことをよく思っていない人ともつき合わなければならない。でも、好悪の感情に流されず、公正にやっていくだけだとわかっているから、悩むことはありません。

大人の世界にはいろいろな状況やつき合い方があるということをまずは学ぶ。そして自分が置かれた状況にあわせられる柔軟性を身につけたら、しめたものです。

一人の同じ人間が、あるコミュニティでは冷静なボスの役割を務めているのに、別のコミュニティでは癒しキャラだったりするのって、とても素敵ではありませんか。人づき合いで融通がきく人になると、不要なハレーションを起こさなくなり、無駄なエネルギーを使う必要もありません。結果的に自分のためにもなります。

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