
森永製菓の「inゼリー エネルギー ブドウ糖(ラムネ味)」
ブドウ糖含有ゼリー飲料の単回摂取で、認知機能の向上か
森永製菓は、さまざまな食品や食品素材の健康機能についての研究を進めている。その中で、ブドウ糖含有ゼリー飲料を単回摂取(1回のみの摂取)することで、認知機能テストの「実行機能」と「運動速度」を改善する効果が見つかったという。
テスト方法は、20〜39歳の健康な男女16名を対象に、朝食を抜いた状態で、ブドウ糖30gを含有するラムネ風味ゼリー飲料(ブドウ糖含有ゼリー飲料)と、ブドウ糖を抜いたラムネ風味ゼリー飲料(プラセボゼリー飲料)を日を変えて摂取してもらい、それぞれ、摂取の15分後に認知機能を測定するコンピューターテスト「Cognitrax」を実施するというもの。
Cognitraxは、米国CNS Vital Signsが開発した認知機能検査であり、国内ではヘルス・ソリューションという企業が提供している。言語記憶テストや視覚記憶テスト、指たたきテストなど、10種類のテストから成り、記憶力、注意力、処理速度、実行機能など広範囲の機能領域を測定できるものだとうたわれている。
今回のテストでは、ブドウ糖含有ゼリー飲料を摂取した場合に、プラセボゼリー飲料を摂取したときよりもCognitraxの認知機能スコアが高くなるのか、統計解析による比較を行なっている(辞退や測定トラブルなどで計測できなかった4名を除く、12名の結果を解析)。

その結果、認知機能テストの前にブドウ糖含有ゼリー飲料を摂取した時は、プラセボゼリー飲料を摂取した時と比較して、認知機能の一部である「実行機能」と「運動速度」の標準化スコアに改善が見られたという。
テストの概要
実施時期:2020年1〜2月
対象者:20〜39歳の健常な男女16名(最終解析対象者 女性12名)
試験食品:ブドウ糖30gを含有するラムネ風味ゼリー飲料(ブドウ糖含有ゼリー飲料)
対照食品:ブドウ糖を抜いたラムネ風味ゼリー飲料(プラセボゼリー飲料)
試験期間:単回摂取
試験方法:ランダム化プラセボ対照二重盲検クロスオーバー比較試験
試験項目:「Cognitrax」による認知機能スコア
なお同社では、ブドウ糖は脳における重要なエネルギー源であるものの、WHOの「成人及び子どものための糖類の摂取に関するガイドライン」においては、肥満やう蝕の原因となる糖類の過剰摂取が勧告されていることにも触れ、「ブドウ糖を含有した食品を摂取する際には、食生活の栄養バランスを考慮することが大切」ともコメントしている。
また、血糖値に問題のある人も摂取には注意が必要であり、今回の実験結果についても、あくまで「健康な成人における研究であり、高齢者、認知機能に障害を持つ人などに、ただちにあてはめることはできないと考えている」とも付け加えている。
本記事で取り扱っている研究成果の論文は、医薬原著論文投稿誌の「薬理と治療(2020年48巻7月号)」にも掲載されている。
受験勉強のお供に「inゼリー エネルギー ブドウ糖」はいかが?
さて、ブドウ糖といえば、森永製菓の「森永のラムネ」のヒットは記憶に新しい。成分の90%がブドウ糖だとして、ビジネスマン、受験生、ドライバーなどを中心にブームともいえる売れ行きを見せた。
まもなく受験シーズンが到来し、ゲンを担いだ受験グッズが市場に溢れる。今回の実験では、ブドウ糖含有ゼリー飲料の摂取で「実行機能」と「運動速度」が改善されるという結果が出たが、ブドウ糖が、今回の被験者以外にも同様の効果を与えると仮定すれば、例えば受験では試験問題を早く解いたり、マークシートを素早く塗りつぶしたりすることができるかもしれない。

inゼリー エネルギー ブドウ糖(ラムネ味)は、ブドウ糖を30g配合している。爽やかなラムネ味で飲みやすい
ブドウ糖が認知機能の「実行機能」と「運動速度」に良い影響を与えること自体は、今回の実験結果からも、相当程度、期待できると言える。効果を保障するものではないが、ゲン担ぎに+α、栄養面でのおまじないをしてみては?
■関連サイト
ASCII