日本人は知らない...ピンチでも平常心でいられる自衛隊の「自己管理術」がスゴすぎる

日本人は知らない...ピンチでも平常心でいられる自衛隊の「自己管理術」がスゴすぎる

  • 現代ビジネス
  • 更新日:2021/06/10
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人生、いつピンチに遭遇するかわからない。2011年の東日本大震災や2016年の熊本地震をはじめとする大地震の数々、また近年頻発する台風やゲリラ豪雨による災害、そして昨年から私たちの生活を一変させた新型コロナウイルスによる感染拡大。どれも突然ふりかかってくるピンチの数々だ。

こうした緊急事態において、もっとも頼りになるのが自衛隊だろう。

昨年2月の、新型コロナウイルスの大規模集団感染がおきたダイヤモンド・プリンセス号での活躍は記憶に新しい。感染者が次々に増えるなかにあって、自衛隊の隊員からは一人の感染者を出すことなく任務を遂行している。災害時における消防や警察の活躍も素晴らしいが、未知の緊急事態といった危機レベルが上がれば上がるほど、自衛隊はその強さを発揮するように見える。

なぜ自衛隊はどんな場面でも安全に活動できるのだろうか? 本稿では、災害などの窮地で役立つ、一般人が身につけておきたい自衛隊流の「考え方」や「行動術」を紹介する。

指南してくれるのは、新著『自衛隊式セルフコントロール』が話題となっている元陸上自衛隊幹部の二見龍氏。東日本大震災では、福島原発対応の部隊運用を行ったエキスパートだ。

自衛隊員がスーパーマンみたいに見えるわけ

現役時代、さまざまな災害救助活動を経験してきましたが、「自衛隊はすごい」「頼りになる」などと褒めていただき、信頼されていることは、本当に嬉しいことです。

とはいえ、自衛隊員といえども、普通の人間です。スーパーマンではありませんから、出来ないこともたくさんあります。だからこそ、危険な場所や厳しい状況でも力を発揮できるよう、さまざまな訓練や準備を普段から行っているのです。

なぜ自衛隊が、危機に強く、またスーパーマンのように見えるのか。その秘密を5つのポイントに分けて解説して行きましょう。

[1] 危険見積もりと安全管理を徹底している

土砂が崩れている現場や、悪天候の状況下など、危険と隣り合わせに見える場面でも、自衛隊員は平気で活動しているように見えますが、実は、あのような行動が行えるのは、徹底した危険見積もりが出来ているからなのです。

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安全な場所と危険な場所との切り分けが大事(photo by Gettyimages)

基本的に自衛隊は危険な場所では活動を行いません。たとえば、戦闘で負けるかもしれない危険な場面に、あえて挑む人はいないでしょう。ただ無謀なだけです。災害などの現場でも同じです。

自衛隊では、活動を行う前に、必ず危険見積もりとそれに対する準備を行います。危険な場所と安全が確保できる場所を明確にし、可能な作業と不可能な作業の仕分けを徹底します。こうすることで、一見、レッドレベルの危険に見える活動も、平時と変わらないグリーンレベルでこなせるのです。

[2] 敵を知る

危険見積もりを行うために大事なのは、情報収集です。このときに気をつけるべきは、確かな情報源からのものしか信用しないことです。

たとえば、災害が起きると、SNSなどネットを通じて、数々の情報が流れます。なかには、善意で「●●らしい」という不確かで間違った情報が拡散されることもあります。不確かな情報に振り回されることほど危険なことはありません。

特に災害時は、公共機関などが発表する正確な情報を元に行動することが大事です。また、その情報は最新のものなのか、という点にも注意しましょう。

また情報収集で怖いのは、思い込みです。経験のないことに直面すると、たいていの人は「そんなことはありえない」というふうに考えて、心を安定させようとしがちです。また、自分が正しいと思ったことを肯定する情報ばかりを信じ、否定する情報を避けたり、無視したりしがちです。

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「大丈夫だろう」という思い込みが正しい判断を鈍らせる(photo by Gettyimages)

こうした思い込みの行動は、緊急時に避難するタイミングや場所を惑わせる可能性があります。「自分には判断力がある」と自信がある人ほど、こうした思い込みの罠に陥りやすく危険です。自分には判断力がないと認めることがまず第一歩です。

動き出しの一歩目の早さが大事

このように自衛隊の強さは、その情報収集能力と分析力の高さが支えているのです。しかし、情報があっても、使いこなせる能力が欠けていては、ピンチではなんの役にも立ちません。そこで大事なのが、日々の準備、つまりトレーニングです。

[3] 装備よりも練度

自衛隊はやっぱり装備がすごいから……。そんなふうに思われる人も多いですが、実は部隊の実力(強さ)は装備の良し悪しよりもどれだけ訓練し、習熟できているか……、つまり練度のほうが大事です。

もちろん竹ヤリで航空機を落とすことはできませんから、目的に応じた装備は必要ですが、どんなに高性能な装備を持っていても、その能力を発揮できなければ、意味がありません。

たとえば高性能な防護(防毒)マスクと防護衣を装備していても、正しく身につけられなければ、効果がありません。そればかりか、装着のミスがきっかけで死に至る可能性もあります。正しく装脱着できるためには、何度も訓練が必要ですし、その状態で活動できるようになるためには、その装備が肉体の一部に感じられるように、習熟が必要です。これは災害の避難時も同じことがいえます。

避難経路があっても、初めて歩く人と何度も歩いて確認している人とでは、動き出しの一歩目がまるで違います。動き出しが遅いというのは、戦闘では、相手に先手を取られるようなもの。日々の訓練と習熟が大事だということです。

そして、もうひとつ大事なのが、手順を確実に守るということです。

[4] 勢いで行動しない

焦っているとき、あるいは忙しくて疲労がたまっているとき、つい勢いにまかせて「えいや!」とやってしまうことがありませんか。そういう性格の人は、いざという時に事故やケガを起こしやすく、非常に危険です。

手順があるにも関わらず、手抜きをして手順を守らないのは、事故やトラブルの元です。仮に何度か上手くいったとしても、上手く行かなかった時の手戻りは、かなり大きなものとなるでしょう。

また、勢いだけで能力以上のことをこなそうとするもの危険です。

一番身近で大きな危険から逃げる

ピンチを乗り切るためには、まず、ここまで挙げた[1]から[4]を普段から心がけましょう。大事なのは、絶対絶命に陥る前に対処できるということです。余裕がなくなればなくなるほど、選択肢は少なくなり、ミスも起きやすくなるからです。

とはいえ、予期せず、本当にどうにもならない状況に陥ることもあるでしょう。そんな時はどうするのか。

[5] 絶対絶命! 頭が真っ白になったときの対処法

追い詰められてしまうと、頭が真っ白になって、フリーズしてしまうことがあります。脳が処理能力を超えてしまって、動けなくなってしまうのです。

もし災害時にこんな状態になったら、一番身近で大きな危険から逃れましょう。まず身の安全を確保するのです。

巨大なピンチから逃れ、余裕が出てくると、周りが見えてきます。同時に思考停止になっていた脳がふただび動き出してくることでしょう。また[1]から[4]までのトレーニングを積んでいれば、やるべき道筋が見えてくるはずです。

いかがでしたか。今回は、災害時のピンチを想定して紹介しましたが、こうした姿勢は、ビジネスや日常生活でも応用できると思います。詳しくは『自衛隊式セルフコントロール』に書きました。参考にしてみてください。

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