中国人選手として全豪オープン初勝利をあげた17歳シャンとは?

中国人選手として全豪オープン初勝利をあげた17歳シャンとは?

  • WOWOWテニスワールド
  • 更新日:2023/01/25
No image

錦織圭(日本/ユニクロ)の元コーチのダンテ・ボッティーニ氏、世界ランキング22位のデニス・シャポバロフ(カナダ)、そして世界17位のフランシス・ティアフォー(アメリカ)が中国人選手として初めて「全豪オープン」本戦に勝利したシャン・ジュンチャン(中国)について語った。まだ17歳の若さだが、シャンは才能あふれる成長株として注目されている。ATP(男子プロテニス協会)公式ウェブサイトが伝えている。

ボッティーニ氏が最初にシャンのプレーを見たのは、彼がまだ15歳の時だった。「素晴らしかったよ」とボッティーニ氏は語った。「とてもいい腕前を持った素晴らしい選手だ。もちろん彼はまだとても若かったけれど、大きな可能性を秘めていることがすぐ分かったよ」

ボッティーニ氏が正しいことをシャンが証明するのに長い時間はかからなかった。17歳になったシャンは、先日中国人選手として初めて「全豪オープン」本戦で勝利を収めた。シャンは初挑戦となったグランドスラム予選を突破し、中国テニス史に名前を刻む偉業を達成した。「こんなに早く達成して少し驚いているけれど、同時に僕と僕のチームの努力が実ったということだと思うんだ。次は何が起こるのか、ただワクワクしているって感じかな」

世界194位のシャンは、何年も前から注目を集めてきた。父はサッカー選手、母は世界選手権に出場した卓球選手というスポーツ一家に生まれたシャン。幼い頃は元世界7位のエミリオ・サンチェス(スペイン)のテニスアカデミーの中国支店でトレーニングを積み、12歳の時にフロリダに移住した。その後、14歳の頃にIMGアカデミーに籍を移し、16歳の時にジュニア世界一の座を獲得した。

シャンは、IMGアカデミーを通じて世界トップクラスの選手との練習の機会を得た。練習相手の1人だったシャポバロフは、すぐにシャンの才能に気付いたという。「第一印象は、彼の姿勢が素晴らしいということ。実力のあるジュニアの多くは、少し生意気な態度になることがあるんだよ。だけど彼は全く違っていた。いつもニコニコしていて、コートにいるのが嬉しいみたいだった。そして明らかに信じられないような才能を持っていたよ。だけど、きっと彼はものすごく努力をしていると思う」

シャンには明らかにラケットを操る才能があったが、ボッティーニ氏が注目したのはシャンの試合運びのうまさだった。「どこで仕掛けるか、彼はいつもとても賢明なんだ。彼が15歳の時は、もちろん十分なパワーが足りなかった。だがとても頭が切れて、思わず”ワオ”と言ってしまうような判断をするんだよ」

昨シーズン、シャンは世界ランキングを666位から184位まで上げた。「全豪オープン」(オーストラリア・メルボルン/1月16日~1月29日/ハードコート)1回戦でオスカー・オッテ(ドイツ)に勝利したシャンは、順位をさらに20アップさせる見込みだ。

だがシャンも彼のチームも先走りすることはしない。彼らは毎日を学びと向上のチャンスと捉えている。かつてシャンのように期待の新人だった錦織のコーチを約10年間務めたボッティーニ氏は、錦織が自己最高の世界4位まで上昇するのを助けた。「やってよかったと覚えているのは、急ぎすぎないことだ。急ぎすぎず、彼の腕前を上げる努力を続けることだ。ジェリー(シャンの愛称)はまだ17歳。彼は素晴らしい才能がある。だがまだ人間として、人として成長している途中なんだ。私たちは気をつけながら彼を正しい道筋に導かなければならない」

ボッティーニ氏は、オフシーズンからシャンのチームに加わった。元世界3位のグリゴール・ディミトロフ(ブルガリア)も指導したことのあるベテランのコーチを迎えて、シャンは練習にさらに身が入るようになったようだ。シャンはボッティーニ氏との関係について、「ダンテを味方に加えられて僕はとてもラッキーだよ。彼の意見は僕にとってすごく重要なんだ。彼とは、どうやって試合をプレーするかについてよく話し合っているよ。チームでは、すべては精神力だという点でみんな同意しているんだ。みんないいテニスをプレーすることはできる。大切な場面でポジティブな考え方ができるだけで、試合全てを変えることができるんだ」とコメント。

ボッティーニ氏は適切な考え方を持つことだけが重要なのではないと強調しながらも、シャンのキャリアの早いうちにそういった考え方を教え込むことが将来の助けになると考える。「コートにいる時は、常にボジティブでいること、それからアグレッシブな意識を持って攻撃的であるようにしている。私たちが一緒に練習するようになってからずっとそうしてきた。私たちが取り組んでいるトレーニングも、今までより少し前に出るようにという狙いがある」

「ネットに行けと行っているわけではないが、もう少し攻撃的に、ということだ。練習も、もちろん試合でも彼は素晴らしい成果を出している。そしてコートでは、彼はアグレッシブな考え方を持ちながらとてもボジティブでいるよ」

輝かしいキャリアに向けて大きな一歩を踏み出したシャンだったが、「全豪オープン」2回戦ではティアフォーに4-6、4-6、1-6で敗戦。だがティアフォーも、シャンの将来性の高さに太鼓判を押した。「シャン・ジュンチャンは信じられないような素晴らしい選手になるよ。彼はすでに実力のある選手だ。彼のように若い選手とプレーするのは困難なんだ。彼は本当に特別さ。彼はきっとやりにくい対戦相手になるだろうね。17歳であんなプレーをして、あんな風にボールを打って、あんな風に動くんだ。僕は彼の大ファンになったよ。しかも、すごくいい奴なんだ。彼には成功してほしい」

グランドスラム本戦2勝目はお預けとなったが、予選で3勝、本戦で1勝とグランドスラムで計4勝を重ねたシャンはかなり自信をつけたようだ。

「初めてのグランドスラムだから、毎日コートに出る時はかなり緊張していたんだ。でも同時に、今までのキャリアで一番素晴らしい時間でもあった。コートではすごくワクワクしたし、何もかも学びの過程なんだ。ここにいられて本当に幸せだよ」

(WOWOWテニスワールド編集部)

※写真は「全豪オープン」でのシャン
(Photo by Clive Brunskill/Getty Images)

WOWOWテニスワールド編集部

この記事をお届けした
グノシーの最新ニュース情報を、

でも最新ニュース情報をお届けしています。

外部リンク

  • このエントリーをはてなブックマークに追加