スタートアップ共和国・フランスが世界の市場を狙う!今、最もアグレッシブなフレンチテック最前線

スタートアップ共和国・フランスが世界の市場を狙う!今、最もアグレッシブなフレンチテック最前線

  • @DIME
  • 更新日:2018/01/14
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French Tech

ワインやグルメ、アートにファッション・・・世界的にも「フランス」のブランドイメージは高い。度重なるテロの悲劇にもめげず2024年のパリ五輪開催を獲得、観光大国の面目を保ちつつ、テクノロジー大国としてもアグレッシブな戦略を推し進めている。

その重要な戦略のひとつ「フレンチテック」は、フランスの革新的なスタートアップの成長を促進するためのエコシステムで、政府や国家機関、フランスの大企業などの主導で推進される「スタートアップ共和国」のプロジェクトだ。

起業家をはじめ投資家、エンジニア、デザイナー、開発者、大企業、団体、メディア、公共事業者、研究機関など、フランス国内・国外にかかわらず、フランスのスタートアップの成長、および国際的な波及に関わるすべてが対象となる。

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French Tech

堅実かつ急速な成長を保証するビジネスモデルを追求し、世界的野心を持つスタートアップは、医療、環境、バイオテクノロジー、ファイナンス(フィンテック)など、あらゆるハイテク分野でイノベーションを加速させるエネルギーに満ちている。リスクをいとわず新しい製品やサービスの創造に挑戦するスタートアップは、成功すれば急激に数百人、数千人規模の国際企業へ成長する可能性を秘めている。

経済的価値や雇用を生みだすために、スタートアップ奨励が急務と確信したフランス政府は、2013年末にフレンチテックのイニシアチブをスタートさせた。国はあくまでもサポートに留まり、フレンチテックのメンバー自体のイニシアチブに期待し、既存の枠組みを活用しつつ、雪だるま的な効果を作り出す方針をとる 。

フレンチテックのスタートアップを進展させるため、主要な開発地域となる代表的な国際都市には、フランスの技術コミュニティのネットワークが作られた。各地の振興組織「インターナショナル・ハブ」は、地元の起業家、投資家、メディアにフレンチテックの魅力と強みをアピールし、スタートアップ企業の成長を加速する「起業家エコシステム」としての機能を果たす役割を担う。

まず2015年にニューヨーク、イスラエル、東京、サンフランシスコ、モントリオール、ケープタウン、香港、モスクワ、バルセロナ、ロンドン、アビジャン、ソウルの12都市、さらに2016年にベルリン、ドバイ、ロサンゼルス、ミラノ、北京、サンパウロ、上海、深セン、台湾、ベトナムの10都市が、フレンチテックのグローバルネットワークに加わった。

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French Tech Tokyo

「フレンチテック東京」は2015年10月、当時経済・産業・デジタル大臣として来日したエマニュエル・マクロン現仏大統領が公式ローンチを行なった。マクロン大統領は、パリで今年6月に開催されたスタートアップイベント「VIVA TECHNOLOGY」の席上で「フランスをスタートアップの首都にする」と宣言。起業支援に100億ユーロ(約1兆2000億円)もの投資を発表し、一貫してスタートアップ奨励の政策を継続している。

ローンチ以来、「フレンチテック東京」は、アジア最大のIT・エレクトロニクス国際展示会CEATEC Japanや、イスラエル発のサイバーセキュリティ技術に関する国際コミュニティイベント「CyberTech Tokyo」など、大規模な展示会にブースを出展し、フランスのスタートアップ企業を強力にアピール。

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French Tech Tokyo総会 / Photo by Yumiko Misaki

また2016年には、ものづくりプラットフォームを展開する「DMM.Make」、京都のハードウェア・アクセラレーター・プログラム「Makers Boot Camp」、大阪市がイノベーション創出支援を進める「大阪イノベーションハブ」とパートナーシップを締結。日仏のベンチャー起業家がピッチやデモセッション、プレゼンテーションを行う交流イベントが行われている。

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Nao & Pepper : Sandro Salomone pour Aldebaran

京セラが日本で独占展開するIoTネットワーク「SIGFOX(シグフォックス)」、日立造船と技術提携を行う洋上風力発電設備開発の「IDEOL(イデオル)」、ソフトバンクの子会社となったヒューマノイド開発の「ALDEBARAN ROBOTICS(アルデバランロボティクス)」など、日本でもフレンチテック戦略の成功事例が相次いでいる。

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French Tech Ticket

海外のスタートアップをフランスへ誘致する動きも活発だ。外国人起業家を誘致するプログラム「フレンチテック・チケット」を2016年から開始し、第1期は応募722件から、日本の企業を含む23件のスタートアップ候補を選出。第2期はプロジェクトを70件に拡大し、受け入れ先のインキュベーション・パートナーも41ヶ所に増設された。プロジェクト1件につき経費用途として45000ユーロ(約600万円)を支給、入賞者および家族の滞在許可証交付手続きの簡素化、専用オフィススペース、メンターによるフォローアップ、コーチングの提供など、至れり尽くせりの待遇だ。

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French Tech Visa

さらに、EU圏外の外国人起業家、従業員、投資家(および家族)が4年間フランスで滞在し働くことができるビザ「French Tech Visa」の申し込みも開始されている。

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French Tech

毎年1月、米国ラスベガスで開催される世界最大の家電・IT見本市CES(コンシューマー・エレクトロニクス・ショー)でも、フレンチテックのスタートアップは注目を浴びている。2017年のCESイノベーション・アワードでは、36社・45製品がベスト・オブ・イノベーション賞およびイノベーション賞を受賞。CES2017への出展企業は260社を超え、スタートアップが集まるEureka Parkに188社が参加したフランスは、中国、イスラエル、英国をしのぐ最大のスタートアップ勢力となった。2018年も衰えぬ勢いで存在感を示すことだろう。

■参照リンク
French Tech Tokyo公式サイトhttp://www.lafrenchtech.com/

写真・文/三崎由美子

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